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2006年5月29日 (月)

怪談新耳袋 新しい可能性へ向けて

 『怪談新耳袋』のオフライン編集が終わった。大永君に殆どお任せ状態に近かったわけだけど、今回の仕上がりは現場での大変さに比べて随分と力ある作品が4本撮れたと思う。仮音楽をあてたものを家で見て、それを確信した。作業的には30日にオンライン編集で合成と色調調整をやり、31日に音楽効果を入れる(遠藤さん忙しすぎだよ)のだけど、数日前に大永君が言っていたようにもう心配はないだろう。

 今回は特に一番最後に撮った「絆創膏」と言う作品の完成度を見て欲しい。いわゆるJホラー表現を内包しつつ、怪奇映画への原点回帰、ハマーホラーのような活劇性と怪物造形の生理的恐怖を試した作品で、いままで12本『怪談新耳袋』を撮って来たが、一番自分がやりたかったホラーを撮れたと言う気がする。そういった意味では娯楽性と作家性が久しぶりに一致した作品かもしれない。

 僕が生まれて初めて観た洋画は、7才のときに観た「フランケンシュタイン死美人の復讐」と「ミイラ怪人の呪い」と言うイギリスのハマープロ製作の映画だった。つまり怪獣映画やディズニー映画以外で、大人向けで字幕付の映画を映画館で最初に見た映画がハマー映画だったのだ。これはたまたまポスターに惹かれて親に連れて行ってもらったのだが、小学校2年生で7歳の僕にとって衝撃的な体験だった。でも、すっかり外国の怪奇映画の虜になってしまった。立て続けに名画座でやっていた「凶人ドラキュラ」と「恐怖の蝋人形」の2本立ても観に連れて行ってもらった。ここでクリスト・ファー・リードラキュラの余りの格好良さにすっかり僕は参ってしまい、その後、映画にお化けが出てこないと全然興味を持てなくなってしまった。それからテレビ朝日で昼に再放送されていた怪奇映画を僕は貪るように観た。そういった映画が放送されると、友人たちと遊ぶのもやめて家で「ドラキュラの花嫁」だの「吸血狼男」を観に帰った。この頃の映画体験がいまの自分を創ったと言っても過言ではないだろう。

 現代においてホラー映画が蔓延している状況は嬉しくもあるが、一方で大量消費による安易な駄作化も始まってしまった。今年に入って何本かホラーを観たが、清水崇の「輪廻」は評価すべき高い志のある映画だったと思うが、一方で志の低い、VシネJホラーもどきには辟易とさせられたのも事実だ。ホラー映画は特殊なジャンルだと思うので、ジャンルを愛せない作家が手を出してはいけないものであると思う。その意味で、今回の『怪談新耳袋ファイナル』は、次のホラー表現の引き金になるものを撮れたのではないかと思う。まあ、「輪廻」ではないが監督がやりたことを無茶でもやった方が絶対に面白い映画は出来るし、新しいヒット作はきっと生まれるのではないかと思う。

 活劇性と残酷、恐怖表現のホラーをまた撮りたくなってしまった。タランティーノ製作の残酷ホラー活劇「HOSTEL」が全米ヒットしたが、日本でも次はこのジャンルが絶対に来るだろう。

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