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2006年8月23日 (水)

野村芳太郎 「真夜中の招待状」

真夜中の招待状 DVD 真夜中の招待状

販売元:松竹
発売日:2004/01/24
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 新宿に延滞していたビデオを帰しに行ったついでに、野村芳太郎の「真夜中の招待状」を借りる(しかし延滞したビデオの超過料金を払うことくらい自分に腹が立つことはないが、僕はよくやってしまうなあ)その後、恵比寿で打ち合わせ。

 帰ってから巨人戦をBsiで見始めるが、台湾の何たら言う投手に1回抑えられたところで、これは駄目だろうと言う勘が働き、案の定3点取られても終盤まで打線が無抵抗だったので、早々に「真夜中の招待状」を見る。

 これなかなか凄い映画です。昨日、スカパーで野村芳太郎の「コント55号と水前寺清子のワンツーパンチ三百六十五歩のマーチ」を見て、中々楽しかったので未見のこの映画を借りてくることにしたのですが、いやいや、恐るべし野村芳太郎。「八つ墓村」の後半が好きな人は堪らない映画です。原作は遠藤周作の「闇の呼ぶ声」と言うミステリーらしいけど、とにかく、上記にあるようなDVDパッケージイメージのスタイリッシュな小林麻美の都会派ミステリーを期待するととんでもない目にあうのは確実。

 小林麻美が高橋悦史演じる精神科の医者を訪ねていくところから始まるのだが、この病院内の患者の描写がもうあり得ない。ただ笑ってすませていると後半のどんでん返しの伏線になっているので、気を抜いてはいけない。フィアンセの小林薫が、兄弟が次々と蒸発するのでノイローゼになって困っていると麻美は相談に来たのだが、そこからは硬派な社会派ミステリー風に映画は進んでいく。新劇の俳優さんをここかしこに配し、確りとしたカット割で地道に映画は進む。東海村の原発研究所なんかが出てくるので、ああやはり社会派だろうとたかをくくっていると、蒸発した兄のポケットから心霊写真が出てくるところから、一気にオカルト映画風味になり、北林谷栄さんが若作りした霊媒師とか出てきて「発狂する唇」ばりの交霊シーンがあったりする。そうこうしているうちに、丹波哲郎演じる催眠術博士まで登場し、スパーナチュラルな世界は頂点を迎えるのだが、そこから話は九州の田舎の陰々滅滅とした復讐怨念話になって、事件の中心は****だったと言う「あっ」と言う展開を迎える。ヒントは「○レファント○ン」。最後の謎解きの強引さはちょっと「ケータイ刑事」も髣髴させるとんでも推理もある(合成心霊写真を密かに被害者のポケットに忍ばせ、毎夜悪戯電話をかけると被害者は怖くなって、発狂して夢遊病者のように海へ飛び込んで自殺させるとか・・・)。

 とにかく内容も描写も強烈なので「ドス暗い気持ち」でいると、ラストは成田空港で妙にキャバキャバした麻美が「あたしも変わろうかしら」みたいな悪女風のオチがあって、これはもうどうでもいい纏め方なんだけど、背景に日航の翼が見えるラストは「八つ墓村」と一緒だなあと感じて終わる。

 いや、物凄く大真面目に重厚にこれらのとんでも話が展開される映画は久々に見た。上記以外にも芦田伸介、渡瀬恒彦、米倉斎加年ら映画演劇界の重鎮たちが脇を固めているのが妙に重苦しくて説得力あるのだろうな。野村芳太郎は最近三百人劇場でも特集やっていたけど、全部見ればよかったなあ。まあ、残暑厳しい折、脳内を痺れさせたい人にお勧めの映画です。脚本は野上龍男。「八つ墓村」のとんでも感は橋本忍の理力だけではなかったことがわかる。野村芳太郎も「橋本プロ」のプロデューサーだもんね。

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