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2006年11月

2006年11月30日 (木)

11月29日 アクション打ち合わせー2

 新宿のスタッフルームでアクション部分を監督するセカンドユニットディレクターの安里と、スタントチームを仕切るゴクウのタマヨリさんとの細部の打ち合わせを午後一から夜まで。しかし、毎日打ち合わせばかりやっているなこの組は・・・。安里のアイディアと、実際にアクションをやるタマヨリさんとやれることとできないことを整理していく。役者本人で出来ること、吹き替えをスタントチームにお願いすること、さらにスタントでも出来ないこと、ワイヤーを使うか否か・・・などなど。実際に女の子たちにアクション練習で走らせたりしてみて、それぞれの実力も見えてきているので、頭を抱えるところもあるし、楽しみな部分もある。安里は自分のアイディアが意外に物理的に出来ないことが多いので悩んでいた。短いカットによる構成ではなく、できるだけ本人でしかも長いカットどこまで出来るかが彼女の理想なのだが、引力と言うものが存在する以上人間の能力的に物理的に無理なものもある。そのあたりをスタントの専門家に判断してもらったと言うわけだ。
 明日は昨日、今日の打ち合わせを受けての撮影稿作り。ロケ場所、歌、まだ未決の部分が多くてちょっと心配です。まあ、この時期はなにをやっていても心配なんだけど、昔に比べれば慌てなくなったかな。

 夜、角川ヘラルドの金子さんから撮影決定稿へ向けての意見を戴き、早速夜中に直す。30日は終日脚本直しの予定。

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2006年11月29日 (水)

11月28日 CG打ち

13時から角川ヘラルド会議室にてCG打ち合わせ。大木さんとは4年ぶりの仕事だが、気持ちのいい打ち合わせが出来た。予算もあるからそう簡単にはいろいろいかないけど、やる気があってどんどんいろいろアイディアを出してくれるのがありがたい。やはりモチベーションは大切です。まあ、数年間ラブコール送ってくれてようやく一緒に仕事が出来ると言うのがやはり大きい。 CGとは言っても殆ど少女たちの走りのスピードに関するエフェクトでCG意識させない微妙なものになるのだが、こっちの方が以外に時間と労力を使いそう。
 準備はまあまあ順調と言えるのだけど、ロケハンが少々遅れ気味。いくつか粘りたいところもあるからなんだけど、美術打ち合わせも近づいてくるし、ちょっと焦りもある。

 夜は少女たちのアクション練習をちょっと見学して帰る。まだ具体的な動きより受身とか怪我しないストレッチ基礎訓練なのでいてもしょうがない。でもこう言う練習見ているといよいよ始まるなあと思います

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2006年11月28日 (火)

11月27日

 今回作品初めての衣装合わせ。
 衣装合わせと言うのは助監督時代は本当に胃が痛む時間だった。特に映画撮影所の衣装部で現代劇をやらなくちゃいけない時は本当に酷いものだった。まだスタイリスト的な人が映画界にいたりいなかったりした時代だったので、出てくる衣装が正直時代遅れで、女優のモチベーションが明らかに下がっていくのがわかるような衣装合わせが多かった。最近は、テレビドラマのおかげで局内にある衣装部は中々頑張ってくれる。と言うわけで今日も、TBS内にある東宝コスチュームで衣装合わせ。これはいろいろ影の尽力があって成立できた。
 今回は制服がメインなので、一人一人の個性をどうわかり易く見せて行くかを工夫しなくてはいけない。まずはそこから演出は始まると言う感じだろうか・・・。でもキャスティングが中々豪華なので、ここを考えるのは楽しい。
 明日はCG打ち合わせで、明後日はメインロケハン。もう休日は撮影終了までありません。

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11月26日

午前中脚本読みながらお勉強。今後予測されるかもしれない脚本の変更事項に備える。
 お昼を早めに食べて、12時から2時間スポーツクラブでトレーニング&プールでコアウオーク。順調に体重が減り始めた。
 夕方は、17時から有楽町の朝日ホールでツァイ・ミンリャン(蔡明亮)監督の「黒眼圏」観る。フィルメックスは結局これしか観られなかったなあ。今年は夏ごろから旧作も含めて蔡明亮漬けで、どうせならこれも観ておけと勢いでチケットを手に入れた。映画のほうは、どこを切っても蔡明亮節で、そういった意味では監督名隠しても監督名言い当てられるのは、現代映画においては黒沢清と蔡明亮かもしれない。今回は、また結構露骨に同性愛の話になってきますが、この監督男女間の表現になるとかなり激しい表現なのだが、男同士になると実に繊細な回りくどくなるのは、やはり照れが出てきてしまうのだろうか?台詞は殆どなくて、ラジオから聞こえてくる番組の音と昔の中国語歌謡曲が劇伴という構成は「楽日」の方法論で、「西瓜」を撮ったような、そんな映画だったが、個人的にはもう15分は短くてもよかったかなと思う。
 しかし、チェン・シャンチーは女優としてどんどん険しい顔になっていくなあ。
 
 映画終了後は角川のIさんと有楽町のガード下のドイツ料理屋でワインと美味しいパン、ソーセージ、にキャベツの酢漬けなどを食べながら、フィルメックスの話やボリス・バルネットの話などをする。実はバルネットは会話中は名前がすっかり出てこなくて、帰りの道すがら2人で思い出したのであった。バルネットの特集上映やサミュエル・フラー映画祭のような企画はもう劇場では難しいと言う話が無念。そう言う役割をフィルメックスなどが担っていくと言うことなのでしょうが、そういった意味では80年代後半~90年代の状況はいかに豊かだったかを思い知らされる。

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11月25日 RETEURN OF THE CHINESE BOXER

昨日帰ったら、ジミーウオング(王羽)の「リターンオブチャイニーズボクサー」が入った、北米版のカンフー映画ボックスが届いていた。「リターンオブチャイニーズボクサー」がいかにおかしな内容かは、下記のサイトでRETEURN OF THE CHINESE BOXERの項をクリックすると予告編が見られます。

http://www.shaolinchamber.com/trailerschamber.html#B-C

 一応日活でも封切られた「吠えろドラゴン起てジャガー」の続編と言うタイトルですが、内容的には時代も違うしもうハチャメチャなどちらかと言うと「片腕カンフーVS空飛ぶギロチン」の世界観。日本のみょうちくりんなサムライたちが、ジミーさん倒す為に世界中から格闘家を集めて武道大会を開くのですが、そこに集まる格闘家たちの設定が無茶苦茶。KKKのような覆面をした空手家だとか、ムエタイ兄弟、チョンマゲの柔道着を来た侍などなど、果ては全員返り討ちにあうと、死体を掘り起こしてきて呪術で蘇らせ、打たれてもしなないゾンビカンフー軍団を差し向ける。と。ジミーさんも槍の上に立ったり、重力無視の技と得意の天井歩き(ドリフのコントでよくあった)で対抗します。で、ジミー自ら監督やっているんですが、なぜか70年代後半のドイツのプログレミュージックが劇伴に使われていて(恐らく著作無視)そのセンスを伺わせます。

 10年ほど前に台湾を舞台にカンフーアクションを撮る企画があって、ジミーさんと旧知の人がプロデューサーに名前を連ねていたので、ジミーさんに協力を得に台湾に行った事があったけど、友情出演は快諾してくれたがお金は出さないよ。と言われて豪華な料理をご馳走されて帰ってきたことがあった。僕にとっては暗黒時代のエピソードですが、懐かしいなあ。実現していれば面白かったのになあ。

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11月25日

 午後一から安里と演出部交えてアクション打ち合わせ。本当は方向性の話だけするつもりが細かい話にもなって、しかし、中々実りある打ち合わせであった。映画のコンセンサスを丁寧に確認しあう事はとても重要なことだ。今回は安里との映画へのビジョンと僕が映画に対する考え方がとても近い部分があるので、確認事項が早くっていい。まずは順調ではないだろうか・・・。
 その後で、初めてご一緒する主な顔触れを一人一人呼んで面接と言うか打ち合わせ。衣装合わせで初めて会うんじゃなくて軽くキャラについてなど話をするのは、やはり彼女たち一人一人に主役としての自覚を持って欲しかったから。主演を取り巻く高校生たちは豪華な顔触れが揃ったと改めて思うが、決して顔見世ではない。一つの物語を全員が支えているんだと言うことの認識。まだみんな若いし、それぞれが主役級なのでキャラクター、役割分担をはっきり持って臨んで貰いたい。一人だけが突出していては駄目なので、このアンサンブルをどうするかがこれからの悩み事。そういった意味で、アクション部分を安里に担って貰うのは正解だったろう。
 夕食はおうちで鍋。豚しゃぶを妻と2人でつつく。大変美味でした。
 

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2006年11月24日 (金)

諸準備とツインローズ

ツインローズ DVD ツインローズ

販売元:AMGエンタテインメント
発売日:2005/12/23
Amazon.co.jpで詳細を確認する

朝10時に武蔵小杉まで助監督の宮崎に印刷台本を届けて貰って小一時間打ち合わせ。帰って、昼食を食べ、今度は川崎のツタヤへ行き明日のアクション打ち合わせの為のDVD漁り。こう言う機会じゃないと絶対に観ないであろう、リュック・ベンソンの会社のアクションものとか今回の作品に少しでも掠りそうなものは悉く借りてきて、かたっぱしから観まくる。まあ、でもやはりベンソンさんの会社の映画はかなりきつくってアクションシーン以外は殆ど早回し。
 そんな中で、映画の出来自体は酷いものなのだが一応引っかかったのが「ツインローズ」と言うアイドルアクション映画。監督、アクション指導をドニー・イエンがやっている「ツインズ」と言う香港で人気のアイドルユニットが主演。この組み合わせは、日本でもジャッキー・チェン絡みで公開された「ツインズエフェクト」そのまんまで、主演と監督のスピンオフ具合も今回の僕の映画に似ていなくもない・・・が、ドニー・イエンのコメディセンスのなさは本当につらい。特に前半~中盤の笑えないギャグの応酬はかつての香港映画のようで気持ちの余裕があれば楽しめるのだろうが、いまはちょっと・・・。ただ、アクションシーンは凄い。特にドニーの妹自ら日本の女子高校生に扮してダブルヌンチャクで襲い掛かるところはアクション度ヒートアップ。「ツインズ」の2人も、ジャッキー初期の「酔拳」やら「蛇拳」を繰り出すオールドスタイルカンフーで対抗し、カンフー映画ファンの僕には感涙もの。でも、今回にはあんまり関係なかったなあ。『ツインズ』の2人が追いかけっこをして、壁を使って追い越す場面のみ参考になりました。
 ところでこの『ツインローズ』はジェフ・ラウの『黒薔薇VS黒薔薇』と言う珍妙な傑作香港映画ヘのオマージュが込められており、『黒薔薇VS黒薔薇』にも出演していた女優さんが、今作でも『黒薔薇』に扮して、『ツインズ』の2人に2代目『黒薔薇』を譲る物語になっている。『黒薔薇』と言うのはよくわからないけど、どうやら中国の「怪盗ルパン」のような存在のようで、かなり有名な義賊らしい。ジェフ・ラウの『黒薔薇VS黒薔薇』は相当にイカレタカルトムービーだったが、そんな映画をリメイクするドニー・イエンと言う人はなんなんだろう。

 夜は編集の大永君と映画の方向について徹底的に確認。今日一日でまた大分固まってきたが、歌がギリギリになってしまうのが大丈夫かなと。ちょっと心配にもなる。

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2006年11月23日 (木)

「悪魔のいけにえ」2Diccアルティメットエディション

Photo 来年春に日本版が発売されると言う「悪魔のいけにえ」2Diccアルティメットエディション。その北米版を買ったのがようやく届いた矢先にこの情報・・・。現在手に入るDVDは数年前に廃盤になったまま、ヤフオクでは数万円の値がついている。
 今日は、午前中に脚本の勉強。それから助監督にいろいろ指示を出して、午後からスポーツクラブで汗を流し、帰って早速このDVDを観る。鈍い金色の金属箱に入った装丁は中々いい。映画の中身はもう、久々に再見するとやはりいやあな気持ちになること120パーセント。しかし、車椅子の男が殺される瞬間~ラストの夜明けのレザーフェイスのダンスに至る映画の遠心力は凄まじい。最近リメイクされていて、それなりに忠実に再現もされていますが、とことん生々しい1作目の迫力には遥かに及びません。ただ、現在はこのままだとメジャーでの公開は難しいんだろうな。

 16ミリからのダイレクトテレシネらしいけど、画質は程よく16ミリの雰囲気が残っていて中々いい。音は5,1にMIXし直されているけど、レザーフェイスが襲ってくるところのみ背後から音が聞こえてきたけどこれは意味ないなあ。音は他にもドルビーSR版とモノラルが選べるけどどれを選んでも元の音源が音源だけに、冒頭のナレーションとか狭いブースで録ったのがもろわかりの音の広がりのなさを再現してしまっていて悲しいものがあった。
 
 綺麗に再現する必要のないものは必要ないんだな。このDVDが発売された折も、モノラル版での視聴をお勧めします。

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2006年11月22日 (水)

ロケハンと超絶鮪丼

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朝から三崎の学校へロケハン。未だこの学校をどう使っていこうかと言う段階なのだが、思った以上の収穫のあったロケハンであった。
 ・階段最上階に吊元がある。
 ・横の引き尻がある廊下が2箇所。
 ・360度パン出来て、両面海が見渡せる屋上
 など。
 アクション担当の安里もスタントチームのヘッドとうまく話が出来ていたし、ロケ地としての印象もいいので、ロケハン初日としては順調な方であろう。 青空を背景に少女たちが軽やかに飛び跳ねる場面が画となってイメージ沸いてきたぞ

 という訳で、折角三崎に行ったので鮪丼を昼食に食べる。見て下さい、写真の通りのボリューム。大きな中トロが半柵くらい乗り、中落ちの巨大な塊が1個、そしてその下に満遍なく赤身がご飯の上に敷き詰められていて、鮪の味がまた実に新鮮で美味い!これで、ファミレスのハンバーグセットと同程度と言うのはさすがにマグロの三崎。学校のロケセットの担当者に教えてもらったのだが、土地の人が勧めるのだから間違いなかった。最近小食気味の僕にはちょっと持て余す量でした。

 

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2006年11月17日 (金)

一瀬隆重氏 出版記念パーティ

Sn340049 昼は、新宿のスタッフルームでメインスタッフ打ち合わせ。この日から助監督セカンドの宮崎合流で、ようやくスタッフが揃った。宮崎は『血を吸う宇宙』から僕の作品についてくれているので心強い。

 夕方からは赤坂のホテルニューオータニに移動して、一瀬さんの出版記念パーティ。最初の挨拶に塩崎内閣官房長官まで現れて、かなり驚く。僕の方は、久々に三輪ひとみ、吉行由実、ゲーリー芦屋など「発狂する唇」のメンバーと共にテーブルを囲み楽しい時間を過ごせた。三輪ひとみちゃんと吉行さんは3年前、僕の結婚記念パーティの発起人にもなって、まあ仲人みたいなこともしてくれたのでこうして会うのは楽しい。彼女たちが何か困ったことがあれば、力にならなければなあと思います。ただ、最近高校生主演の映画が多いので中々現場でご一緒できないのが残念。今回のアクション演出もやる安里も美しく着飾って登場し、本当に久々に楽しかったです。

 それにしても、豪勢なパーティで一瀬さんの力をまざまざと見せ付けてくれた。

 ところで、ホテルの立食パーティは本当に楽でいい。いろいろな人と話ができるし。この10年くらいで僕はあの煙たい掘りごたつの居酒屋と言うものが本当に苦手になってしまったのだと思う。料理も全然ホテルの方が美味しいし。全ての宴会がホテルの宴会場でやればいいのにと思います。これはまあ、僕が酒を呑まなくなって来ているからでもあるんだな。昨日も、一昨日も乾杯の時の一杯がいいところでした。

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15日水曜

Sn340048 劇中で歌うミュージカル風の場面での作詞に関して主演女優さんとの顔合わせ件打ち合わせ。いろんな意味でキャッチボールしながらやっていくのが映画では必要なのではないかと思う。最近は、余り丁寧な準備を重ねていくよりもある程度引かれた線路の上で撮る事が多かったのだが、今回は原作は勿論あるがこうして、ゼロからひとつひとつ積み重ねて、いろいろな人たちの力が結集していく作業ができるのが楽しい。

 段々時間が迫ってきているので、過程を楽しんでいくまでの余裕はないのだが・・・。

 夜は、長崎俊一組同窓会。「ナースコール」と言う映画の助監督、アシスタントプロデューサー、制作進行がいまだに2年に1度くらいは集まって同窓会をやっているのだが、このメンバーでその後一度も仕事はしていないのになぜか仲がよくって楽しい。が、僕は昼間の打ち合わせの頃から喉が痛み始め、風邪気味だったのできつかった。
 それにしてもやはり居酒屋は苦手だ。

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2006年11月11日 (土)

間違いなく大傑作だった「叫」

 新橋の汐留ホールで黒沢清監督「叫」のマスコミお披露目試写。公開が先なので、余り語るとネタバレになるので差し控えますが、間違いなく大傑作。久々に物語の面白さを堪能し、幽霊の様々な運動(物理的、空間的)に度肝を抜かれ。そして、ラストに向かう終盤にはなぜか『物語』によって感動まで生まれる。テーマは信じるものだけが『許される』と言う「アカルイミライ」や「回路」に通じるちょっと異形の希望に関する映画。僕は黒沢さんの映画を試写で見て興奮を覚えたのは「CURE」以来ではないだろうか・・・。とにかく「CURE」以降の黒沢清の集大成のような映画であった。そして、この企画が監督一人の意向で生まれたのではなく、まさにプロデューサーと監督の利害の一致から生まれたものであることが素晴らしい。

 プレスによれば監督は「新しい幽霊の物語を「怪談」をモチーフにしようと考え、一瀬さんは「古臭い怪談ではなく現代的な不条理劇として物語を構築できないだろうかと高度なオファーを出した。と答えている。この映画は、まさにそのオファー通りの完成度高い「怪談」の現代的な不条理劇として完成し、舞台挨拶で監督が言うように「一瀬氏とのコンビネーションによってまさに生まれた映画」になっていたと思う。だからこれは、どのカットをとっても120パーセント黒沢映画でありながら、一方でプロデューサーの依頼に見事に答えた職人仕事だとも言えるのである。その仕事ぶりが本当に映画に対して潔らかであると思うのだ。

 とにかく、黒沢清を知る人も、未だ知らざる人も「叫」は絶対に観にいくべきだろう。嘘ではなく、ラストにはある「感動」が得られると思う。

 来春、シネセゾン渋谷他にてロードショー公開のようです。

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2006年11月 8日 (水)

日米野球

 日本がMLB選抜に全敗した。まあ、これは花相撲みたいなもんでお祭りでいいと思っていたが、MLB側の真剣勝負に日本のプロ野球選手会は辞退者続出と言う随分と失礼な対応をしたものだと思う。ハワードのどでかい本塁打は日本国内で見られるだけでも凄いことだったと思うし、レイエス、アンドリューなどやはり1流選手のパフォーマンスは素晴らしかった。だが、NPB選手会長の宮本は「もう役割は終わった」と勝手に結論づけて、辞退者続出もやむを得ないと言う考え方に持っていっている。そんなことで、日本のプロ野球は大丈夫なのか?野球と言うものに対するビジョンの違いを今回の大会でMLB選手の本気度は痛いほどに見せ付けてくれた。

 2年前、近鉄球団消滅の折、NPB選手会はファンを味方につけてストライキを決行し、なんとか楽天球団の誕生にまでこぎつけた。だが、それから2年が経ち、何かプロ野球界に変化はあったのだろうか?近鉄球団消滅の根本問題は何か解決の方向を見出せたのだろうか?巨人の人気低迷と共に巨人戦の放映権料は激減し、その恩恵にあずかってきたセリーグの各球団は新しいビジネスモデルを見つけられずに第2第3の近鉄予備軍を抱えている。それでも選手の年俸高騰はひたすら右肩上がりで、球団経営を圧迫し、日米野球のような興行には非協力的な立場をとる。今回、本気で参加してきたMLBチームの試合数を考えれば、疲れているからと言うのは理由にならないだろう。2年前の近鉄消滅の時の騒ぎは、結局、選手会とオーナーたちのエゴのぶつかり合いでしかなく、野球のこれからの発展のことなど誰も考えていなかったのではないかとさえ思えてくる。

 今後も日本のプロ野球界は益々経営の難しさに晒されるだろう。地方移転球団も出てくるだろうが、狭い日本の中ではそれも限られてくる。どうやって、プロ野球がファンに面白がって貰えるのか?選手会会長の宮本選手は日米野球の役割は終わったと言うが、そんなことを言っていると、最早、日本プロ野球の役割は終わったと世間から突きつけられても言い訳できない現実がいまそこにまで迫ってきていることを認識した方がいい。

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2006年11月 3日 (金)

「法則」編集

 アプレワークショップで9月に撮った短編の編集をようやく終える。と言っても、8シーン8カットなのであっという間に終わる。来週以降は恐らく12月から始まる映画の準備が忙しくなるので、できるだけ今週は他に貯まっていた仕事を片付けなくてはいけない。アプレの短編映画も、僕、篠原哲雄、 利重剛、豊島圭介などそれなりの監督が集まって5本のオムニバスになるので、劇場での公開も考えようかと言う話になるが、実現すれば中々楽しいかも。僕は、普段の娯楽映画創りとはまったく別の観点から撮っているので、まあ習作と言うべき者なのかもしれないけど、いろいろな人に見て欲しいと言う欲望もあります。タイトルも『幻影シャッフル2』から『法則』と言うシンプルなタイトルに変更。いまさらながら、自分の撮影技術が間違っていなかったことが一番嬉しい。自分で色や光をいじって画面作りするのって本当に楽しいもの。いつか、もっと勉強してカメラマンだけの仕事もやってみたい邪念にかきたてられます。

 夜は、スカパーで「マタンゴ」を堪能。少年時代に名画座で間違って観てしまった恐ろしい記憶を蘇らせる。これと『世界大戦争』は東宝特撮映画として軽い気持ちで観ると、実に厭世的な気持ちにさせられる2本だ。

「人間は環境が変わると利己的になり、動物的になる。
そういう時こそ人間は理性的な行動をとらねば人間の進歩は無い。
何とかみんなの気持ちをまとめないと」(マタンゴより)

助監督時代に現場が苦しくなってくると、スタッフと言うのは自己保身の為に嘘もつくのだと言うことを知り、昨日までいい人だったのに、「そんなの聞いてねえよ」と突然裏切られたりしたこともあって、その度に「マタンゴ」のこの台詞を思い出していた。20年ほど前は今よりも仕事の職分については皆プライドも高かったが、そのぶんだけ何かトラブルが起こると、そのプライドの為には平気で人を貶める行為も普通だった。そういう時の犠牲者はいつも助監督であった。

 ちなみに僕はいま食事制限による減量中で、毎日のようにキノコを食べております。

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2006年11月 2日 (木)

父親たちの星条旗

 午前中に短編の脚本を書き、午後から川崎のラゾーナにある109シネマズへ行く。イーストウッドの「父親たちの星条旗」を観る為だ。

 戦争映画と言うのは、子供の頃やたらに洋画劇場で放送していたせいもあって、「大脱走」だの「ナバロンの要塞」「レマゲン鉄橋」と言った活劇スペクタクルか、「史上最大の作戦」や「バルジ大作戦」のようなオールスター大作映画のイメージが強かった。ベトナム戦争以降は、戦争と言う題材に対してハリウッドそのものが懐疑的になって、娯楽映画と言うジャンルとはかけ離れた映画が多くなっていたと思う。が、そう思っていたのは、己の知識教養のなさで、50年代の戦争映画が次々とビデオ化されるのを見ると、陰鬱で閉塞的な戦争映画が多かったことを知った。アルドリッチの「攻撃」「燃える戦場」フライシャーの「ならず者部隊」、ドン・シーゲルの「突撃隊」どれも、活劇性はあっても、戦場の重苦しさは常に映画を覆っていた。

 このイーストウッドの新作の前半も、50年代の戦争映画のように重苦しい。だが、CGを駆使した、スペクタクルシーンは素晴らしい、とくに艦砲射撃と言うものを、砲撃と撃ち込まれる対象物ごと描いたのは映画史的に初めてだろうし、戦闘機のコクピットからの「見た目」映像も迫力がある。上陸の際の阿鼻叫喚地獄もあるが、「プライベートライアン」のような、いまそこに瞬時におこる死のバーチャル体験のような見世物化もしてない。このあたりは「許されざる者」の西部劇のガンファイトの重苦しさと乾いた世界観に似ているかもしれない。

 だが、映画が感動的なのは前半のアクションシーンを受けた、後半の若者たちの静かな人生の崩壊を、映画的なゆったりとした時間の中で残酷に描いていくところであり、中西部の道をヒッチハイクしながら2000キロ歩いて戦友の両親に真実を語りにいくエピソードは、それだけでも充分ロードムービーとして映画になり得るのに、そこに殊更に「感動」を掻きたてる訳でもなく、イーストウッドの演出そのものも無常感に包まれて、静かな怒りを持って描いていく。土煙をたてて走る車内から、よろよろ歩くアイラを捉えた短いカットは本当に素晴らしい。マイケル・チミノがマルパソで撮った「サンダーボルト」のラストを思わせる切なさがそこにはあった。決して万人受けする娯楽映画とは言えないかも知れないが、いま絶対に観て置かなくてはいけない一本だとも思う。

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2006年11月 1日 (水)

デスパレートな妻たち

デスパレートな妻たち シーズン1 DVD Complete Box DVD デスパレートな妻たち シーズン1 DVD Complete Box

販売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
発売日:2006/10/04
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ある人に紹介されてこのドラマのDVDを観始めたんだけど、ハマってしまいまいました。未見のテレビドラマに上記のボックスを買うのはちょっと控えられたので、久しぶりにレンタルビデオ店へ。ドラマのコーナーで何本も借りていく人を見ながら、一度に連続ドラマのDVDを何本も借りる層がレンタル店のヘビイユーザーになっているとは聞いていたけど、まさか自分がそういったユーザーになるとは想像もできなかった。

 一見、見始めると、日本のドラマにもある複数の人妻たちのライトコメディと言うか、ソープオペラ的でもあるんですが、とにかく話が進んで行くうちに「相対的な人の悪意」が全編にちりばめられ、ブラックユーモアなんて言葉では片付けられない、残酷な描写がちょっとした可愛いエピソードと並列的に語られて、しかも、一つのエピソードが次のエピソードの謎に深く関わっていたり、1話見ると、次をどうしても見たくなる欲望に駆られる実にう巧妙な脚本構成になっている。ある意味明るい「ツインピークス」とも言えるし、桐野夏生の「OUT」をもの凄く楽しく物語化したらこうなるかなあと言う内容です。日本のテレビドラマも、昔の映画のリメイクや、漫画のドラマ化に頼らず、こうしたオリジナリティ溢れるドラマを創ったら面白いのになあと思ってしまった。まあ、しかし、これだけエロでクレイジーな内容をよくぞNHKで放送しているなあと思います。まさに「発狂する人妻たち」な内容です。キリスト教的な道徳観が支配するアメリカでもよくこれは受けたなあと思いますが、一方で俳優人たちの品とか格調も大きく影響しているでしょう。

 いまでも、第2シーズンがNHKの衛星第2放送で水曜に放送していますが、できればファーストシーズンから見ることをお勧めします。もともとは、ある作品のアイディア集めの為に観始めたのですが、すっかりハマって、先週から川崎の街へ行くたびにツタヤへ行って2,3巻借りるようになっています。主題曲のダニー・エルフマンの曲も素晴らしいです。騙されたと思って、是非一度ご覧あれ

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