« 2006年6月 | トップページ | 2006年8月 »

2006年7月

2006年7月30日 (日)

 ケータイ刑事 銭形雷 アップ

 昨日銭形雷、緑山スタジオでクランク・アップ(佐々木組の)。2日目のスタジアムでのアクションは1日100カットも撮ったが銭形でこんなにカット撮ったのは初めて。等々力アリーナは川崎フロンターレのホームグラウンドでもあるので、気持ちもいい。アクション演出に関しては、贅肉のない捨てカットを作らない最低限のカットで最高の効果を、と言うのがドン・シーゲル以来の理想だと思うが、低予算でアクションを見せる時にはやはり有効な手段だと思う。奇をてらったCG満載のアクションがいまは主流だが、やはりカットの積み重ねによるエモーショナルな瞬間を捉えるのが本来のアクション演出のあり方だろう。たった2発の銃弾でどこまで緊迫感を持たせられたか、次は編集でこれをきちんと成立させなくてはいけない。今回は雷も随分と走らせたので、最終日はさすがに疲れたようだった。前回のセカンド2話がいまひとつ僕自身の演出プランを絞り込めないまま撮ってしまったので、今回ははっきりとした意思の力を持って臨んだのがうまくいった要因かもしれない。それと、撮影の小川さん、演出補の塚原さんがよく自分の我侭を聞いてくれたと思う。この人たちがいなかったらあれだけのカット数を撮れなかったと思う。塚原さんは、このシリーズではもう2本も監督しているだけにそれもよかったのかもしれない。ドリマックスのスタッフは優秀です。

 と言うわけで、今回はアクションサスペンス編だったが、こういった派手さはないが、緊迫感溢れるアクション映画こそ自分が本来映画でやってみたかったことのひとつだ。「突破口」や「ブラックサンデー」みたいな映画をいつか撮りたいなあ。

| | コメント (0)

2006年7月26日 (水)

クランクイン

DVD ふたつの時、ふたりの時間

販売元:ハピネット・ピクチャーズ
発売日:2003/01/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

 明日から撮影です。今日は『ケータイ刑事』と全く関係ない蔡明亮 の「ふたつの時、ふたりの時間」を観ました。撮影前、撮影中はできるだけ関係ない傑作を観る事にしています。数日ブログも休みです。

| | コメント (0)

2006年7月25日 (火)

パニック映画を観にいったら、災害に

今日も終日お勉強。夕方頃にコンテを切り終わる。三宅君の書いたクライマックスのサスペンスと感情の流れをかなり生かせる内容になったんじゃないかなと安堵し、ドリマックスから送られてきたスケジュール表に照らし合わせてみると、およそ成立しないカット数になっていた。このプランだと、・・日はかかるかなあ。もう一度ワンカットで攻められるところはないかと考え直さなきゃ。胃が痛い。

夕方、Nさんお勧めの映画を観に品川のアイマックスシアターへ行こうと横須賀線に乗ったら線路陥没で電車が止まってしまい、しばらく足止め食らった後に西大井から引き返すことに・・・。まさにデザスターな体験でした。しょうがないので、帰ってトニー・スコットの「マイ・ボディガード」を観たり、「黒沢明VSハリウッド」を読んだり・・・。両方共に非常に面白いが、木曜からの撮影には毒になるかな。トニー・スコットはあのPV風カメラワークが気に入らないところもあるけど、押しどころと引きどころの職人演出には最近感服することも多い。脚本がよければ、結構面白い映画は創れるけど、脚本が駄目だとチカチカカットが鼻についてしまうところは、例えば少々脚本に難はあっても面白い映画に仕上げてしまうフライシャーやドン・シーゲルとは格が違うのだなと。でも現代にはもうフライシャーもシーゲルもいないので、トニー・スコットは貴重なはずなんだけど。黒沢VS聖林本に関してはつらい話が多いけど、面白い。早く最後まで読みたくなります。

ちなみに今日の夕食は越後もち豚の冷しゃぶでした。新潟のブランド豚のもち豚はあっさりしていて、肉のくさみがなくって冷しゃぶにはもってこいですが、ガツンと言う肉の迫力はありません。夏向きかな。個人的には、もう少し肉の味が強くても美味しいかなとは思いますが・・・。

| | コメント (3)

2006年7月24日 (月)

カット構成に悩む日曜

 朝から脚本広げて、芝居プランカット割など演出プランを考える。前回は演出自体は脚本に沿う形を崩さず、カメラアングルは、ギミックなアングルを避け、極力人の目の高さに拘って撮ってみたのだけど、これはこれで面白かったのだが、でも『ケータイ刑事』と言うジャンルを考えると、ちょっと弾け方が足りなくなってしまった感があり、今回は最終回と言う事もあって、いろいろ悩む。このジャンルでなくては出来ない表現とウエルメイドに作り上げる間で揺れております。セルジオ・レオーネの勉強もしておくか・・・。

 夜は楽しい飲み会。湯葉とか、冬瓜の酢の物とか、京うどん。極めてあっさり系の食事でした。でも美味しかったな。映画の話も弾んだし。

 帰ってきたらオールスターゲームのことをプロ野球ニュースでやっていたのだが、このストレートしか投げないのがオールスターの花みたいな極端な流れはいつから始まったのだろう。確かに直球が持ち味の藤川や、球速で飯を食っているようなクルーンが真っ直ぐのみで勝負した昨日はそれはそれで楽しかった。しかし、カブレラが広島の永川にフォークを投げたからと言って怒るのは本末転倒だ。永川は、落差の大きいフォークがウイニングボールのフォークピッチャーだ。真っ直ぐは殆どが見せ球である。その永川に真っ直ぐで勝負しなかったと怒るのはどう考えてもおかしい。逆だろう。永川のフォークを打ってこその勝負だと思う。カブレラは何か勘違いをしているし、球宴が真っ直ぐショーではないことを客も含めてもう一度考えた方がいい。

| | コメント (0)

2006年7月23日 (日)

打ち合わせ連発

 7月22日 朝9時から美術打ち合わせ2回目。今回は脚本届いてから打ち合わせまでの時間が短いので苦労する。でも演出のポイントはもう決めているので、そこが揺るがなければいいと思う。問題は天気だなあ!これが曇りでもきついんだが・・・まだ数日あるので神に祈るしかない。粛々と淡々と準備にかかります。

 午後は昼食をとりながら、依頼があった映画の件で渋谷で久々に某氏と会う。予算的には充分なので、前向きに検討。とりあえず原作と企画書を預かり、映画の方向性を考えることに。今週の撮影が終わったら具体的に考えよう。いくつか朧げに見えてきたことがあるので、何人か昔から付き合いのあるスタッフにメールを送ってみる。好感触。

 帰ってからいろいろストレスが溜まることもあったのだが、夕食に四万十川の天然鰻を食べて、枝豆、ビールで全て忘れる。フロンターレは負けたけどね。

| | コメント (0)

2006年7月21日 (金)

雨の中のロケハン

 雨の中の東京横断ロケハン。ラストシーン用の場所探しにちょっと苦労。別れシーンは美しく撮りたいから粘って、大雨の中東京湾岸をロケハン。気合を入れて探す。午後は、クライマックスのスタジアム探して川崎へ。ここはうちから近いからいいけど、どうせここ朝からスタートはないのだろうなあ。雨のシーンならともかく、晴れの日を想定しての雨中ロケハンはきつい。いまきついのは全然いいけど、撮影当日は晴れて欲しいなあ。梅雨がこんなに長引くのって久しぶりだそうで、涼しくていいけどいざ撮影が近くなってくると心配だ。明日は朝早くから2度目の美術打ち合わせ。夜は神宮球場のオールスターをテレビ観戦。新庄は面白い。

| | コメント (0)

幻影シャッフル 配信開始

http://www.x-tv.jp/

Photo02_1  1月に撮った『幻影シャッフル』がようやく配信開始です。ちょっとまだノイズが走ったりしますが数日うちに改善されるようです。僕のロングインタビューもありますので、是非ご一読を・・・。長時間に渡って毒と共に撒き散らした雑談のような話を良くまとめてくれたと思います。ホラーから『ケータイ刑事』までいろいろ話しています。

 それにしてもこのサイト、昨日までは井口君のインタビューで次は僕とまるでBsiのようです。これで次が豊島圭介とかだと完全に被ることになるわけだが・・・。        

| | コメント (0)

2006年7月20日 (木)

川の流れに

 しかしまあ、よく雨降りますねえ。我が家が加入しているYOUチャンネルというCATVでは、ローカル放送で多摩川や鶴見川数十箇所に無人カメラを仕掛けて、24時間あらゆる角度から河川の様子を、ストリングスの曲をBGMに観ることができるチャンネルがあって、本来はヒーリング用なんだろうけど、今日のような天気の日は多摩川の増水の様子を川上からずっと見ていかれるので中々興味深い。また、夜になると思い切り絞りが開くので河川の様子も昼のように見ることができる。なので、夏とか河川敷をデートしていてるカップルとか丸見えだったりもする。ひょっとして何か事件は起きないかと不謹慎な目で見ることも可能だ。

 明日が脚本打ち合わせなので、昼は勉強。夕方からは見たい映画があったのでDVDをセットするも、なぜかひっきりなしに携帯が鳴って、落ち着いて観られないのでやめてYOUの川を眺める。ああ、時折流木が多摩川を流れ始めている。これは上流は結構やばそうだ。野球も中止。

| | コメント (0)

2006年7月19日 (水)

雨のちホルモン

 午前中歯医者に行って抜糸、術後の経過と今後の処方の方向性について話し合う。午後は妻と共に五反田のイマジカで内覧試写。見終わった後、ここ数日の天気のように鬱々とした気持ちにさせられる内容の映画だった。妻が出ているから観たのだが、最近は中学生や高校生の犯罪が増えていて、丁度今朝「新潮45」の少年犯罪特集記事読んだばかりだったから、ある意味タイムリーではあるが・・・・監督本人がどこまで意識しているかわからないが、暴力演出に関しては観るべきところはあった。映画が終わってロビーに出てきたら、ドリマックスの田沢君から携帯にメッセージが入っていたので、電話していろいろ話し合う。予算面で克服していかなければならないところがあるので、前向きに話し合う。でも、この電話のおかげで、いろいろ挨拶をしなくてもすんだのでよかった。映画の感想とか聞かれたら困るもの。と言うか、自分が関わっていない映画の初号試写とかを観にいくのは本当に苦手。帰ろうと思ったらロビーで次の試写を待つ日活編集部の奥原好幸さんに久々に再会。オプチカルチェックで来たとの事で、お変わりない容姿に驚く。隣に座る日映美術の赤松さんとか、奥原さんの顔とか見るとほっとしますね。ここが映画の現像所であったことを再確認させてくれた。

 思った以上に映画が長かったのと野球が雨天中止なので慌てて帰宅することもなくなり、外食。川崎でディープなホルモン焼き屋に入る。いわゆる70年代までの川崎のイメージそのままのホルモン焼き屋。安いが、メチャクチャ美味しい。濃い味のホルモンには芋焼酎のような香りも味も濃い酒が合う。店内は裸電球で雨漏り、客も初老の肉体労働者ばかりと言う極めて川崎な雰囲気がよかった。

| | コメント (0)

2006年7月17日 (月)

矢城潤一監督 「ねこのひげ」PFF招待上映鑑賞

「ねこのひげ」HP

http://www.geocities.jp/mothersdayx2/

 PFF・ぴあフィルムフェスティバルの招待上映作品の「ねこのひげ」を渋谷の渋谷東急まで観にいく。俳優の大城英治さんがプロデューサーと脚本を手がけ、矢城潤一監督が仕上げたこの映画は、離婚係争中の男と不倫相手の女の不安定な日常を、しつこいくらいに出てくる食事と飲酒のシーンで淡々と綴りながら、大人の青春映画としての完成度の高さを見せてくれる。もうあと一歩で成瀬巳喜男にもなれるくらいに純度の高い恋愛映画でもあった。

 これから公開に向けていろいろ動きがあると思うが、なんとかフィルム化して35ミリ上映して欲しいと思う。久しぶりにお芝居を楽しむことが出きる映画です。

 

| | コメント (0)

世界大戦争

 夜からドラマの美術打ち合わせだったのだが、開始時間が撮影終了後と言うことで自宅待機。脚本が届いたのがお昼過ぎだったので、慌てて勉強。それでも時間が余ったが電話はかかってこない。まあ、21時緑山目標と言うことなので余程撮影が速く終わらない限り待機するしかない。その間にスカパーで松林宗恵の「世界大戦争」と言う映画を見る。北朝鮮のミサイル実験があったばかりの現在、非常に臨場感を持って見させていただいた。最近、川島雄三の映画ばかり見ていたのでフランキー堺主演と言うのが何か親近感が沸く。奥さんが中北千恵子だったり、当時の日本映画を支えていたキャストが続々と顔を見せ芸達者ぶりを見せたり、演出的にも卒がない。これ初めて見たんだけど、途中の潜水艦追撃だとかジェット戦闘機同士の空中戦とか円谷特撮パワフルで見応えがある。で、最後のミサイル乱射シーンはテポドンのこともあって慄然とした気持ちにさせられる。評判がいいラストの演出の部分は、ちょっと泣かせに行き過ぎていい塩梅にはなっていなかったが、最後に生き残る日本人が笠智衆と東野英治郎の「やあ愉快!」の「秋刀魚の味」コンビと言うのが救われる。この2人が最後の日本人ならまあいいか。

 夜は20時過ぎに緑山スタジオに入って、21時過ぎから美術打ち合わせ。さすがにスタッフはちょっとお疲れ気味。質問の声も少ないので、一気にまくしたてて終わる。ただ爆弾の仕掛けに関してはちょっとした議論となる。帰ってきたら24時近くになっていて、野球も負けたので早々に寝る。

| | コメント (0)

2006年7月15日 (土)

初めて見たぞ!内野5人シフト 横浜VS広島

 BS-iの仕事をしていて何が一番嬉しいかって、横浜ベイスターズのシーズンチケットを戴けるのが一番嬉しい。僕は数年前までは年間40試合以上の試合を観に球場へ通っていて、最近はそこまではいかなくなったが、それでも年間10試合以上は横浜スタジアムで観戦するのでこれは何よりだ。今夜は広島戦を観に妻と関内の横浜スタジアムへ。     

 試合のほうは、横浜三浦と広島大竹の投手戦で1-1のまま延長戦へと突入。10回裏、広島リリーフの高橋健が1アウトから小池にツーベースを打たれ、金城に4ボールを出したところで、広島ベンチは抑えの永川を投入してきた。横浜4番村田対永川と言う勝負になったが、村田がサヨナラのチャンスに冷静な選球眼で4球を選び、満塁。5番の古木を迎えることになると、広島ベンチからブラウン監督ガ飛び出して来た。左投手に変えるのかと思いきや、センターの森笠を下げて井王と言う選手を入れ、この井王をなんと内野守備に着かせたのだ。つまり、外野は嶋と前田2人となり、内野を5人の選手で守ることになったのだ!

Sn340010 これがその写真だが塁間に2人づつ広島の選手が守備に就いているのがわかる(写真クリックすると拡大されます)。MLBでは時折ある戦法で、巨人の星の最終回でもこの戦法をとったりしていたが、漫画や記事で見る以外見たことない守備位置だ。1アウト満塁でゴロを打たせた場合絶対に外野に抜けないためにこうしているのだが、結果は予想外の決着を見た。な、なんと、永川の投じたフォークボールがワンバウンドして跳ね、捕手の後ろに逸らすことになってしまったのだ。さすがの内野5人守備体制も捕手の背後に転がるボールは取れない。慌てて拾い上げた捕手の倉がベースタッチに向かったが、三塁走者の小池の好走塁で本塁を陥れ、ベイスターズのサヨナラ勝ち。

 塁間を抜けないようにと言う鉄壁のマーティシフトも、暴投では意味がなかった。こちらとしてはマーティシフトも、横浜の勝利も両方観られたので暑さも吹き飛ぶ爽やかな家路だった。写真が三塁側から撮られているのは、広島側の三塁スタンドががらがらだったので、横浜ベンチの選手を見たくて移動して見たのだが、三塁側から勝利に沸くライトスタンドを見るのもまた格別なものがあった。

Sn340011 試合終了後のライトスタンド。

久々に球場で味合う冷たいビールと枝豆は本当に美味しかったなあ!皆さんこれからナイターには最高の季節です。野球場へ行きましょう!

| | コメント (0)

2006年7月14日 (金)

サイトリニューアル

 テンプレートデザインが冬のままだったのが気になっていたのだがデザイン変更すると全ての表示項目を変更しないといけないのが面倒だったので放置していたが、今朝あんまり暑いので深海のデザインに変更。

 昨日は午後から脚本打ち合わせ。それにしても渋谷、赤坂、新宿と言う場所の暑さは尋常ではない。ヒートアイランド現象と言って、ビル郡から出る冷房排出の熱気と車の排気ガスの暑さで、気象庁の発表温度より3,4度は都心の温度が上昇し、時には急激な局地的な温度の上昇で渋谷、青山、赤坂近辺にのみ雷雲が発生し大雨になることすらある。数年前赤坂見附でちょっとした洪水になったりしていたが、これはヒートアイランド現象がもたらした雨だった。夜、多摩川を渡って川崎に帰ってくると少しだけほっとする。

 夜はHDに取り込んでいた川島雄三の「グラマ島の誘惑」を見る。狂っている。こんな映画がそれなりのオールスターで公開されていたことが凄い。駄作呼ばわりされるか、乃至は評価されるにしろ、天皇制批判だの原水爆批判だの社会的なところから評価されているだけだが(70年代までの日本映画批評とは押しなべてそんなものだったが)、そういった矮小な評価だけでこの映画を観てはいけないだろう。故三橋達也さんのターザンとかあり得ない。それにしても出鱈目だ。このドライな出鱈目さは、ハワード・ホークスの「赤ちゃん教育」だとか「モンキー・ビジネス」に通じるものがあるかなと思ったが、ホークスの場合はそれでもボーイ・ミーツものの体裁をとっているので、川島雄三の方が出鱈目さという点では凄いかもしれない。

| | コメント (0)

2006年7月13日 (木)

甲子園は遠いけど・・・

Sn340007  明日から脚本打ち合わせ、その後月末の撮影まで一気に準備~撮影が始まるのでのんびりできるのは今日くらいかなと思い、近くの等々力球場まで夏の全国高校野球大会の神奈川地区予選を見に行く。すぐ近所にある川崎総合科学高校と言う、まあ、ほぼ予選で消えてしまうだろうチームを応援するためだ。

 等々力球場は、等々力緑地の中にあって、そばに等々力アリーナ、川崎市民ミュージアムなどもある極めて立地条件のいい球場である。うちから自転車でいけない距離ではないが、かなり暑かったのでバスを使う。いつもこんな時間のこの路線バスは混まないのだけど、今日は応援団らしい女子でいっぱい。着いたら3年生からトイレで着替えるようになどと言う声が飛び交い、バスから降りると球場目掛けて駆けていく姿が青春だった。

 球場に着くと、多摩高校対百合ヶ丘高校が9回の攻防で盛り上がっていた。プロ野球とは違う賑やかさと、切実さがスタンドを覆っていた。9回裏4-3で多摩高校がリード。百合ヶ丘が2アウトになると、もう百合ヶ丘を応援している女子生徒は全員が涙を流している。ところが、2アウトからスリーベースが飛び出し、シングルヒットで同点。嗚咽は喜びの歓声へと変わった。結局延長戦百合ヶ丘のサヨナラ勝ち。多摩の投手の方が球威、制球共に上に思えたが一人で延長まで投げてスタミナ切れだったのだろう。悔しさに泣きながらへたり込む姿はプロ野球にはない光景だった。接戦の末の逆転負けで、うな垂れる多摩応援席だったが、やがて『頑張れ百合ヶ丘』のエール交換が始まり清清しい終わりを迎えた。これはいい試合だった。

 続く、本命の川崎総合科学高校対横浜南稜高校の方は、プロ野球ではあり得ない面白プレーの連発で、両チーム共に信じられないくらいに下手糞な守備で2回終わってヒットもまともに出ていないのに6-5になってしまった。それでも4回以降は総合科学の投手が試合を作り始め、結局11-7で勝利した。プロでこれを見せられたら腹が立つが、アマチュア野球はこれはこれで楽しい。何より、両チームの選手が楽しそうにプレーしているのが嬉しい。彼らにとって甲子園は遥かな夢だろう。それでも高校野球の地区予選はそれでいいと思う。強豪チームは強豪中学から選手をスカウトして出来上がるエリート集団だ。それができない公立のチームや、経験の浅い高校はそれでも僅かな望みをかけて野球を戦う。Sn340006_1

それが楽しい。やはりスポーツは生観戦が一番。ゲームだけでけではなく、球場に起こるドラマを隅々まで楽しむことができる。映画もいいが、青空の下のスポーツ観戦もいいね。

帰ったら、ベイスターズが巨人に2連勝。これも嬉しい。

 

| | コメント (0)

2006年7月12日 (水)

花に嵐の例えもあるぞ サヨナラだけが人生だ

花発多風雨    ハナニアラシノタトヘモアルゾ

人生足別離    サヨナラダケガ人生ダ

 これは川島雄三監督「貸間あり」で桂小金治が小便をしながら言う台詞。今月に入って日本映画専門チャンネルでビデオソフト化されていない川島雄三の映画を放送しているが、これが滅茶苦茶で面白い。日活時代のいわゆる名作は観ていたが、プログラムピクチュアとして量産されていた川島作品は殆ど観る機会がなかったのでこれを機にいろいろと観たくなった。

 現代においてリメイクするのが最も困難な監督は、増村保造と川島雄三ではないかと思う。黒沢明は優秀なプロデューサーが金をかき集めれば何とかなると思う。小津も非常に独特だができなくはない。成瀬は最近の若い監督のバイブルにもなりつつあり、勿論「浮雲」を作るのは簡単なことではないが優秀な『メロドラマ』は時間があればできるだろう。でも例えば川島雄三の出鱈目さを再現するのは極めて困難ではないだろうか?特に最近「感動」がなくては、涙がなくてはいけないとされるような映画界においては・・・。感情移入を拒否すると言う点で増村も川島も一緒なのだが、それが決して必要以上に芸術映画的な視点でもなく、あくまでコメディだったりセックス映画だったりするところが凄い。

 例えば「青べか物語」と言う山本周五郎原作の映画にあるのはひたすらに猥雑な人間たちの描写だ。それも殆どシネマスコープの引きの画面の中に人物を収めきり、よほどのことがない限り「寄り」はない。かと言って手法としての長回しに拘ると言うわけでもない。『寄り』を撮ると言うことは何らかの感情を映した人物に感じさせるものだが、絶対にそれは拒絶する。ロングショットは勿論あるけど、芝居の見せ所は基本的にはルーズなサイズに人物を埋めるだけだ。新しい登場人物が出てきても、紹介カットのような寄りはない。隅々まで芸達者な役者がキャスティングされているが、全てが『裏粕』と言う街に生きる人々のしょうもない生活描写に貢献する為に存在している。一方、いつも臭い芝居をしがちな主人公の森繁久弥にはまるで浅野忠信のように無芝居の芝居を要求している。同じ猥雑な感じがあっても、愛弟子の今村昌平や森崎東にはなんらかの感情が常に付きまとう。だが川島喜劇はそうした感情は「無粋」とでも言わんばかりに拒絶される。

 先日今村昌平監督が亡くなられたが、助監督時代の今村がプログラムピクチュアを撮り続ける川島雄三に対し「なんでこんなものを撮り続けるのか?」と問いかけたそうだが川島は「セイカツノタメ」と一言答えただけだった。それは本音だったろう。だが、そこに「作家主義」には絶対に陥らない監督の意地を読み取ることも出来る。松竹時代の川島映画を去年下北沢でやっていたようだが、見逃したのが悔やまれる。

 川島雄三享年45歳。僕と同じ歳だ。環境が違うとは言え、45歳で「サヨナラだけが人生だ」と言えるはやはり凄いことだ。まあ僕は60歳くらいまでに「青べか物語」みたいな映画を撮れればいいかな。

| | コメント (0)

2006年7月11日 (火)

口中切開 その2

 遂に昨日、埋伏して化膿していた歯の根を除去手術。歯茎の中に完全に埋まっていたので、3箇所を切開して骨に近いところまで何やら金具を入れての手術なので通常の抜歯よりは全然大変だった。思った以上に深く埋まっていたので骨を傷つけないように取り出すのが厄介だったようで1時間も手術にかかってしまった。麻酔が効いているから痛みは感じないのだけど、顔の中心部奥深くに冷たい金具が差しこまれているのは感覚で感じるので、その冷たい感触がとても嫌だった。デビット・クローネンバーグ的恐怖とでも言おうか・・・視覚でもなく、聴覚でもなく、顔の中の方に感じる感覚の恐怖と言うのは生理的嫌悪を感じさせる。

 1時間に渡る手術ですっかり体力も使い果たし、ボルタレンと言う痛み止めの中でも一番強い薬を貰って帰る。顔の中が腫れている感覚は終日続いた。あまりに痛いので昼食後は、このボルタレンを呑んだが痛みは引いたが、頭がぼーっとして眠気を誘い意識が朦朧してしまった。携帯に、月末に撮るドラマの脚本が届いたことを知らせるメールが来たのでパソコンを開くが、まともに読める状態ではなかった。

 今朝、術後の傷口を消毒してもらいに行き、来週以降に抜糸と決まる。いやあ、久々に物理的な恐怖を体験しました。歯は早めに治療ですね。

| | コメント (0)

2006年7月 9日 (日)

王監督の話

 ソフトバンクホークスの王監督が胃に腫瘍があるとかで帰京し手術を受けると言う。僕らはまさにON世代で育ったわけだが、なぜか僕は小学生の頃からのアンチ巨人で王、長嶋にシンパシーを抱いたことはなかった。ただ、野球人とはまた別な側面での王さんの人柄は札幌にいる頃から知っていた。

 札幌に住む友人の妹はソフトバンクホークスの熱狂的なファンである。とは言え南海ホークス時代からのホークスファンだったと言うわけではなく、王監督のファンだからホークスファンになったと言う人だ。多分、いまでもホークスの応援に福岡まで出向いたり、札幌ドームのホークスの試合は必ず観にいっているのではないかと思う。では、彼女がなぜ王さんのファンになったのか?彼女は幼い頃身体が弱く、札幌市内のある養護学校に行っていた。王さんは、札幌遠征の折、毎年必ずこの養護学校を訪れ、病気の子供たちを励ましに来ていたのだ。地方の養護学校への慰問は、大きな記事に取り上げられることもないので売名行為などでは決してなかった。誠実に子供たち一人一人に接していたようだ。そのことを彼女は決して忘れなかった。王選手が巨人王監督となり、福岡ダイエーホークスの王監督となっても彼女は王監督のファンであり続けた。これからもあり続けるだろう。それは幼い頃に接した王監督の励ましが今でも生きている支えになっているからだと思うからだ。

 僕は横浜ベイスターズのファンなので交流戦で対戦成績の部が悪いホークスはあくまで敵なのだが、いまは早く王さんに監督としてホークスに戻ってきて欲しいと願っている。王監督を必要としているのはチームだけではなく、上に書いたような小学生の頃から心の支えにしているファンもいるのだから・・・。

| | コメント (0)

負けに不思議の負けなし 勝ちに不思議の勝ちあり

 今週水曜の阪神戦がまさに『不思議の勝ち』だったろうか・・・。天候がベイスターズに味方をして雨天コールド勝ち。天候が不安定な時はとにかく先制というセオリーはあると思いますが・・・。

 果たして今日の岐阜での中日戦はどうだったか・・・。初回の石井の走塁ミスが全てと言えばそれまで。次の回、村田のエラーからあっさり失点。相手のミスに乗じて点を取れる中日と、ミスが失点に即繋がってしまう横浜のメンタル面の弱さがそのまま出た試合だった。若手中心だと勢いがあるときはいいけど、そうじゃないとミスの連鎖が起きて連敗街道まっしぐら。とにかく意識を高めて練習し、野球が巧くなることでしかいまのチームは救えない。金銭的な大型補強が出来ないなら、時間をかけて選手の意識改革を2軍レベルから確りとやってほしいです。

ところで、相手チームの山本昌のピッチング、見事と言うほかはなかった。ベイスターズの若い未熟な打線がいとも簡単に老獪な投球術にはまってゴロの山を築いていった。134,5キロの遅い直球を見せ球にインコースを突き、右打者にはアウトコースのシンカー(スクリュー)、左打者には低めのスライダー、カーブで打ち取る。あの真っ直ぐ、打者にはまだまだ早く見えるんだそうだ。4,5年前は中継ぎから引退まで噂された山本昌だが、当時のエース各でFAで巨人に移籍した後輩の野口の惨状と比べると、40近くになってまだまだ主力の力はあると言える。ベイの若手打線もこう言う老獪な投球術を打ち崩してこそ本物になれると言えるのではないでしょうか?

| | コメント (0)

2006年7月 8日 (土)

HOSTEL

イーライ・ロスの「HOSTEL」の感想も忘れないうちに書いておこう。(あ、下記のURL踏む時にはパソコンスピーカーのVOL下げてください)

http://www.hostelfilm.com/

『怪談新耳袋 最終夜』の仕上げ中に三宅君から輸入盤を戴いて観た、タランティーノ製作、イーライ・ロス監督による残酷ホラー映画だ。全米では既に相当な話題になって、4月に中原昌也君から『佐々木さん絶対観た方がいいいい!絶対これ撮りたくなります!」と言われていたので、観たのだがその直後に体調も壊して(映画のせいではありません)レビューしてませんでした。

 日本での公開もまだ決まっていないので、ネタバレは避けますが、思った以上にメジャー感のある映画です。香港の「ダルマ女」とか、そういった都市伝説を題材にしてるのだけど、前半30分近いユルユルのエロ描写をどう捉えるかで結構好き嫌いが決まるかもしれない。中盤のハードコアな残酷描写とのメリハリという意味ではいいのかもしれないが、生理的にアメリカのポルノ映画にありがちな「まったりとした明るい緩いエロ」に耐えられないと次のステージへ進むのはつらいかな?エロ→残酷→リベンジアクションと言う具合に楽しむエピソードが次々に変わるので前半を乗り切ると一気呵成に楽しめる。ただ、敵対する側が非常に具体的な組織なので、『悪魔のいけにえ』のように『理不尽な悪による恐怖』と言うのが希薄になっていくのがちょっと残念だったか・・・。そういった意味では「恐怖とは何か?」を追求している人たちには不満が残る映画なのかもしれない。同じ時期に見たトビー・フーパーの『悪魔の沼』と比べてしまうと、やはり『恐怖』と言うインパクトには欠ける。その分、後半のリベンジを楽しめるかどうかと言うところか・・・。

 そう言えば、天才高橋洋さんと『発狂する唇』の次回作のネタに「フィリピンの2000の狂人」と言うプロットを作ったことがあったが、その時の話に「HOSTEL」はちょっと似ているかもしれない。でも、イーライ・ロスより高橋洋が創った物語の方が実は何倍もインパクトがあって面白かったのだが・・・最後まで行く直前に「普通には纏めたくないですねえ」と言うところで止まってしまったのであった。時代が3,4年早すぎたか・・・。これを機にもう一度トライしてみたくなった。 でもまあそれやると成功はする可能性は高いがリスクもかなりありそうだ。それに高橋さん忙しそうで、一瀬さんとの仕事もあるだろうし、そっちが当然優先されるべきだろうからちょっと声はかけにくいっす。

 ちなみに上記に張った「HOSTEL」の予告は安易には見ないように。音も凄いけど、残酷描写苦手の人は踏まないようにしてください。本当に気持ち悪いです。特に「ケータイ刑事」とかを良く見ている健全な青少年の皆さんは見ない様に。多分この映画は18歳未満禁止でしょうから。

| | コメント (0)

2006年7月 7日 (金)

不愉快な阪神3連戦

 久々に不愉快な3連戦だった。昨日は恵みの雨に助けられたものの、火曜は那須野の4球自滅、今日はエラーに走塁牽制死と若手のふがいなさに野球を見るのがつらくなる。我々はプロのプレーを楽しみに観ているのであって、2軍の試合やキャンプ中じゃないのだから、選手の成長を我慢しながら見ようとは思わない。それに今日のようなミスが彼らにいい影響を与えると思えない。本質的に「頭を駆使」していないから同じミスを繰り返すだろう。彼らに成長はあるのか?

 今日ミスをした連中は実は沖縄キャンプでも実に不真面目な態度で強化トレーニングに臨んでいたをこの目で見ていたので本当に腹が立った。プロ意識が足りない彼らを野放しにしておく首脳陣にも問題ありだ。故障者続出で起用せざるを得ないのだろうが、技術の問題ではなく『意識』の低さがこの阪神3連戦では露呈してしまった。まあだからベイスターズは最下位にいるのだろう。TBSは僕を球団に派遣してはくれまいか・・・。球団フロントとして、3年でいいチームにしてみせる自信はありますよ。

| | コメント (0)

2006年7月 6日 (木)

風間杜夫 アーカイブスシアター Vol1

 朝はミサイルニュースで目を覚ます。

 昼から、新宿御苑の某社でWebサイト上映の契約。詳細は決定してからになりますが、そのうちいろいろな映画作家のところへも行くんじゃなかろうか?先週は利重剛だったそうな。

 その後、奥さんと一緒に新宿の紀伊国屋ホールで「風間杜夫アーカイブス 黄昏にカウントコール」と言う芝居を観る。

http://www.rup.co.jp/index2.html

 うちの奥さんが前の事務所で風間杜夫さんと一緒のマネージャーだった関係もあったのと、主役の一人の今井あずささんが妻の友人だったので席を取っておいて貰ったのだ。実は僕は映画は死ぬほど観ているのですが、演劇鑑賞と言うのが苦手で、中々腰が重いのだが、今回は妻に誘われたこともあったのだけど、先月紀伊国屋の前を通った時に何か勘が働いたのだった。

 お芝居の方は、かなり面白く、楽しめました。とにかく、銀ちゃん時代の風間杜夫大爆発と言った感じで、役者の巧さを堪能。風間さんは本当に巧い。最近は小劇場とか役者の芝居が巧くなくても舞台成立していますが、舞台こそ「ノリ」とか「センス」じゃなくて、役者の芝居が本当に巧くないと絶対に成立しないものだと思っているので、今回のように芝居の巧さを堪能できる舞台は本当に楽しい。演出は長谷川康夫さんで、つかこうへい劇団がかつて全盛時代にとっていた独特の「口立て」と言う演出による芝居だった。「口立て」と言うのは、演出家が口立てで俳優にセリフをつけながら芝居をつくっていくという方法で、予め台詞が用意された脚本と言うものはない。それだけに、役者の芝居が本当に巧くないとできない。これは何週間もリハーサルができる舞台独特の方法論ではないかと思う。風間さんだけじゃなく、今井さんはじめ出演している役者さんみんな素敵でした。本当に今日はみんな巧かったなあ。ちなみに、ダンススタジオの生徒役の真山さんと言う俳優さんは『血を吸う宇宙』で看守の一人を演じてくれていた人でした。

 風間杜夫さんの最近のフィルモグラフィを見ると、これだけ早口でまくし立てても絶対にかつ舌が確りしている特徴を生かした役柄と言ったものが、テレビや映画ではなかったと思う。風間さんと言うと、どこかひねた二枚目と言う印象がテレビや映画では強いが、この人の魅力はやはり、底抜けな明るさを持ったコメディだろう。パワフルで奔放な芝居は実は「モンティパイソン」みたいなものをやると絶対に面白いのになあと思う。風間杜夫と阿部寛主演のぶち切れたドタバタコメディとか撮ってみたいと言う欲望にかられました。

 終演後妻に連れられて風間さんを楽屋を訪ねると「舞台で映画の悪口を言ってしまいましたがアレは台詞ですから・・・気になさらないで」と優しく言ってくれたけど、つまらないテレビや映画より舞台の方が楽しいと言うのは本音ではないだろうか。そのくらい今回の舞台は風間杜夫さんが実に生き生きと輝いていた。5000円分の価値はあるのでお時間あれば是非、観に行ってください。詳細は下記。帰ってからも妻とはしばらく芝居談義。ベイスターズ雨天コールドで勝利。王監督休養の臨時ニュースで今日を終える。

 http://www.rup.co.jp/index2.html

| | コメント (3)

2006年7月 4日 (火)

『怪談新耳袋 最終夜』は傑作ぞろい!

怪談新耳袋 最終夜 DVD-BOX DVD 怪談新耳袋 最終夜 DVD-BOX

販売元:キングレコード
発売日:2006/07/05
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 キングレコードから送られてきていた『怪談新耳袋 最終夜』のサンプルを鑑賞。いつも仕上げ中には他の監督の作品は観ないので、今回も完成版を自分の作品と共に楽しむ。宣伝で言うわけではないけど今回のはレベルが高い。撮影条件はいままでで一番きつかったけど、各監督全員本当に頑張ったと言うことでしょう。

 このシリーズ面白いのだけど、いままでは正直当たり外れもあったのだが、今回の「最終夜」に関しては『外れ』なし。どれも力作で全て楽しめた。一番怖さの本領を発揮したのは三宅隆太監督で、いわゆる実録心霊ティストのホラーとしてはかなり水準が高いのではないかと思った。小さな間を大事にしているし、ホラー演出の時のサイズの選び方はどれも間違えていない。これは中々僕にはできない。井口君の『社長室』も中々怖い。井口君はいわゆるイグチイズムを除いた部分での演出に巧さを感じたので、一度監督の個性を少し抑えた娯楽作品をやらせてみてはどうかと思うがそういう勇気のあるプロデューサーいるだろうか?演出で魅せてくれる映画を作ってくれるに違いないと思うのだが・・・。ムラケンの『超能力』は中原昌也の年の離れた弟のような超能力少年のキャスティングが秀逸で、この作品の小池里奈が一番いい。吉田さんはベテランらしく安定した構成で楽しませてくれますが思った以上に『シャワー』がエロくてよかった。いままで『新耳袋』にはエロティックティストがなかったので、やはりホラーとエロはハマーフィルムの昔から表裏一体であると思っているので、これはよかった。脱ぎ捨てられた下着をパンしていくところとかね、直接描写じゃないところがベテランの味でいい。自分のでは撮影の時に感じていたより『旅館編』で撮った2本が、いわゆる「怪談映画」ティストとして思った以上に楽しめるのではないかと思った。特に『小田原提灯』は日本の怪談映画としてそう悪くない。佐藤家で撮った2本は怖いけど、ちょっと直接的過ぎたかなあと反省。それでも『絆創膏』の化け物の造形は満足。

 今回の成功の要因は、低予算故に1家族にしたことで『誰かがやってくれるだろう』と監督全員が登場人物の説明を省いて、とにかく物語りに直接切り込んでいったのがよかった。どの作品も設定説明なしに本題から始まる。これがまさに「怪談新耳袋」なのだ。それと、殆どをあの古いロケセットで撮ったのが良かったのかもしれない。中途半端に綺麗なハウススタジオに何本か出ちゃうと、どうしてもリアリティが不足する部分がある。勿論セットを建てられれば一番よいのだけれど、そうじゃない場合生活感のないスタジオで撮るのが一番つまらないからだ。そういった意味で、怪我の巧妙か、今回はセットの貧弱さが逆に怖さに通じたと思う。

 DVD明日発売なのでよろしくお願いします。

 BSiでの放送は7月8日(土)夜12時~12時30分、毎週、土日の放送です。

怪談新耳袋 最終夜 DVD-BOX DVD 怪談新耳袋 最終夜 DVD-BOX

販売元:キングレコード
発売日:2006/07/05
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (0)

« 2006年6月 | トップページ | 2006年8月 »