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2006年9月 8日 (金)

蔡明亮 「楽日」

 明日からのワークショップの参考にと蔡明亮監督の「楽日」をユーロスペースに観にいく。蔡明亮の映画はほぼワンシーンワンカット、それもフィックスの固定画面が延々続く。今回は潰れる直前の台北の大劇場を使って、いつものようになさぬ仲の男女の話が綴られる。綴られると言っても、桃饅頭を映写室に届けにいくだけで、映写技師への切符売りの女の想いはこの饅頭一個に集約されてしまうだけだ。外を叩くように降る雨はエドワード・ヤンの「牯領街少年殺人事件」の中に出てくる、嵐の襲撃シーンを思い起こさせるくらいに映画的で激しい。台湾映画的記憶を脳裏に蘇らせるのには充分の雨の量だ。 雨漏りする中、足の悪い主人公の女が不恰好に歩く廊下と窓外の雨はなぜか彼女たちのフィナーレを祝福しているようで美しい。一方で、ハッテンバと化してしまった劇場内を男の性愛相手を求めて流離う日本人の話もかなりおかしい。蔡明亮監督の魅力は、リアルな長回しの画面の中に突如として出鱈目な表現が顔を出すところで、今日は笑いはあまり起きていなかったが実に素敵にばかばかしくて出鱈目な部分も潤沢にあるところが素晴らしかった。映画の中の芝居について、ちょっと悩んでいる僕にとっては刺激的でそれでいて癒しになる映画だった。

 夜は高橋洋さんから電話ある。昨今の映画の中の登場人物に、リアリティを感じないと言うことについて語る。リアリティと言うのは等身大のキャラクターと言うことではなくて、映画の時間軸の中に生きている人物が立体的に見えてこないと言うか・・・ここから先もまた伏せ文字大会になってしまうなあ・・・。高橋さんは、いくつかの映画の例を出して語ってくれ、僕も自分が最近現場で悩むことが多いことを語りあう。結局結論は出ず。僕としては明日からのワークショップに何か答えを見つけ出せればと強く想った。

 

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