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2006年1月19日 (木)

闇打つ心臓は傑作

12時からアプレで衣装合わせ。ようやく短編映画の形が見えてきた。

 その後、渋谷のシネカノン試写室で「闇打つ心臓」を鑑賞。久々に骨太の映画を見た。長崎俊一監督の作品としては「その後」「シナリオ山口百恵の背信」などに連なる、映画を検証する映画。と言うと、かなり堅苦しく感じるが、これが実に笑える。構成は現在のリンゴオと稲子の後日談、リメイクである現在進行形の子殺しの若い男女、かつての「闇打つ心臓」の8ミリ映像の再撮、そして、この映画でどうしても若い男、つまりかつての俺を「殴りたい」を連発する内藤剛志のフェイクドキュメント、が同時並行に描かれるが、現在のリンゴオと稲子のエピソードは長崎俊一90年代の最高傑作「最後のドライブ」(テレビ)を彷彿とさせる芝居のダイナミズムで圧倒的迫力で描かれるが、若い男女のリメイクはどこか「現代」の希薄感を感じさせ、かつての8ミリ版の男女に比べると冷静でクールだ。でも一番笑えるのは、唐突に挿入される内藤剛志の「殴りたい」エピソードで、この内藤さんのフェイクドキュメント芝居が、誰がどう見ても、脚本どおりに怒っているようにしか見えない。室井さんとのフィクションの芝居ではあんなに迫力があったのに、このドキュメント部分の内藤さんはどこか滑稽に見える。乃至は芝居に憑かれた「星一徹」のような狂人にすら見える。そこがたまらなくおかしい。これは、実際の内藤さんのキャラを知っているから笑えるのかもしれない。それを知らないと、相当に危ない役者にみえるかも。23年ぶりのリメイクは、換骨堕胎してまた新しい傑作を生み出したと言える。少なくてもここ10年の長崎作品ではベストだろう。それにしても、あの82年版「闇打つ心臓」から、こんなに爽やかなラストが生まれるとは想像もしなかったろう。20年間に渡る壮大な映画の解体がここに行われたのだ。

 試写後は、北海道から仕事で出てきた父と妻の3人でフレンチディナー。帰宅して電話で長崎さんに「かなり笑えました」と伝えると「それが正しい観方だ」と言われた。これは確信犯だね。とにかくいま一番お薦めかな。いや、「ケータイ刑事 THE MOVIE」がまずはお薦めですが・・・。

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