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2007年4月 2日 (月)

ポール・バーホーベン「ブラックブック」

http://www.blackbook.jp/

次の打ち合わせが5日か6日に決まったので、今日チネチッタまでポール・バーホーベンの「ブラックブック」を観にいく。いやあ、これは大傑作ではないかなあ。オランダに帰ってバーホーベンもやりたい放題と言うかなんと言うか。
 映画は、60年代にはよく造られていたヨーロッパ製の戦争サスペンスアクション。アメリカ映画だと兵隊が戦争映画の主な主人公になるのだけど、ヨーロッパ映画では対ナチに対するレジスタンス、パルチザンが主人公になる場合が多い。これも、そうで、ナチに潜入する女スパイと人道的なナチ将校の恋愛劇などと言うアメリカ映画的なサスペンスロマンの香りもしないではないが、内容は『仁義なき戦い 代理戦争』のようなひたすらにバイオレンスと息をつく間もない裏切りに次ぐ裏切りの連続、味方の中に敵がいて、敵の中にも味方がいて、と思っていたらそいつもやはり敵で、と言う凄まじいまでの裏切り映画。それにウンコだとかゲロだとかのバーホーベン臭たっぷりの下品な演出が施されている。
 とにかく、キャスティングがいい。オランダ映画ならではのヨーロピアンローカルな顔をした俳優が隅々まで固められているのがリアリティを生んでいるし、どこかYに転んだ(黄色を帯びている)画調がいい。霧の中の河を渡る船とかはジョルジョ・フェローニの「生血を吸う女」のオープニングみたいな感じだ。だが、やはり秀逸なのは脚本だろう。後半矢継ぎ早に来る怒涛の裏切りとどんでん返しの連続は確りと伏線が張ってあって組み立てが巧い。ちょっと後半性急過ぎる感がなくはないが、最後に霊柩車に乗せた棺おけで逃げる極悪野郎を追いかけて・・・なんてところは、ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』そのもので、映画の活劇性を思う存分楽しませてくれる。
 
 一応、戦争ロマン映画と言うことでチネチッタには年配のお客さんがたくさんいたが、バーホーベン演出をどう思ったんだろうね。今のところ今年イチオシの映画です。

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