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2006年9月28日 (木)

蔡明亮「西瓜」とフランク・コラチ「もしも昨日が選べたら」

 午前中に、Bsiの短編プロットを仕上げたり、方々と業務連絡をとりながら、午後は1001174_01蔡明亮監督の新作を渋谷のシアター・イメージフォーラムへ観にいく。

    http://www.tml-movie.jp/index.html

 「西瓜」は先月観た「楽日」とは打って変わって、極めて猥雑でエキセントリックな物語を毒々しい表現と、いつもの台詞のない静謐な演出で魅せる台湾現代映画の傑作だ。主人公の男女の設定は「ふたつの時、ふたりの時間」からそのまま引き継がれてはいるが、今度は即物的な性と決して交わることのない男女の切ない物語が軸で、猛暑で水不足の台湾と言う舞台設定も重なって観ていて苦しくなるほどの映画だった。それでいて、ラストの衝撃的なふたりの結びつきはある意味感動的だ。性器を咥えて涙するチェン・シャンチーの涙は、「楽日」の映画館を覆い尽くすビロードのような雨にも似て切なく残酷な感動を与える。物語の幕間的に出てくるミュージカルシーンもデタラメで、笑わせてくれもするが、爽快感とはまったく違う、何か熟し過ぎて腐った果実を食べているような気分にさせられるが、どこか病み付きになりそうな後味引く想いにもさせられる不思議な映画だ。恋人を誘って、ちょっとデートだとか、時間つぶしに気楽に入って観るような映画では決してないが、じっくり新しい映画を観ようという人にはお勧めします。

 「もしも昨日が選べたら」は、27日観たんですが、前評判から『メリーに首ったけ』みたいなコメディ期待して観にいったんだけど、こう言うウエルメイドなコメディが本当に最近は下手糞だなあハリウッドと言う印象。ほんの数年前までは、ビデオスルーの映画ですらきちんとした段取りを踏んだ脚本だったのにね。こう言う映画が巧くないとハリウッド映画の楽しみってなくなっちゃうじゃないか・・・。キャスティングはツボを抑えた芸達者を揃えて楽しめるのに、実に勿体無い。「ラブ・イン・ニューヨーク」のヘンリー・ウインクラー、80年代のテレビヒーロー「ナイトライダー」のデビッド・ハッセルホルフなど、80年代映画、テレビファンには御馴染みの面子が揃っていて役者では充分に楽しめる映画だった。何か、今書いている短編の役に立つかなあと思ってみたんだけど、そういった不純な気持ちで映画を観ると失敗すると言う例でした。

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