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2006年3月 4日 (土)

新世紀 Mr Boo

 原作本を読まなくてはいけない仕事が二つほどあって、両方共にホラーなので混乱する。いや、一つは原作の映画化ではないのだが、同じ原作者の小説からどうしてもヒントを得たかったから読み込んでいたのだが・・・。世間ではホラーブームが終わったと言う噂も聞くが、まだまだホラーのオファーは多い。本当は思い切りくだらないスラップスティックをやりたいのだが・・・。

 あんまり頭がホラーに固まるのもなんなんでと、2本のコメディをスカパーで観る。一本は黒沢清の「勝手にしやがれ 黄金計画」でもう一本は

「新世紀Mr.Boo!ホイさま カミさま ホトケさま」

 と言うふざけた映画だった。しかし、これが非常に面白かった。26年前のヒット香港映画のリメイクなんだけど、このリメイク具合がいいんですよね。ストーリーは、まああってないがごときものなんだけど、次々と予想外の展開となり、しかも現代のドラマにかつてのMrBooの名場面が唐突に再現されると言うことになる。それでいて、昔の香港映画のように話が横道にそれても放り投げっぱなしなのではなくて、うまくエピソードを繋いでいるのは脚本と演出が巧いからだろう。監督のワイ・カーフェイはジョニー・トウと組んで傑作を送り続けている監督だが、これは単独で監督している。「勝手にしやがれ 黄金計画」もそうだが、物理的な事象を映像で捉えることで観客の心をエモーショナルに捕まえると言う方法論はホラー演出と酷似している。一つ違うのはドタバタコメディこそ芸達者な人がいないと絶対に笑えないと言うことだろう。

 「勝手にしやがれ 黄金計画」の中で終盤、逃げている悪役の大鷹明良がいきなりトラックに轢かれると言うギャグカットを、ダミー人形と望遠レンズで撮っていて、極めて効果的な演出なのだが、同じ頃に撮られた「Door3」では、諏訪太朗扮する探偵が暴力的に唐突にトラックに轢かれる恐怖シーンを全く同じ演出の方法論で撮られていて興味深い。「同じことを前後のシチュエーションが変わるだけで笑えたり恐怖したりするんだから面白いよねえ」と黒沢監督本人から聞いた。実は僕も同じことを「ゾンビ極道」でやろうとしたのだが、主役の小沢仁志が「俺が自分でトラックに突っ込むから人形はいらねえ!」と特攻したので再現されることはなかった。

 いつか『ケータイ刑事』で用いてみたいところだ。

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