« 2006年2月19日 - 2006年2月25日 | トップページ | 2006年3月5日 - 2006年3月11日 »

2006年2月26日 - 2006年3月4日

2006年3月 4日 (土)

新世紀 Mr Boo

 原作本を読まなくてはいけない仕事が二つほどあって、両方共にホラーなので混乱する。いや、一つは原作の映画化ではないのだが、同じ原作者の小説からどうしてもヒントを得たかったから読み込んでいたのだが・・・。世間ではホラーブームが終わったと言う噂も聞くが、まだまだホラーのオファーは多い。本当は思い切りくだらないスラップスティックをやりたいのだが・・・。

 あんまり頭がホラーに固まるのもなんなんでと、2本のコメディをスカパーで観る。一本は黒沢清の「勝手にしやがれ 黄金計画」でもう一本は

「新世紀Mr.Boo!ホイさま カミさま ホトケさま」

 と言うふざけた映画だった。しかし、これが非常に面白かった。26年前のヒット香港映画のリメイクなんだけど、このリメイク具合がいいんですよね。ストーリーは、まああってないがごときものなんだけど、次々と予想外の展開となり、しかも現代のドラマにかつてのMrBooの名場面が唐突に再現されると言うことになる。それでいて、昔の香港映画のように話が横道にそれても放り投げっぱなしなのではなくて、うまくエピソードを繋いでいるのは脚本と演出が巧いからだろう。監督のワイ・カーフェイはジョニー・トウと組んで傑作を送り続けている監督だが、これは単独で監督している。「勝手にしやがれ 黄金計画」もそうだが、物理的な事象を映像で捉えることで観客の心をエモーショナルに捕まえると言う方法論はホラー演出と酷似している。一つ違うのはドタバタコメディこそ芸達者な人がいないと絶対に笑えないと言うことだろう。

 「勝手にしやがれ 黄金計画」の中で終盤、逃げている悪役の大鷹明良がいきなりトラックに轢かれると言うギャグカットを、ダミー人形と望遠レンズで撮っていて、極めて効果的な演出なのだが、同じ頃に撮られた「Door3」では、諏訪太朗扮する探偵が暴力的に唐突にトラックに轢かれる恐怖シーンを全く同じ演出の方法論で撮られていて興味深い。「同じことを前後のシチュエーションが変わるだけで笑えたり恐怖したりするんだから面白いよねえ」と黒沢監督本人から聞いた。実は僕も同じことを「ゾンビ極道」でやろうとしたのだが、主役の小沢仁志が「俺が自分でトラックに突っ込むから人形はいらねえ!」と特攻したので再現されることはなかった。

 いつか『ケータイ刑事』で用いてみたいところだ。

| | コメント (0)

2006年3月 3日 (金)

思ひ出の曲 デトレフ・ジールク(ダグラス・サーク) を堪能。

 昨日は15時から京橋のフィルムセンターへ行くために朝から必死で原稿書きして、昼前には送ってしまった。

 観たかった映画は、ダグラス・サークのドイツ時代の「思ひでの曲」(デトレフ・ジールク名義)。ダグラス・サークのことを最初に知ったのはダニエル・シュミットの「人生の幻影」を20年ほど前に観てからだが、ドイツ時代の映画は今回が初鑑賞となる。上映前に前の方へ座ってぼーっとしていたら、席を探す中原昌也君と会って「失礼します」と隣に座ることとなり、男性と隣りあわせでの久々の映画鑑賞となってしまった。映画の方は大傑作。この映画は81分しかないのだが、娯楽映画は90分以内と言う法則がいつから崩れたんだろう。「思ひでの曲」は81分で、充分過ぎるくらいにミュージカルを、エロティックをギャグを芳醇な演出で楽しませてくれる。物語はたわいもないし、このあと何百回も物語の歴史が繰り返すことになる親子ものなのだが、とにかく場面転換の妙、人物配置の妙、全てにおいて素晴らしい。映画と言うものが、ストーリーではなくストーリーを語る演出で楽しむものだと言うことを改めて認識させてくれる。そして、なぜかこの時代にしてはエロイのだ。ダグラス・サークってこんなにエロかったかな?冒頭の着替え場面から始まって、そのままミュージカルシーンとなり、靴を履き替えるカットがとてもエロティックで、履き替えた足から踊る足へと韻を踏んで繋がるカット繋ぎは、音楽、エロ、展開の全てが一つになって感動すら覚える。やはり映画は技術と創り手の欲望が一つになった時傑作が生まれるんだと確信する。どちらが欠けても傑作は生まれないのだ。

 映画が終わって、外へ出ると柳下さんがいて、中原君が呼んだ女性ともども近くのターリーズコーヒーで雑談。いや、この面子が集まって映画の話をするのが僕は一番楽しいかもしれない。ここでは書けないちょっとやばめの話を中心にターリーズコーヒー内は爆笑の時間が続いたが、どうしても帰ってやらなくてはいけないことがあるので1時間ほどで僕は退席。実に後ろ髪ひかれる想い。Nakahara でも柳下さんが話してくれた企画はやりたいなあ。当然東映で。

 しかし、今日は素晴らしい映画を観て素晴らしい友人たちと映画の話をして本当に至福の時を過ごしました。話の内容は・・・だが・。『思ひでの曲』は3月21日(火曜)16時からもう一回フィルムセンターで上映されます。500円だから是非かけつけるべし。

| | コメント (0)

2006年3月 2日 (木)

憧れの家庭教師と精武家庭

 吉行由美監督の「憧れの家庭教師 汚された純白」についての文章を朝から書くために、この映画を朝からDVDで観る。林由美香さんの1周忌に出る記念本への寄稿だ。林由美香さんは、僕の映画では「血を吸う宇宙 外伝」にカメオ出演しているが、まさかこんな形でお別れするとは思っていなかった。『血を吸う~』の時は吉行さんに連れられて現場へ来たのだが、僕はカメラも兼ねていて撮影時以外は話もしなかったし、まともにお礼も言わなかったのではないだろうか・・・。実はこの「憧れの家庭教師」と言うピンク映画に僕も出演していて、林さんとは共演しているのだけど、この時もあんまり話さなかった。いつかちゃんとお話しなくては・・・と思っているうちにお亡くなりになられてしまった。人生、何かやり残すと取り返しのつかないことになるとつくづく思う。この映画は、吉行さんに『悪魔の刑事まつり』にノーギャラで出演してもらう代わりに、彼女の監督作に出演することになって、初めてオールアフレコを経験した映画でもあるが、自分が出てくるシーンはまともには見られない。この映画はある意味極めて監督の私的欲望から作られているところもあるのだが、それより時折出てくる林由美香と監督の吉行さん自身が演じている中年のピンク女優のシーンが妙に痛切でいい。

 午後からは頭を軽くするために「ドラゴンプロジェクト 精武家庭」をDVD鑑賞。Dragon_l

実に購入して1年かかっての鑑賞になったが、これがなかなか面白かった。物語は『スパイキッズ』の亜流ともいえる内容だが、ベテランと若手俳優のアクションが見事で英語字幕だけで一気に見入ってしまった。黄秋生(アンソニー・ウオン)も見事だが、鍾欣桐(ジリアン・チョン)が素晴らしく可愛い!そして、若い時から爺さんを演じていて本当に爺さんになった午馬(ウー・マ)がちゃんとカンフー披露してくれて香港映画が温かった時代を思い起こさせてくれる。他にも、ジリアンの相棒シャーリン・チョイや、「香港国際警察」や「赤裸特攻」で悪役を演じ、次世代のスター候補と言うべきダニエル・ウーなんかが脇役で出演していて言わばオールスターキャスト映画なんだけど、それぞれに見所があって本当に楽しい。香港のトップアイドル「ツインズ」は日本では全く人気ないが、出演している映画はなかなか面白い。監督のステファン・フェンは役者出身の人だそうだが小気味いい演出でなかなかいい。アクション監督は袁和平(ユアン・ウーピン)プロデューサーは成龍(ジャッキー・チェン)だった。日本では去年の東京国際映画祭で上映されたようだが、公開の見込みはあるのだろうか・・・。

 本当はこの「ツインズ」のアイドルアクションのような映画を『ケータイ刑事 THE MOVIE』ではやりたかったのだができなかった・・・。『ケータイ刑事』が好きな方には是非お勧めします。

ツインズ・エフェクト I&II ツインパック DVD ツインズ・エフェクト I&II ツインパック

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2006/01/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (0)

2006年2月28日 (火)

銭形雷 12話完成

 朝から銭形雷12話のMA。音楽、効果、ナレーションなどを入れてミックスダビングする作業。フィルムダビングと違って、テストと言うものなしに入れ込んでいって気になるところを修正していくのがテレビのスタイル。フィルムの時は、青ランプが赤に変わって場内の照明落として、ダビング本番となるので緊張感が高まるが、テレビの場合は「気軽に直していきましょう」となるので、この中で集中力を高めていくのが難しい。まあ、各家庭の視聴環境によっても変わるので、あまり繊細に音を気にしても、結果的には聞こえないことになったりするからテレビはこれでいいんだろうけど・・・。映画とテレビで一番違うのがクオリティの価値観。テレビの場合はとにかく「台詞」はわかりやすく。音は歪まない。と言うのが原則で、これに慣れると平板な音環境になってしまうので映画になった時は気をつけなくてはいけない。映画の場合は、繊細に効果や音楽のバランスからトータルでクオリティを考えていくので、必ずしも台詞中心と言うわけではない。映画もモノラルとDOLBYでは音に対する方法論も違うし、SRDや5,1サラウンドとなればまた変わってくる。僕は個人的には硬い音が好きで、流行の低音重視の音作りはあまり好きではない。ちなみに「ケータイ刑事 THE MOVIE」はDOLBYSRと言う一応後ろからも音を出すんだけど、デジタルのような本格的なサラウンドではない。それでもアナログモノラルよりは臨場感はあると言うものだ。

 12話はなかなか面白い仕上がりになったが、13話どうなるんだろうな・・・。次のダビングは11日なので、しばらく原稿書きの日々が始まります。

| | コメント (0)

2006年2月27日 (月)

ワークショップその後

 沖縄から帰ってきたらすぐにドリマックスの小板さんから連絡があって銭形雷12,13話の仕上げの話になる。小板さんには沖縄行きで随分と迷惑をかけたので、お土産買ってきたのだ。とりあえず12話はなんとか目処が立ったが13話がまだ自分の中では混沌としている。これは出来上がるまでどうなるかわからないかな。映画ではあり得ない企画ではある。でも、撮影はうまく行ったからな。芸達者な脇役やこの人が?と言う大物ゲストにさらに金剛地君も出ているので結構楽しめると思うのですが・・・さてどうなる。

 さてどうなると言うことで、雨の中夜は1月にやったワークショップの締めくくり。いつもは参加メンバー全員に手紙を書くのだが、今回は30人以上も参加者がいたり銭型雷の撮影と脚本書きがあったりで手紙は書けなかったので、一人一人にコメントすることになってしまった。で、その時に選抜メンバーで撮影した仕上げ途中の映画をみんなに見せたんだけど、これは嫌だったなあ。仕上げ途中のものを見せるのは、仕上げスタッフ以外では本当に嫌。スポンサーなんかでも嫌なときがある。みんな普通に映画見るつもりで観るからね。まだ音が入っていないカットが多かったりするので『間』とか全然変わりますからね。仕上げのことが確りわかっているプロデューサーならいいけど、そうじゃないと「この間長いんじゃない」とか言われたりすると本当に腹が立つ。「そこは音楽を入れるから大丈夫なんです」と言ってもなかなか通じないことが多い。今回は、そういったチェック試写ではないが、やはり大半の参加した役者たちは編集のこととかたぶんわからないので下手糞な映画だと思ったに違いない。会社の人が仮に繋いでくれた繋ぎも酷かった。ただシーンを並べてくれるだけでよかったのに、芝居部分を変なアクション繋ぎとかしているので、あり得ない編集になっている。これを直すのは2度手間になってしまう。これはやはり、お金を少し出してもらっていつものスタッフの手を借りなければならないかなあ・・・。こっちの仕上げも頭が痛い。いや、中々出来が上がりがよくなりそうなので、このままの状態になっているのが勿体無いのだ。

 その後、参加メンバーと呑みに行くがこういう飲み会も実は苦手。いや、くだらない話で盛り上がるのは大歓迎なんだけど、飲んで演技論やら映画論を話すのは本当に意味がないから嫌なのだ。飲んで映画論を戦わせて電車がなくなって無駄な時間を過ごすなら、家へ帰ってマキノや山中貞雄や小津をどのシーンでもいいから数分でも見る方が余程身になるのだ。若者たちよ、時間は待ってはくれない。あっと言う間に中年になって脳みそが衰え始めるので酒を呑むより映画を観て勉強しましょう。そうでなければ好きな女の子を口説いたり、カラオケ屋で歌って脳みそ軽くする方がましですよ。

| | コメント (0)

沖縄キャンプ最終日 2月25日

_034 _030 _029

沖縄最終日は北海道日本ハムファイターズとのオープン戦で締めくくるはずだったのだが、残念ながら雨で中止。去年も同じように中日戦が中止でホテルもチェックアウトしてしまい、夜の飛行機まで随分もてあましてしまったが、今年は2時30分頃から晴れてきたので、宜野湾のトロピカルビーチに行ってつかの間の沖縄の海を堪能する。思えば今年はずっと野球漬けで一度も海を見に行かなかったのだ。トロピカルビーチはホテルから徒歩で5分くらいのところにある人工のビーチだが、晴れ間の太陽が照らし出す海はマリンブルーでここが南の島であることを改めて思わせる。休暇らしい休暇はこの日だけだったかもしれない。ビーチのスピーカーでは地元のFM局が流れ、妻と共にベンチに座って波光を見ながら地元のPOPS曲を聴いていると疲れも癒される気分だ。

 ただ、晴れ間の方もつかの間。沖縄の春は天気が変わりやすい。空港へ向かう頃にはまた雨が降り出してきていた。20時10分発の全日空で羽田へ戻ると一気に冬に逆戻りの気温。現実に引き戻された感じだ。日曜はすぐに仕事なのだった。

| | コメント (0)

2006年2月26日 (日)

沖縄キャンプ 嘉手納の2軍戦

 この日は、朝から雨模様だったので、ホテルの部屋からのんびり選手たちの出勤光景を見ていた。どうやら外での練習はなさそう。雨そのものは10時前には上がったようなのだが、この日の昼がキャンプの打ち上げとあって、室内練習場のみの様子。しょうがないから、嘉手納の方で午後から行われる2軍の湘南シーレックスと、やはり沖縄でキャンプをやっている韓国のSKウエイラーズと言うチームの練習試合を見に行く。この試合そのものの開催も天候不良でどうなるかわからなかったので、広報の八木さんに聞くと丁寧に嘉手納に電話アポをとってくれて、試合開始が30分早まったことを教えてくれる。八木さんは昨秋から広報に配属された美人広報だが、丁寧な対応に恐縮してしまった・・・。

 嘉手納は宜野湾からさらに北へ上っていったところにある小さな町で、タクシーで約20分ほどのところにある。球場は古いけど妙に落ち着く。到着するとブルペンで牛田と相手チームの投手が投げていて、新任の中根コーチがじっと相手投手を観察している。試合開始直前、守備練習をしている選手のところへやってきた中根コーチが「真っ直ぐは145普通に出ている。球種はスライダー、カーブ、チェンジアップ」と伝えていた。中根コーチも昨日書いた波留コーチと一緒で今季からコーチとなった98年のV戦士の一人だ。中根コーチもまた、今までになかった空気をチームに運んできてくれていた。とにかく元気で、声が出る。明るい。「気持ちいいのが観たいぞ!まず1点取ろう!」が口癖。研究熱心で、代打策も常に相手投手との兼ね合いなので交代のタイミングを図っている。なかなか頼もしいコーチだ。試合の方は2-1で負けはしたが、中根コーチが去年スカウト時代に見出した新人内藤のプロ入り初ホームランも見られたからよかったか・・・。1軍から助っ人で来た小田嶋選手も3安打と絶好調。これから始まるオープン戦が楽しみだ。個人的には1軍で、波留、中根両コーチの姿が早くみたいなあ。

 

| | コメント (0)

« 2006年2月19日 - 2006年2月25日 | トップページ | 2006年3月5日 - 2006年3月11日 »