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2006年10月

2006年10月29日 (日)

犬神家の一族を見てきました

東京国際映画祭の招待でクロージングセレモニーからずっと付き合って、「犬神家の一族」を観る。いや、ある意味これ本当に凄い。90年代以降の市川監督の最高傑作でもあると思う。カット割りや台詞の言い回しまで、かなりのシーンで76年版を再現している。ディティールで言うと、オープニングにほんの少し聞こえてくる牛蛙の「ぐぐぐぐぐ」と言う効果音の入るタイミングまで一緒で、尚且つ最後まで一気に見せてくれるのは、東宝の芸術座や帝国劇場の「放浪記」だとか「レ・ミゼラブル」の再演を、10年ぶりに観てしまうようなそんな感じだ。だが、これでいい。市川=金田一のファンとしては、小さな台詞の言い回しまで新しい役者にやらせているのが凄かったなあ。

 でも一番感じたのは、脚本とキャスティングさえ確りしていれば、かつてあったような日本映画はまだまだ出来るということ(物凄くお金はかかると思うけど)。実は「犬神家の一族」と言うのは、映画館で繰り返し見た日本映画としてはとしては一番数多いのではないかと思う。それには理由があって、公開の翌年に、札幌の映画館では名画座でやたらに「犬神家の一族」との2本立て上映が多く、特に興行が心配なATG=東宝系の作品の併映になっていることが多かった。「青春の殺人者」とか「不連続殺人事件」とか。で、律儀にも僕は必ず「犬神家の一族」も観ていたので、すっかり効果音のタイミングまで覚えるようになってしまったのだ。それが30年経って、再現されていても楽しめるのはやはり脚本が確りしているからだろう。

『東宝版「八つ墓村」のようにはしませんよ』と言う、一瀬さんの言葉に嘘はなかった。

『八つ墓村』と言えばフジテレビのリメイク版にかなりがっかりしていたものとしてはかなり楽しめました。次は数少ない昔の東宝の劇場の雰囲気が残る蒲田宝塚だな。

終了後のパーティは招待状もあったし、行きたい気もあったが、ロビーで一瀬さんにお礼を言えたので帰宅の途に。夕飯の支度もしてあるし、なにより連日の脚本書きと打ち合わせで少々疲労気味だったのだ。明日は休みにしようっと。

追記

できれば『獄門島』とか『悪魔の手毬歌』もやればいいのに。

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レディ・イン・ザ・ウオーター

「ブラックダリア」に関してはいろいろ書いたけど、こっちも書いておこう。実は「レディ・イン・ザ・ウオーター」をすぐに見てメモ書きしていたのだけど、脚本の推敲しているうちに途中でやめてしまったので、改めて書き記しておきます。「ブラックダリア」の項と被るところもあるのは、こっちを先に書いてしまったためです。

「レディ・イン・ザ・ウオーター」の世界観と「LOFT」の世界観の共通項に関しては、「映画秘法」の柳下さんの指摘のように、非常に僕も類似性を感じていて、黒沢さんの講義でよく話す、「JAWS」「バック・トウ・ザ・フィーチャー」論にも非常に共通しているんですが、反ハリウッド映画表現と言うことでは一致しているじゃないかと。言い方が悪いですが、反ハリウッドと言うのは「ジョーズ」以降、以前でもいんですが、とにかく「物語」を成立させる為に、ここまでリアルを組み立てて努力しないと成立しないのか?と言うのが現在の『ハリウッド映画』で、そこには物語を信じようではなくて、信じてもらう為にどこまで懐疑的になって説明しなくてはいけないのかと言うことに終始していると言うか・・・。
 「レディ・イン・ザ・ウオーター」を見て、いろいろ見えてきたと言うか、中々困難に我々は直面しているなあと思います。「LOFT」にしても「レディ・イン・ザ・ウオーター」にしても、僕は素直に物語を受け入れてしまうんですね。黒沢さんなんかは、もっと鳥瞰的に「LOFT」の物語を考えているのだと思うのですが、ゼメキスなんかは本当に簡単にこの懐疑性を乗り越えてしまうんですが、「物語」フィクションと言うもののりアル性に関しては、どうしてそこまでリアルということに捉われて、本当に必要な物語芸術のあり方を見失ってしまっていくのか?

 そういった意味で06年の秋においては非常に重要な映画の一本であったと、「ブラックダリア」とは違って、決して出来のいい映画とは言えないけど、映画を創っていくものにとってはいろいろ考えさせられる一本でした

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2006年10月27日 (金)

打ち合わせ開始

 第一稿を提出して、ラインプロデューサーとの顔合わせ件打ち合わせ。まだ具体的な準備に入れないが、スタッフ編成を一緒に考える。理想的な部分にいけるかどうかはまだ微妙だが、今回はアクション、ミュージカル、と要素が多いので力があって、できるだけ自分の世界をわかってもらえる人でないときついかもしれんなと思うが、こればっかりは予算やタイミングと言うものがあるので難しい。4時間ほど話して、結論はいろいろ持ち越し。具体的な動きは来週後半くらいから。

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2006年10月26日 (木)

間違いなく本年ナンバーワンの傑作だった「ブラック・ダリア」

 あとで、いろいろ書きますが、とりあえず今年観た数少ない「映画」の傑作だったと思います。

今週は脚本提出前の推敲をしながら2本の映画を観た。一本は、M・ナイトシャラマン監督「レディ・イン・ザ・ウオーター」もう、一本はブライアン・デ・パルマの「ブラックダリア」。2本共に僕にとっては必要な映画だった。「レディ~」も「ブラックダリア」も現在のハリウッド映画全盛の「説明の為の説明」を繰り返す論法から逸脱し、ひたすらに自分が信じている映画を撮っている映画だったからだ。先日「JAWS」を上映しながらの黒沢清監督の講義を何度も思い返しながらこの2本を観た。その講義では、「JAWS」においては、ロイ・シャイダーの所長が「いかにして鮫退治に本気になったのか?」を描く為に相当な時間を割いており、それほどまでに観客に「わからせる」努力をしていた。それが、以降のハリウッド映画に顕著になって、80年代以降のハリウッド映画と言うのは「説明」と「わかりやすさ」の映画になっていった。と。 この2本は、そういった「わかりやすさ」とは対極の位置にある。では、「物語」とはなんなのだろう?物語を伝える為だけに映像を使うのが映画なのだろうか?僕は違うと思う。自分が納得してしまう自己完結をしなくても、魅せる映画はいくらでもあったのに、80年代以降のアメリカ映画は『わかり易さ』の代償に、そうした表現を封殺してしまった気がする。

 「ブラックダリア」なんか、40年代のアメリカ映画を再現する為だけに創られたんじゃないかと思うほど、どのカットをとっても映画的な時間が流れていて、もうその時間が絶対に終わって欲しくないという媚薬のような魅力ある素晴らしい表現が宝石箱のように散らばっている映画だ。

 別に『わかり易い』映画が駄目と言っているわけではない。もっと、映画はいろいろな楽しみ方があっていい。そう思うだけだ。「レディ・イン・ザ・ウオーター」と「ブラックダリア」2本共に「自分を信じる力」を与えてくれたと思う。映画を創るモチベーションが上がってきたぞ!

  少なくても「ブラックダリア」を観て、40年代のフィルムノワールをたくさん見たくなってしまったことは確か。とりあえずルノアールの「浜辺の女」でも観るかな。

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2006年10月22日 (日)

ひたすら脚本執筆と千葉ちゃん

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ひたすら、ひたすら脚本書きの毎日で、「ブラックダリア」も「レディ・イン・ウオーター」も見られてません。もう楽しみは海外サイトから届くDVDを夜中にちょっとづつ見る日々・・・。今日は「悪魔のいけにえ アルティメットエディション」と、「ソニー千葉3本立て」が届いたので、「ソニー千葉3本」を少しづつ見る。この3枚組みの米製DVDは「やくざ刑事」「やくざ刑事マリファナ密売組織」「少林寺拳法」の3本で、「やくざ刑事シリーズ」は日本国内では全くソフト化されておらず、これは非常に嬉しい。監督は野田幸男。「マリファナ密売組織」の方は野田幸男と伊藤俊也の共同監督。まあ、内容は「キイハンター」の中の「サイコロGメン」を映画化したような、潜入捜査刑事の緩いアクション映画なんだけど、とにかく主人公の潜入刑事が次々と殺す、殺す。いくらなんでも、そこまで殺さなくてもと思うが、最初から最後までとにかく殺す。その潔さがいい。女優はエロ要員のみ。定番の南利明と由利徹のダメダメなギャグシーンもあって、東映映画好きには堪らないものだった。特に2には、千葉ちゃんが馬に乗って高原を駆け抜ける映像にソフトフォーカスがかかって、主題歌が流れると言うどっか勘違いの「アイドル映画」演出もあって、当時の千葉ちゃんがスターで、この映画もスター千葉真一を見る映画であることを思い知らされる。

 次回作の脚本の方は劇中歌が何曲が出てくるので、その歌詞もきちんと考えなくちゃいけないのが大変です。合間を縫ってその次にやる映画の参考ビデオもチラホラ見る。

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2006年10月15日 (日)

日本映画界の大物に会いに行ったら、駒田元選手に会ってしまった

 午前中は脚本書き。基本的に僕は余程締め切りが迫ってこない限り、朝7時30分に起床して朝食をとり、新聞とスポーツ紙全紙を読んで、8時30分から仕事開始と言うことにしている。

 お昼は東宝撮影所で「犬神家の一族」ダビング中のI瀬プロデューサーとランチしながら来年の企画について話す。おお、やっぱりこう言う企画が来たか!と、心の中は小躍りしながらも状態は平成を装いながら市川組の裏話なども聞く。東宝に新しく出来たキャフェテリアは綺麗で、時折知った顔が挨拶してくれたりするが、思い出せない人も多いのはお互いに年をとって風体が変わってしまったと言うこともあるんだろうなあ。それにしても、東宝撮影所の中を歩くと、縮小規模になっていく他の撮影所に比べてやはりスケールが大きいことを思い知らされる。テレビ局の華やかだけど、バタバタとした雰囲気とはまた違って、どっしりとした風格が撮影所全体には漂っていた。しかし、セットで撮影準備している映画は「西遊記」だったりして、これもテレビ局映画だったりするのだな。

 2時間ほどお話をさせてもらって、一応今やっている映画の撮影が落ち着いたら本格的に取り組むことを伝え、全身のモチベーションが上がってくる。ううむ。これは本気で取り組むと相当にやばくて面白い映画になりそうだ。でもちょっとやそっとの針の振れ具合では納得しないだろうから、確り煮詰めていかなくては。などと考えながら、成城学園駅まで戻ってくると改札前に元横浜ベイスターズの駒田徳広選手がいた。一際大きいので目立った。たった十数分前まで世界的なプロデューサーと打ち合わせしてきたにも関わらず、僕は全くの素人さんになって、「駒田さんお疲れ様です。98年の夢をありがとうございます。あの頃は毎日球場へ通いました」と話かけると、駒田さんは、両膝に手をついて「それは、それはありがとうございます」とお辞儀してくれた。

 新しい仕事の話を戴いて、帰りに98年V戦士の駒田元選手に会えたと言うのは中々縁起がよかったかもしれない。今書いている脚本も面白くなりそうだし、来年はより飛躍の年になりそうだ。

 帰ったらまだ15時だったので、それから夜までまた脚本書き。こちらもテンション上がってペースも上がり始めた。

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2006年10月14日 (土)

飲み会

 昼はひたすら脚本執筆。ロングプロットがあるのでもっとスパスパ早く書けるかなあと思ったが、ほぼオリジナルなキャラクターの主人公を描いていくのはやはりなかなか大変だ。「銭形シリーズ」の脚本の時は、既に僕以外の人が考えたキャラクターが存在しているので、そのキャラクターの行動様式や喋り方など物語の進行と共に登場人物が、自由勝手に独り歩きしてくれるのだけど、行動様式そのものをゼロから考えながら作っていくと途中で行動に矛盾が出たりして、そこだけ修正するのではなく、脚本の最初に帰っていろいろ修正していくことになり、時間がかかる。主人公を誰が演じるのかわかっているので、余計にそうだ。特に今回のように主演のことを知り尽くしていると、その人のキャラともついついだぶらせてしまうので、あくまでこれは映画の中のヒロインであると冷静にならなくてはいけない。

 夜はBSIアカデミーの呑み会だけど、場所はいつものドラマの打ち上げと同じ居酒屋で、みんなの一人一人の挨拶まであって、そのうち多聞さんが表彰状読み上げるんじゃないかと言うデジャブにまで襲われてしまった。ここにドリマックスの小板さんがいないのが妙に違和感感じたな。

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2006年10月13日 (金)

脚本書き

 昨日、紀尾井町の角川ヘラルドで打ち合わせがあって、本格的に初稿執筆に入る。脚本本執筆に入るとブログ書く余裕がなくなって、更新していませんでしたが、ここ数日は万永選手の引退試合を観にいったり、結婚記念日でイタリア料理を食べに行ったり、川崎に新しく出来た「ラゾーナ」と言うショッピングモールに行ってみたりはしていました。「ラゾーナ」はお台場やみなと未来くらいなメガ規模のショッピングモールで、入っているブランドショップのテナントなんかは同じようなもので、HMVやMARUZEN、LOFT、それにシネコンなんかもあるのに、何か地方都市に出来たショッピング街のイメージが残っているなと思っていたら、それは老人と子供の数が非常に多いからだということに気がついた。駅とは直結しているけど、僕らはバスの方が早いのでバス利用になるが駅前のターミナルからは遠いのであまり行くことはないだろうな。シネコンでは川崎の港湾経済の中心的人物の伝記映画のようなものを上映していたりしていて、それなりに地域密着ではあります。「三丁目の夕日」を見た錦糸町のシネコンが入ったショッピング街に似たものを感じたが、錦糸町と川崎駅近辺の街はどこか似た風景が多い。そういえば「ゾンビ極道」を撮った時にロケ移動の都合で「川崎」の設定を「錦糸町」で撮らされたことがあったな。それくらい似ています。

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2006年10月 7日 (土)

BSi アkデミー 2日目

Bsiアカデミーの2回目の講義は黒沢清監督登場。映画とは何か?を真剣に語り。スピルバーグの「JAWS」を題材に、黒沢さんが気に入った「演出」を検証していく。僕はこれは大変面白かった。鮫退治に向かうまでいかに脚本と演出に労力を裂いているか、当然、そこに費やされる時間も短くはない。それが70年代後半ハリウッドの一つの定型になってしまったことの面白さと危惧を語った。クリント・イーストウッドやジョン・ウエインなら1分で鮫退治に向かうところが、ロイ・シャイダーでは10分かかってしまう。これと対極にあるのがロバート・ゼメキスの「バックトウ・ザ・フィーチャー」であるとの比較も。 そして、鮫退治に向かった男たちが大海原を船に乗って駆けていく姿、それが実にいい表情をして、笑顔まで浮かべる芝居を俳優たちにつけている。それがこの映画を単なる動物パニック映画以上の格に仕上げているのだ。等等。

 実に明快にシーンを検証し、クレバーな切り口で解明していく。黒沢さんにスピルバーグの全作品検証してもらいたいくらいだと思った。

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2006年10月 6日 (金)

女優・林由美香

Yumika

Book 女優・林由美香

販売元:洋泉社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

大雨と嵐の中「女優・林由美香」が届く。林由美香さんを知る人も、またこの本で初めて林由美香さんを知る人にも読んで欲しい力作だと思います。僕自身もこの本に1筆寄せています。僕なんかの一文は正直恥ずかしいものですが、急逝したピンク・AV界のスター女優林由美香さんを知るには値段以上に価値がある女優本です。特に、彼女自身のエッセイを読めるのが嬉しい。田野辺さん、直井さん、柳下さんたちの努力の結晶がまさに追悼本に相応しい出来上がりとなりました。

 僕自身は林由美香さんとの交流は常に吉行由実さんを通じてのもので、『血を吸う宇宙』のDVDの特典映像として撮影された『血を吸う宇宙 外伝』の現場に撮影当日急遽来ることになってきてくれたのが出会いでした。と、言ってもその後しばらく交流はなくて、次にあったのが『憧れの女教師 汚された純白』と言う吉行さんが監督するピンク映画の現場で、この時は自分は役者としてこの映画に出演していて、林由美香さん演じるピンク女優そのままの役を撮る、アチャラカな映画監督の役だった。両方の作品共に楽しい現場だったのだが、林由美香さんと直接会話することはあまりなかった。それでも、彼女の普段からもスター女優としてのオーラは漂っていて、とても華のある素敵な女優さんだった。監督と、女優としてもう一度お仕事がしたかったと本気で思う。

 今年はカメラマンの高瀬さんが亡くなったが、毎年、年若い友人や知人が去っていくような気がする。とても素敵な本なのだが、1ページ1ページめくるごとに寂寥感がわいてくるのは自分もそれなりに年取ってしまったからなのだろうか・・・。

 この本を創る事に尽力した、田野辺さん、柳下さん、直井君、林田さんには敬意を表します。素敵な本をありがとうございました。僕は、末席に名前を連ねられただけで嬉しいです。

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2006年10月 5日 (木)

田中登監督逝去

実録 阿部定 実録 阿部定

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2005/12/22
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 夕方から紀尾井町の角川ヘラルド映画で次回作の脚本打ち合わせとキャスティング打ち合わせ。メインはほぼ固まるが、最終的な調整にもう少しかかりそう。でもこの企画は面白い。始まったら大変だろうけど・・・。打ち合わせ終了後四谷の「忍」と言う牛タン屋で食事。狭いけど趣のある店で、ちょっと離れたところにあるのに満員なのは余程人気があるのだろう。茹でた牛タンがメチャクチャ美味い。http://www.yotsuya2.com/sinobu/

ああ、美味しいけど、また身体に悪いもの食べてしまったかなあとか思って帰ると、田中登監督が亡くなったのを知った。

 がーん。69歳だったのかあ。藤田敏八、神代辰巳、そして田中登と日活ロマンポルノを代表する監督がこれで3人も亡くなられたことになる。田中登監督と言えば上に記した「実録阿部定」が有名だが、僕はなんと言っても「(秘)色情めす市場」が最高傑作だと思う。モノクロパートカラーだが、パートカラーになるのはセックスシーンではなくて、知恵遅れの弟が鶏を連れて通天閣の非常階段を登り、その鶏が飛べなかったことに絶望し、そこに首吊り自殺するまでを隠し撮りで撮影し、村田英雄の『王将』がそこに流れると言う衝撃的なものだった。とにかく、大阪のスラム街、あいりん地区などにたくましく生きる人々を田中登監督はモノクロ映像でドキュメンタリーのように描き出す。日本最大の吹き溜まり、ドヤ街である釜ヶ崎にオールロケーションしているのも凄い。映画の煽情的なタイトルとは違って、いわゆるセックスシーンは殆ど出てこない。ただただ、スラムで猥雑に生きる男女を生々しく描き出すのだ。この映画の主役を演じていた芹明香さんは観音様のように美しかった。「(秘)色情めす市場」は、日活ロマンポルノに留まることない、戦後日本映画の代表的傑作だったと言える。ご冥福をお祈りします(最近こればっかだなあ)。

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2006年10月 4日 (水)

Bsi アカデミー初日とダイエット日記

 2日の月曜はBsiアカデミーの初日。1次募集ではどれくらいな人が来るのか心配だったが結果は当初の予想を上回る入学人員でシナリオ作家協会の教場が満杯になるほどの人の入り。で、多聞さんの挨拶のあと、最初の講義を僕がやることになったのだが、やはり最初は緊張しますね。生徒たちもお互いにまだ顔も知らないし、熱心に聴いてくれているのと言う感じなので、少しも無駄のないように話をして、それから既成のドラマのワンシーンをアプレの若い役者を使ってシュミレーションし、それを見せて生徒たちにカットを割らせ、答え合わせのようにまず、音楽効果のついていないシーンを上映し、次に音楽効果がどのようにつけられたか、を上映し、ワンシーンの組み立てがどのようになっているのか、いったん解体しそれぞれで構築してみると言うことをやってみた。最初の講義にしてはいきなり核心に入って、急ぎ足でやってしまった感もあったが僕の次の講義が21日なので、とりあえず方向性を示せただけでもよかったのではないかと思う。

 2コマめは、篠崎君があるドラマの一部を抜粋し、やはりアプレの俳優を使って今度は生徒たちに直接演出をやらせて講評していくというものだった。これは最後列で見ていたのだがこちらも中々勉強になった。映画について真面目に考えていくにはこれは本当にいいかも。

 終わってから多聞さんたちと「かおたんラーメン」で食事をとるが、久々に夜の10時以降に酒を呑んだり油系つまみを食べたりしたので、火曜はスポーツクラブで1時間ほどウオーキングして、プールでコアウオーク。コアウオークはプール内で身体のコア(芯)の筋肉を鍛えることで内臓脂肪を減らそうというエクササイズ。結構効果があって、1ヶ月で約3キロほど絞れました。結構きついけど、ウオーキングしている時は映画のことを考えて走ったり集中できるので中々いいかも。

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2006年10月 1日 (日)

ヤクルト戦と銭形雷最終回

2006930 せっかく、9月30日のヤクルト戦を観にいって気持ちよかった話を書こうと思っていたら、今日大敗している・・・。本当は投手陣だけじゃなくて、野手の強化もベイスターズには絶対に必要だと言うことを書こうと思ったら、いきなり期待の若手2年目左腕の那須野がグダグダ投球で大量失点。何人かの野球評論家はベイスターズは若手が育ってきているので、これからが楽しみです。なんて言ってくれたりしているが、とんでもない。個人個人能力のある選手は集まっているが、チームの攻撃力に纏まれる実力を伴った選手は殆どいない。期待値だけなら負けないと言う選手はいても、チームを勝たせる攻撃力はない。一番大きい問題は組織としての精神力の弱さではないかと思う。野球のことはシーズン終了と同時に僕なりに総括したいのでここまでにしておきます。

 ところで、昨日は銭形雷の最終回だった。この最終回を僕が撮ることが決まった時は、もう田沢君が数週間後には「映画2」を撮ることが決まっていたので、一番気にしたことは、観終わった後に、もう一度小出早織の銭形雷に会いたくなる。そう言うラストにしなくてはいけないと思っていた。ロケ地を夕景の時間設定して見事に天気もはまってくれたのは助監督の塚原さんの尽力によるものだが、短い時間で小出さんと草刈さんも中々いい芝居をしてくれたと思う。

 ところで泪、零、雷と高村さんとのお別れシーンは、夕陽の中で敬礼して終わるパターンを最終回で踏襲しているが、これは『別れの敬礼』の仕草には「階級、性別、敵味方」などを超えたところで相手を認め合う瞬間の感動が生まれると確信しているからで、ジョン・フォードの西部劇ような別れのシーンのようになればいいなと不遜にも思って撮っている次第です。これは高村さんのキャラクターによるところが大きく、これが山下真司さんの時はもう少しドライになって、銭形零最終回では「Maybe next time」(運がよけりゃまた会おう)と言わせた。こちらは、セルジオ・レオーネの『夕陽のガンマン』のラストのリー・バンクリーフの台詞を現場で思い出して言ってもらったのだが、山下さんの場合はマカロニウエスタンの男っぽくてドライな雰囲気がいいかなと思ったからだ。僕の中には『相棒との別れ』=『西部劇』と言う何かが刷り込まれている。僕のデビュー作は草刈さん主演で北海道を舞台に西部劇を撮ったわけだが、いつかまた本気でウエスタンはやりたいなと思っています。パロディじゃなくて本気でね。

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