« 2006年4月16日 - 2006年4月22日 | トップページ | 2006年4月30日 - 2006年5月6日 »

2006年4月23日 - 2006年4月29日

2006年4月26日 (水)

中川信夫 日本残酷物語

 午前中は『怪談新耳袋』の脚本直し。午後からはラピュタ阿佐ヶ谷まで中川信夫監督の「日本残酷物語」を観にいく。会場には中原昌也氏や井口君それにキングレコードの山口さんなんかまで来ていて、平日の昼間だと言うのに超満員だった。映画のほうは、正真正銘のモンド映画。ヤコペッティの『世界残酷物語』のパチモン企画でピンク映画のチェーンで公開された1963年の映画。冒頭いきなり「ここに残酷あり!」と言う黒バックに白抜きの筆文字がガーン!と浮かぶところからもう中川信夫。「地獄」のオープニングを髣髴とさせる。構成的には北海道の熊祭りで熊の皮を剥ぐところから始まり、列島縦断して長崎原爆から当時の最南端の奄美大島の風葬まで、結構真面目?にドキュメンタリーとして描かれるが、自殺の名所で水中カメラを使って死体の人形を仰角で撮ったりする映像の構成はまさに中川信夫独特の構図であり、時折それとわかるヤラセ場面の妙にしっかりとした映像がキワモノを超えて確りとした映画として成立させている。ナレーションはなんと宮田輝。井口君も山口さんもこの人を知らなかったようだが、宮田輝はNHKのタレントアナウンサーの草分け的存在で、紅白歌合戦の司会をやったりした後、自民党から参議院議員に立候補してトップ当選を果たした人物である。そんな人ががなんでこの映画のナレーションを務めたかわからないが、このナレーションの暢気な感じがまたよかった。それほどキワドイシーンはないけど、60年代初頭の日本の風俗を見ているだけでも結構楽しめる映画だった。と言うことはつまり編集や構成が確りしているからなんだろうね。大らかな気持ちになる映画だった。後で調べたら編集の永田伸はマキノの「次郎長三国志1~4」の編集マン長田伸氏の変名だったことがわかった。道理でうまいわけだねえ。長田伸は成瀬の「石中先生行上記」なんかにも携わってますね。

 それにしても平日の昼だと言うのに超満員。しかもそこで『怪談新耳袋』のプロデューサーと監督2人が出くわすと言うのはいったいなんなんだ?映画終了後は近くで手作りハンバーガーを山口さんや井口君と食べて帰る。

| | コメント (0)

2006年4月25日 (火)

ロケハン

 「怪談新耳袋」のロケハンで、所沢~御殿場と言う関東縦断ロケハンルート。朝は、三宅君、ムラケン、井口君と僕と4人の監督が同乗して新宿から所沢まで向かったが、実に濃厚な映画のトークでロケハン車の中が花開いた。この面子が集まるBsiってなんなんだろう?と言う話になって、皆の普段撮っている映画からするとかなり芸風の違うことをやっていたりするんじゃないかとか、中川信夫やら野村芳太郎やら「HOSTEL」やらの話で盛り上がる。午後からは3人と別れて、僕一人でスタッフと共に御殿場へ。ちょっと寂しかったなあ。

 そういえば助監督時代も黒沢清組に限ってはロケハン車の殆どが映画の話で盛り上がっていたのを思い出す。黒沢さんは僕の助監督としての技術よりも、こうした映画の話で盛り上げるから僕をいつも使っていたのではないかとさえ思う。とにかく朝から晩まで車の中で映画の話をしていた。ちなみに僕は車の中で眠ると言うことができないので常にしゃべっています。デビュー当時あんまりしゃべるので、記録のおばさんにもう少し静かにしてくれとロケバスの中で言われたことすらあった。監督になってからだよ。でも、黒沢さんと語り合った映画の話の記憶がいまの自分の血となり肉となっているのは間違いない。そういえば「ユリイカ」の青山君と助監督同士だった時代もいつも映画の話ばかりしていたけど、最近は助監督さんで映画の話で盛り上がる人は少ないね。助監督時代なんて助監督の仕事を覚えるより、こういうことのほうが大事だと思うんだけど・・・。勿論、仕事もできなくちゃ駄目ですが・・・。皆何より映画が好きだからスタッフやっていると思うんだけど、そうじゃないのかな?

| | コメント (0)

2006年4月23日 (日)

ケータイ刑事 銭形泪 歌って踊って殺人事件 爆音上映

 昨日は雨の広島入り。横川シネマで、夜の10時過ぎから加藤賢崇君とトークショー。賢崇君とは久々に会うので、6時頃から劇場で待ち合わせして横川シネマ近くの「得」と言うお店で広島お好み焼きを食べながら生ビール。「得」は以前に横川に来た時も入ったが、東京では絶対に食べられない量とうまさ。しかも安い。僕は、昔からお好み焼きは大阪のよりも焼きそばが入って広島名物の『おたふくソース』がたっぷりかかった広島お好み焼きの方が好きなんだけど、ここのは特にうまいな。もし横川に行くようなことがあれば『得』はお勧め。

060422_174401 と言うわけで、雨とさすがに10時過ぎと言うこともあってトークの客入りはちょっと寂しかったけど、トークそのものは盛り上がって、あっという間に40分くらい喋り続けてしまう。『ケータイ刑事』の話から、黒沢清組の話、日本映画の現在まで中々濃厚なトークでした。

で、圧巻だったのは「ケータイ刑事 銭形泪 歌って踊って殺人事件」の爆音上映。横川シネマは変則的な上映形態で、朝から「THE MOVIE」やるんだけど途中に何本か他の映画も入れ替えで上映されている。ちなみにこの日も「ロバと王女」(ジャック・ドミュー)「鴛鴦歌合戦」(マキノ雅弘)「T-REX ボーン・トウ・ブギー」(リンゴ・スター)と言う布陣で、偶然ではあるが全てミュージカルや音楽映画だった。そしてこの日は、音楽ライブ用のBOZEのスピーカーを持ち込んで、「ボーン・トウ・ブギー」の爆音上映が行われていたので、おなじデジタル上映の「歌って踊って殺人事件」でも爆音上映が可能になり、急遽音楽ライブ並の大音響での上映となった。これにはもう感動。特に、ミュージカルシーンでの高音質大音響の迫力には脳内が痺れまくった。これはまあ、横川シネマの溝口君の好意で実現できたもので、今後はもうないと思いますが、昨日「歌って踊って殺人事件」のライブ上映に遭遇できたお客さんは実に貴重な体験をしたと言わざるを得ない。東京でもやれると絶対に受けると思うんだけど・・・。

 終わってからは関係者のみで、僕が数年前に撮った海外向けのアクション短編(諸事情で門外不出)を爆音上映で見たり、3時まで映画について語り合ったり、短いけど中々濃厚な広島行きでした。

 横川シネマがんばれよ!

| | コメント (0)

« 2006年4月16日 - 2006年4月22日 | トップページ | 2006年4月30日 - 2006年5月6日 »