« 2006年4月23日 - 2006年4月29日 | トップページ | 2006年5月7日 - 2006年5月13日 »

2006年4月30日 - 2006年5月6日

2006年5月 3日 (水)

サーク オン サーク

サーク・オン・サーク Book サーク・オン・サーク

著者:ダグラス サーク
販売元:INFASパブリケーションズ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

昨日は昼食を食べた頃から急激に貧血症状となってそのまま倒れてしまった。この冬は風邪も引かなかったのに、疲労からか、よくわからないけど吐き気がとまらなかったので、休養にあてることに。ベッドでダグラス・サークのインタビュー集「サーク オン サーク」を読み始めるが、ベッドの上での読書すらも久々だったことに気がつく。よく考えると、去年の「ケータイ刑事 THE MOVIE」の撮影の頃からあんまりのんびり休んでいないことがわかった。

 「サーク オン サーク」は文献の少ないダグラス・サーク研究本としての価値はあるし、ナチの台頭による友人の裏切りなどドイツ演劇時代の自伝的なところは面白いのだが、肝心の映画の話になると、どうも微妙にインタビューする側の論点がずれているのが勿体無い。自作のことから、発展してフォード、ホークス、ルノワールはもとより、ゴダールにまで言及しようと言うサークに対して、殆どスルーして、このインタビュアーは物語論と言うか、脚本論の話に持っていこうとしてしまうんだな。面白いのは、途中でサークが「ストーリーなんか覚えていないよ。どういうシーンをどういう画でどういうシチュエーションで撮ったかは覚えているがね」とかまで言い出す始末。「映画にとって重要なのはカメラを置く位置とコンティニュティ」とまで言っているのに、そこから先に踏み込んで、そのシーンを撮る為になぜそこにカメラを置かなくてはいけなかったのか?と、一番知りたいことに、このインタビュアーは突っ込んでいかないのだ。そういった意味では演出家へのインタビュー集で「ヒッチコック映画術トリフォー」を超える文献はないのかもしれない。

  ダグラス・サークの生き様は確かにこの本にあるように、ドイツ~フランス~ハリウッド~ドイツとまさに流転の人生を歩んでいて、その点を追いかけるだけでも充分興味深いが、やはり映画監督のインタビューなんだからもっと演出論に踏み込んで欲しかった。サークが映画についても語りたがっているのはまさにそこだ。映画の批評のあり方が物語論に終始する傾向はいまだに変わらない。むしろ強くなっている。観客はどう映画を見ようと勝手だと思うが、批評と言う商売をしている人たちは最低フランソワ・トリフォーくらいの知識と愛を持って映画に望んで欲しいと思う。

 僕も、鈴木則文存命中に則文インタビューでも残しておかなくてはいけないと言う思いになる。日本映画界に置いてこの人の研究こそ映画のなんたるかを考える上で重要な作家はいないと思うからだ。

ところでサーク自身がその場に居合わせたと言う赤狩りの時代の監督協会の会合における「私はジョン・フォード。西部劇を撮っている」のエピソードはここでも紹介されているが、やはり格好いい。男とはかくあるべしだ。

| | コメント (0)

2006年5月 1日 (月)

幻影シャッフル 初号

 「怪談新耳袋」のオーディションが終わってから、広尾に行って『幻影シャッフル』の初号と打ち上げ。この映画は僕が講師をやっているアプレクアッドエーの子達をつかって作ったサイトムービー。撮影まで自分でやった自主映画なのだけど、ラッシュが中々いい出来だったので編集を大永昌弘氏に頼み、音楽効果を遠藤浩二氏に頼んだら予想以上のクオリティ高い仕上がりになった。特に仕上げ段階で彼らプロフェッショナルの血を入れたことで切れ味のいい、不条理ホラーが出来上がった。金銭的にはかなり勉強してもらったので、ここは普段誠実に映画やドラマを作っている努力と友情のたまもの?だと感謝する。

 この映画は、6月から配信予定なので、決定したらここでもアップします。配信サイトの会社にも頗る評判がいいようで、この映画の配信に向けたイベント上映も組んで見ようとかどんどん広がりをみせつつあるようで、僕にしては珍しくコンセプチュアルに撮ったので、映画祭などへの出品も含めて検討していこうかなという話にもなる。作品自体が気に入ってもらえて一人歩きし始めると言うのは監督にとっては嬉しい限りであります。

 試写終わってからの打ち上げは広尾のお好み焼き屋「小麦っ娘」。広尾は何気に粉ものの激戦区であるのだが、ここは安くて美味しいと思う。僕はいわゆるチェーン店の居酒屋メニューと言うものが嫌いなので、同じ安く呑めるならこうした食べ物屋の方がいい。本当はそんなに粉ものすきではないが、それでも居酒屋で飲むより時間も短くてすむしこっちのほうがいい。

| | コメント (0)

怪談新耳袋 準備

 土曜、日曜は『怪談新耳袋』の準備。美術打ち合わせと、オーディション。 本当は僕が書いた古厩監督の銭形雷の撮影中だったので、現場へ行きたかったのだが、行けなかった。多聞さんから脚本の尺が数分オーバーしていると聞いていたのでちょっと心配だったのだが、土曜は終日美打ちにとられてしまったし、日曜も午後からBsiだったんだけど、さすがに頭が切り替えられないので銭形雷の現場訪問は諦める。

 『怪談新耳袋」への参加は今回が3度目となるのだが、4分50秒と言う短編映画のつくりが原作のよさを出すのに丁度いい塩梅なのだ。原作の「新耳袋」は実話怪談、奇談を集めた説話集で、実話なので「オチ」がないところが一つの特徴であり魅力となっている。なぜそこに幽霊が現れるのか?怪現象が起こるのか?さっぱりわからないまま読者に放り投げて終わる。それと同じ読後感を僕は映像化する時にも一番大事にしようと心がける。とは言え、4分50秒と言う時間は意外に長く物語を語れてしまう時間でもあるので、時間配分の効率性をきちんとしないと失敗してしまう。

 ところでオーディションを若い監督3人と一緒にやったのだが、井口君のオーディションは見ているだけで笑えると言うか、オーディション見た段階で何を写そうとしているのかすぐにわかっておかしかった。いや、このオーディションをメイキングで撮っておいて欲しかったなあ。それぞれの監督が8人の若い娘にアプローチしていたが、井口君のは一番笑えた。これくらいの人数とレベルだと僕は「勘」と「身体能力」さえ見られればいいので、大体1分くらいで判断できてしまうのだけど、井口君の場合「今ここで見たい欲望」にかられて何度も女の子に奇妙な動きをやらせるところがおかしい。そして最終的に選んだ女の子が実に井口君らしくてこれもおかしかった。

| | コメント (0)

« 2006年4月23日 - 2006年4月29日 | トップページ | 2006年5月7日 - 2006年5月13日 »