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2006年5月28日 - 2006年6月3日

2006年6月 3日 (土)

喜寿のお祝い

060603_193447 今日は、昼間は銭形雷のカット割りやって、ベイスターズ戦をテレビで鑑賞。夜は奥さんのお父さんの喜寿のお祝いで近所の寿司屋の座敷へ。77歳おめでとうございます。

『怪談新耳袋』をやり終わったばかりなので、コンセプチュアルなホラーと違って『銭形シリーズ』のカット構成の難しさを改めて思い知る。1話目を撮った廣木さんも「ケータイ刑事」は狙いどころが難しい。と言っていたが、まさにその通り。例えば「ミュージカル編」とかだと、コンセプトが確りしているので非常に組み立てやすいが、推理だけだとこれは中々難しい。かつてヒッチコックが「舞台恐怖症」と言う映画のインタビューで「犯人探しの謎解きは『非映画的』でやってはいけないジャンルの一つだ」と述べているように、クライマックスを謎解きに持っていくと、どうしても立ったまま俳優がセリフを喋っているだけと言うシーンにしかならず、映画の最も重要な部分である「画面内の運動」がなくなってしまうからなのだ。ブライアン・デ・パルマのスクリーンプロセスを銭形で多用するようになったのは、謎解きのシーンに少しでも画面の運動を加えたいからやっていたのだが、この間多聞さんから「佐々木さんと言えばスクリーンプロセスですよね」と言う指摘をされ、見破られてしまったので、敢えて今回はその手は禁じ手にしようと自らに制約を課したので、難しい。でも同時にヒッチコックは『悪役をより魅力的に描くことで回避できる』とも語っているのでここいらあたりは参考になるだろうか・・・。

 

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2006年5月31日 (水)

怪談新耳袋 MA 完成

 13時30分からMA。音楽、効果を入れて、同録のセリフなどを調整する作業。音楽効果の遠藤浩二さんは『ケータイ刑事』も含めてもう何十本も一緒にやっているのでこっちのやり方もわかっていて、作業はスムーズ。今回は編集後のテープにイメージ曲を入れることで、音楽のイメージを伝えてあるので早かった。撮影~準備段階ではいろいろあったが、自分が撮った4本はそれぞれに満足できる仕上がりとなった。キングレコードの山口さんもダビング終了までいてくれて作品を喜んでくれたのでほっとすると同時に嬉しかった。 今回は、『怪談新耳袋ファイナル』と言うことで、個人的に自分以外の人が撮った今までの作品にもリスペクトしたものにしたかったのだが、いくつかの部分で山口さんにそこを指摘されたのは嬉しかった。

 いままでのシリーズにリスペクトしながら、ホラー表現の新しさ(と言うか実は古典回帰でもあるのだが)を追求したかったので、その目的はある部分において達成されたと言ってもいい。山口さんに聞くと、他の監督の作品もどれも面白いらしいので、これは楽しみですね。6月中にはみんな完成して、7月にDVD発売、Bsiでもオンエアーされます。スタッフ、キャストの皆様、本当にお疲れ様でした。いい作品が出来上がりそうです。

 ほっとする間もなく、『ケータイ刑事』のスタッフからはひっきりなしに電話がかかってくる。明日は朝8時から都内ロケハン。体力的にはちょっとしんどいかな・・・。でも自分を待っていてくれるスタッフがいるといると言うのは嬉しいことなので頑張ります!

 次は自分の『ケータイ刑事シリーズ』の原点に立ち返りつつ、豊島の投げた「増村」と言うボールに答えなくては!と言うことで「増村保造の世界」を引っ張り出す。

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怪談新耳袋 本編

5月30日

 朝は、10時に赤坂のドリマックスへ出向いて銭形雷のロケハン写真のチェックと助監督の作り物の原稿チェック。ロケハン候補地が複数箇所あって選ぶのは当たり前なんだけど、中々当たり前のことができない現状で今回の制作の倉又君は結構やってくれているほうなんじゃないだろうか?助監督の作り物も中々上出来。

 11時から牛込神楽坂へ移動して、『怪談新耳袋』の本編集。とは言え、昔と違って画繋ぎの方はもう組みあがっているので、簡単な合成のチェックと、金谷さんによる色調調整がメイン。撮影の金谷さんはワンカットごとに綿密に明暗と色調を調整してくれた。このシリーズでここまでカラコレを綿密にやったのは初めてかも。闇をとことん追い込んで、表現してくれるのは嬉しい。幽霊表現にとってはとても重要なポイントだ。現場で色調に時間がかけられない分、ここは手を抜けないところだろう。独特の暗さはテレビにとっては中々ない素晴らしい暗闇が出来上がった。

 作業はそれほど遅くもなく終わったのだが、妻が風邪で倒れているので早めに帰宅。

 

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2006年5月29日 (月)

新耳袋とケータイ刑事

 「怪談新耳袋」の仕上げと「ケータイ刑事銭形雷」の準備が完全に被って、さらに新しい映画の企画の打ち合わせも入ってきて慌しくなる。音楽の遠藤さんに音楽データーが壊れて届いているので、結局テープを持っていかなくてはならなかったり、ロケハン写真のチェックをしなくてはいけなかったりいろいろです。「新耳袋」は明後日で終わるから、それまでの辛抱かな。なかなかプライベートで約束できなくなってしまった。だって、明後日の音楽入れも時間が決まらず、遠藤さんの連絡待ちなんだよー。まあ新作映画を見に行くことは当面無理かも。

 夕方、自分が脚本書いて古厩君が撮った「銭形雷23話」をビデオで見る。これに関しては、しっかりオンエアでチェックしてから感想を書きます。夜はベイスターズの試合がないので、大永君がくれたトビー・フーパーの『悪魔の沼』のDVDを観ながら脳内のホラーモチベーションをあげる。久々に観たが細部でまた驚かされること多し。しかしまあ凝った映画だった。その間にも電話は結構あって、落ち着かなかったなあ。

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怪談新耳袋 新しい可能性へ向けて

 『怪談新耳袋』のオフライン編集が終わった。大永君に殆どお任せ状態に近かったわけだけど、今回の仕上がりは現場での大変さに比べて随分と力ある作品が4本撮れたと思う。仮音楽をあてたものを家で見て、それを確信した。作業的には30日にオンライン編集で合成と色調調整をやり、31日に音楽効果を入れる(遠藤さん忙しすぎだよ)のだけど、数日前に大永君が言っていたようにもう心配はないだろう。

 今回は特に一番最後に撮った「絆創膏」と言う作品の完成度を見て欲しい。いわゆるJホラー表現を内包しつつ、怪奇映画への原点回帰、ハマーホラーのような活劇性と怪物造形の生理的恐怖を試した作品で、いままで12本『怪談新耳袋』を撮って来たが、一番自分がやりたかったホラーを撮れたと言う気がする。そういった意味では娯楽性と作家性が久しぶりに一致した作品かもしれない。

 僕が生まれて初めて観た洋画は、7才のときに観た「フランケンシュタイン死美人の復讐」と「ミイラ怪人の呪い」と言うイギリスのハマープロ製作の映画だった。つまり怪獣映画やディズニー映画以外で、大人向けで字幕付の映画を映画館で最初に見た映画がハマー映画だったのだ。これはたまたまポスターに惹かれて親に連れて行ってもらったのだが、小学校2年生で7歳の僕にとって衝撃的な体験だった。でも、すっかり外国の怪奇映画の虜になってしまった。立て続けに名画座でやっていた「凶人ドラキュラ」と「恐怖の蝋人形」の2本立ても観に連れて行ってもらった。ここでクリスト・ファー・リードラキュラの余りの格好良さにすっかり僕は参ってしまい、その後、映画にお化けが出てこないと全然興味を持てなくなってしまった。それからテレビ朝日で昼に再放送されていた怪奇映画を僕は貪るように観た。そういった映画が放送されると、友人たちと遊ぶのもやめて家で「ドラキュラの花嫁」だの「吸血狼男」を観に帰った。この頃の映画体験がいまの自分を創ったと言っても過言ではないだろう。

 現代においてホラー映画が蔓延している状況は嬉しくもあるが、一方で大量消費による安易な駄作化も始まってしまった。今年に入って何本かホラーを観たが、清水崇の「輪廻」は評価すべき高い志のある映画だったと思うが、一方で志の低い、VシネJホラーもどきには辟易とさせられたのも事実だ。ホラー映画は特殊なジャンルだと思うので、ジャンルを愛せない作家が手を出してはいけないものであると思う。その意味で、今回の『怪談新耳袋ファイナル』は、次のホラー表現の引き金になるものを撮れたのではないかと思う。まあ、「輪廻」ではないが監督がやりたことを無茶でもやった方が絶対に面白い映画は出来るし、新しいヒット作はきっと生まれるのではないかと思う。

 活劇性と残酷、恐怖表現のホラーをまた撮りたくなってしまった。タランティーノ製作の残酷ホラー活劇「HOSTEL」が全米ヒットしたが、日本でも次はこのジャンルが絶対に来るだろう。

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