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2006年12月26日 (火)

硫黄島からの手紙

 午後から川崎のラゾーナ内にある109シネマズへ「硫黄島からの手紙」を妻と観にいく。予想はされていたが前作「父親たちの星条旗」をさらに陰鬱にした圧倒的な暗黒戦争映画。閉塞感に満ちた内容はやはり50年代のアメリカ製戦争映画を想起させる。比較するのも失礼な話だろうが、先日「硫黄島」を題材にしたテレビドラマをフジテレビで放送していて、これが相当に酷く、何が酷いって昭和20年代の兵隊の顔をした役者がひとりも出てこないところなのだが、この「硫黄島からの手紙」に出てくる兵隊たちはアメリカ映画にも関わらず、実に太平洋戦争のリアルを感じさせる日本人の顔が圧倒的なのだ。その中には、棒読み台詞の人も混じっていたりなんかするんだけど、それほど俳優の演技の優位性を重要なことだと思っていない僕にとっては全然問題なかった。やはりキャスティングは『顔』で選ぶものだと言う持論をこの映画は確り示してくれた。はっきり言って脇役の名前なんかどうでもいいから役に過不足ない柄の人をキャスティングすべきだと僕は常々思っているので最近の日本映画にありがちな小劇場系の役者が一人も出てないのがいい。
 人によっては冒頭の渡辺謙の芝居などどう見てもアメリカ映画の芝居のさせ方そのもので違和感感じなんだろうけど、映画が進むに連れてそれもどうでもよくなってくる。ジャニーズの二宮君は、若い頃の永瀬正敏だとかの数倍いい。何がいいかと言うと、役者としての自己主張がなく、完全に硫黄島の一兵卒にしか見えないところである。さらに女性が殆ど出てこないところもいい。いつの頃からか、日本の戦争映画には女優が出すぎになってしまった。『硫黄島』の映画に女はいらない。正しい選択だ。
 2時間30分、ただひたすら地獄絵図を体感させられる本当の意味の戦争映画。センチメンタルな感情もなければ、血沸き肉おどる戦闘シーンもない。ひたすら陰鬱な戦争を見せ付けられる。その意味でこの演出は間違っていなかったと思う。
 ただ個人的にはやはり「父親たちの星条旗」の方が好きかもしれない。
 

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