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2007年6月

2007年6月28日 (木)

ケータイ刑事 銭形海 本編集

 朝から緑山スタジオにて本編集。今朝は奥さんの運転で送って貰う。自宅から緑山までの所要時間はおよそ70分。電車だと90分はかかるから車の方が速いかな。

 編集の方は順調に、いつも通りに、滞りなく。今回はカットバックの多用とか、視線の交錯による活劇性とか、普遍的な演出の方法を模索してみました。地味ですが、役者が妙な動きをせずとも物語を円滑に、あくまで物語の有用性を16:9の画面の中にどうやって納めていくか、運動させていくかに拘ってみました。いつもより脚本がシリアスな展開なので捕り物のパーマネントが浮かないように注意を払いました。

 編集が終わった素材を見ていたが、今回は中々いい出来だったので嬉しかった。草刈さんのバーボン刑事の軽さが素晴らしいです。もう20年来のお付き合いになりますが、僕にとっては、永遠のスターです。

 夕方からは恵比寿の某社に行って、初めて会うプロデューサーの方と打ち合わせ後帰宅。

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2007年6月25日 (月)

サッドヴァケイション

 渋谷の試写室で昼から「サッドヴァケイション」を観る。今年は中田秀夫監督の「怪談」という傑作もあるが、もう1本ここにも傑作が生まれたと言う感じだ。
 青山監督の映画を観ていていつも思うのは、最初のワンカットから「映画」ならではの時間が流れ始めるところが素敵だなあと思うのだけど、今回はそれに増して深く重たく残酷な、それでいて中々笑えたり出来るという、つまりは堂々たる「娯楽映画」として2時間以上の時間を楽しませてくれる点がいままでの作品の中でも群を抜いていたのではないか?と思った。前半は、犯罪映画風に始まるところがカッコイイ!まるでサミュエル・フラーの映画みたいに興奮させられる。かと思えば、ワンシーンワンカットで撮られた光石研の芝居で物凄く笑わせてもらい、健次の「ヴァケイション」を一緒に体験していくことになる。この擬似家族構築のシークエンスが停滞することなく、的確なカット攻勢で澱みない演出で捉えられていくところが美しい。やがて、健次は目覚め「サッドヴァケイション」は終わり、秩序は壊れるが母親のあまりに強大な力が「暴力」すらも無化して行く。しかし、この母親の存在は僕には『救い』と言うより何か、こう「スペースバンパイヤ」のご神体宇宙船のようで、強大な邪悪さと神聖さを伴って怖かった。

 僕は、車内の見た目の風車が回る道を走るカットから引き込まれてしまったのだけど、いつも映画を見るときに気にしてしまう手法と言ったものの存在が全然気にならず、ドラマに引き込まれ、芸達者な役者たちの芝居に引き込まれていくのは、監督の力量ゆえであろうと思う。特に短い出演場面ながら、ワンシーンワンカットで撮った光石研と斉藤陽一郎の芝居が秀逸でかなり笑わせてくれる。このシーンだけでもお金を払う価値はあるかもしれない。
 その後も、現代映画スター勢揃いといった感じの中盤は、実に的確にそれぞれの俳優が役を自分のものにしていて、宮崎あおいもオダギリジョーも過不足のない役割をコツコツ演じているのが素晴らしい。誰一人「俺が」「私が」を俳優自身が見せないのがいい。このあたりは監督との信頼関係もあろうが、若手の監督には出来ない芸当だろう。見事な俳優のアンサンブルだった。それでいて、全ての役者に見せ場がありきちんと「決め」は的確な「クローズアップ」で撮られている!当たり前のことだが、当たり前のカットが邦画には少なすぎるのでこの映画のカット割りは的確なのだ。

 映画的という言葉は安易には使えないし、難しい言葉だと思うがこの映画は「純度100パーセントの映画」だと思うし、立派なエンタティメントだ。
秋からシネマライズ渋谷で公開されるので、是非観てほしい映画だと思う。

今年は「サッドヴァケイション」と「怪談」があれば邦画はもういいかな・・・とさえ思った梅雨の1日であった。

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2007年6月24日 (日)

ワークショップ3日目

 テーマがテーマだけに重苦しいワークショップだった。ただ、今回も一つだけわかったことがある。
 「メソッド」と言うのは演技者の達成感はあっても、演出する側にとっては「知ったこっちゃない」ことの方が多いと言う事だ。役者の「気持ち」なんか、役者にとっては大事でも、観ている観客にも演出しているこちらにとっても「知ったこっちゃない」のだ。むしろ、的確に最小限で何を表現し得るかをその中で掴んだ方がいいと思うのだ。
 
 この3日間やったことって、「巨人の星」で星一徹が伴宙太に大リーグボール3号を打たせる為にベンチの奥で逆立ちさせて力みを抜いていた、そんな行為だったように思う。

 ただ、当たり前のことがいろいろと見えてきて、「対話」と「活劇」と言うことを重く感じるワークショップではあった。

 さて、この三日間の経験を元に7月頭にショートフィルムの撮影に入ります。内容は面白そうでっすよ。全然別のベクトルからやりたいことは沸々と沸いてきました。

 そう言えば朝一には『銭形海』の2話のCGチェックをしたけど、中々古田君頑張ってくれています。いつもとは違うリアルさを少しでも出せるようなオーダーなのでちょっと大変だと思います。

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2007年6月22日 (金)

ワークショップ1日目

 今日から俳優事務所「アプレ」のワークショップ&ショートフィルム創り。その1日目。毎年1回はやっているもので、今回は今書いているプロットに即して「虐め」をテーマに入れてやっていく予定。本日は、大体の構成を2人組になった役者と個別に話して芝居の方向性を決めていったのだが、中々面白かった。やはり『虐め』と言うものがテーマになると皆が饒舌になって、それぞれ思うのところもあるのだろうが、ディスカッションがいつも以上に円滑に進んだ。これで明日からの芝居が楽しみだし、今考えている企画の参考にもかなりなりそうだ。基本的には「娯楽映画」を目指すところが、ワークショップとは違うが、「今自分に関係ないものには興味を示さない」観客層をいかに取り込んでいけるが、しかもそれが単に小手先のものではなく、地に足のついたものにしていく為には、どう取り組んでいくのか?その為にもいろいろ模索していく必要があるので、それがこうしたワークショップを通じて脚本作りに反映されれば、自分の仕事がバラバラなものではなく、ある一貫性を持っていけるのではないかと期待している。

 今回は少数精鋭で結構大変な部分もあるが明日と明後日の芝居作りに期待はしています。

 夕食後は「銭形海」の編集上がりを観ながら修正箇所を書き出していく。結構纏めてくれてはいるが、もう少し芝居の間合いをつけて、尺調整では大きくバッサリ落とすことに決める。芝居の間合いの編集と言うのは前も書いたけど、短くカッティングしていくからテンポが出るのではなく、緩急をうまく使わなくては行けない。でも、カメラの矢崎君が頑張ってくれたおかげで中々綺麗な映像が撮れていたのでちょっとほっとしている。あとは、今回拘る視線劇としての活劇をどこまでやり切れるかが僕の演出的なテーマなので、そのダイナミズムを1,2フレの限界値で拘って行こうと思う。特に「銭形海」は2回目なので、初回の小中さんが打ち上げたロケットをうまく軌道に乗せていく役目なので頑張らなくては・・・。

 

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2007年6月20日 (水)

只今帰宅

 午前中はソフトバンクホークスの多村選手のPVインタビュー撮り。自宅から、宿舎のホテルまでの車の中でのインタビュー。球場でユニフォームを着たときよりずっと砕けた話で、役30分間多いに盛り上がる。プロ野球選手と野球談義ができるなんて夢でしたよ。本当に。
 これで、約1日半の撮影は終了。7,8月配信分まではなんとかなりそうだ。

 帰って、気持ちを入れなおしてプロット書きに戻らねば。

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多村選手PV撮影

14時に関内でスタッフと待ち合わせして、横浜スタジアムで多村選手PV撮影。今日はうちの奥さんがインタビュアですた。横浜スタジアムには行き慣れているけど、グラウンドに降りて撮影と言うのは、ホークスの本拠地福岡ドームとはまた違った格別の感慨がある。
 ところで僕は横浜ベイスターズのファンでもあるわけですが、今日はまじでホークス応援しちゃいましたね。しかし、結果はベイスターズの、それも吉見の完封と言う散々な結果に。試合前にインタビューとっておいてよかった。
 インタビューの中で多村選手は「対戦したい、一番の投手は吉見。理由は家が近いから(笑)ってわけじゃないけど、本来はエース級のピッチングして欲しい投手だから」と言う事でしたが、この日は練習中から「打撃の調子があまりよくない」と言っていました。
 明日も朝から車内インタビューです。
 明日は、多村選手のトレード相手の寺原投手がマウンドへ上がる予定。前回の雪辱を果たして、なんとかレフトスタンドにホームランを叩き込んで貰いたいものであります。

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2007年6月19日 (火)

クランクアップ

今日にて「ケータイ刑事銭形海」2話のクランクアップ。今回は長かったなあ。撮影日程が飛び飛びだっただけなんだけど、それでも考える時間が多くあったのはよかった。
 今日はとにかく全カット視線劇に拘って演出。昨夜は寝る前に成瀬「女の中にいる他人」を参考に観たりしたせいもあってか、かなり渋いけどサスペンスフルな視線劇に挑めたのではないかと思う。ただ、この演出地味なんだよなあ。前にも書いたけど、以前はケータイ刑事を撮る時は「如何に楽しんでいただけましたでしょうか?」と言うコテコテにサービス精神で、結構ギミックな撮り方もしていたのだけど、今回はとにかく丁寧にオーソドックスに、それでいてミステリの中の視線劇と言うことに拘って演出してみたので、それがどうなっているかとても楽しみだ。まあ、基本はトンデモ推理ものなのだけど、今回はそれをいかにリアルにやってみるのか?「女の中にいる他人」ほど陰鬱なものにはなっていませんが、それでもかなり緊張感はあると思う。

 と言うわけで帰ってきたらHDDレコーダーのハードディスクが飛んだ様子で、明日の多村選手PVの段取りもきちんと出来ていないようだし、なんかどっと疲れが出た。

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2007年6月16日 (土)

PC熱過ぎ

 朝からずーーーっとパソコンの前でパチパチプロットを書いていたら、いつの間にか汗が噴出してきて、辟易する。
 輸入PCゲームをやるために入れている、「NVIDIA GeForce 6200」 と言うビデオカードが中途半端なスペックの癖にやたらに高温になってしまう。コア温度が61度は許容範囲らしいけど、マシンにとって許容範囲でも僕にとっては許容範囲ではないので、デスクトップは諦めて、フラッシュメモリに原稿を入れて、ノートで家の中を部屋から部屋へと涼しい場所を探して放浪しながら書く。

  まあエアコンいれりゃ済む話なんだけど、今日は空気も乾燥していてPCの前にさえいなけりゃ耐えられる温度なのと、今から暑がっていたら、猛暑と呼ばれる今年は乗り切れないだろうと言う判断。
 さすがに夕方になると涼しくなってきたが、今日は能率の悪い日であった。20インチの横長液晶モニターも暑くなる原因の一つなんだよなあ。 PS3が欧米とリージョン統一されたから、もうPCゲームやることもあんまりないし、インターネット環境での映像ダウンロードにはPS3使えるようになるだろうから、次からPCはもうできるだけ簡素なものにしようかなあ。ただ、無線LANがまだ時折切れる時があるからPS3だけでの接続環境はまだ早いだろう。

 来週は「ケータイ刑事銭形海」撮影残~「多村仁選手PV」撮影。そういえば今日から九十九里で田沢君の3話も撮入したようだが、熱中症には気をつけなきゃね。撮影の無事を祈っております。

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怪談新耳袋 試写

怪談新耳袋 絶叫編 右 DVD 怪談新耳袋 絶叫編 右

販売元:キングレコード、ビーエス・アイ
発売日:2007/07/11
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 妻が出演している「怪談新耳袋」の最新作試写を観に、夜から、五反田のイマジカへ。今回は50分の中篇2本。中々現場は大変だったと聞くが、ドラマの方は2本共に中々力作だった。村上、三宅両監督は限られた条件の中で本当に頑張ったと思います。このシリーズもこれでまた新しい方向性が見えてきたというか・・・、実話心霊タッチではないタッチに持っていったのが成功の要因ではないかと思う。主役の小出早織ちゃんは、かなり嫌な女と、可愛い女の2役を演じていますが、この悪役っぷりが中々素晴らしかったと思う。DVDの予約も、前作の遥かに上回る数字で(これはちょっと悔しい)、「銭形雷」のDVD売り上げも好調だったし、明日から「舞妓Haaaaan」も公開されるし、小出早織どんどん来ていますね。どんどん売れて欲しいものであります。
 試写の後は、妻と共に打ち上げにお邪魔。スタッフも照明の木村さんは「学校の階段」で一緒だったし、撮影の伊藤さんは「先生道」で一緒だったので、屈託なく話が出来た。あと、三宅組の脚本を書いた鈴木卓爾とは僕が初めてチーフ助監督務めた黒沢清「奴らは今夜もやって来た」の現場以来の再会で、彼が美術助手として参加していたのを僕も覚えていた。だって、瀬々さんの『雷魚』なんかでも顕著だったようにかなり個性的ですから・・・顔が。そう言えば今日の打ち上げでは長宗我部さんと共に「デメキング」の主役コンビが並んでいましたな。彼も去年「こわい女」で話題になりましたね。小出早織ちゃんや原作の木原さんも礼儀正しく挨拶に来てくれて、中々楽しい打ち上げでした。

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2007年6月14日 (木)

ケータイ刑事 銭形海 舞台化決定!

ケータイ刑事 銭形海

      「BS初!ついに舞台だ!~超豪華!演劇者殺人事件」



      【出演】

      大政絢

      草刈正雄

      大堀こういち

      林和義

      遠山俊也

      宝積有香

      諏訪太朗

      重松隆志

      迫田孝也



      演出:丹羽多聞アンドリウ

      作:林誠人

      音楽監督:遠藤浩二

      プロデューサー:小板洋司(ドリマックス)

      主催:BS-i ドリマックステレビジョン

      協力:NTTドコモグループ アックス



      チケット:全席指定 4500円

      チケット一般発売 2007年6月16日



      る・ひまわり TEL:03-3585-3478

      http://www.le-himawari.co.jp



      チケットぴあ TEL 0570-02-9999

      (Pコード378-139)

       0570-02-9988(オペレーター対応)



      イープラス http://eplus.jp/(パソコン&ケータイ)




      赤坂RED THEATER

      7月21日(土)―7月29日(日)

            7月
           21日(土)
           22日(日)
           23日(月)
           24日(火)
           25日(水)
           26日(木)
           27日(金)
           28日(土)
           29日(日)

            13:00
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            19:00
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      追加公演は未定



      ※開場は開演の30分前です。

      ※未就学児童のご入場はご遠慮いただいております。

      平日追加公演の可能性あり!

      スペシャル日替わりゲスト!

      水野晴郎(7月21日(土))

      森田正光(7月22日(日))

      国広富之(7月27日(金))

      金剛地剛志(7月28日(土)) ほかゲスト多数

    



      演劇人だけが殺される!という殺人事件が発生。

      赤坂REDシアターに捜査で来ていた海は、舞台上で新たな殺人事件に巻き込まれてしまう。

      舞台は、観客も容疑者となる「客席参加型舞台」として展開!!



      お問い合わせ:る・ひまわり 

      ℡03-3585-3478


と言う事だそうでございます。夏は赤坂に集合ですね。

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2007年6月13日 (水)

割り本作り

  助監督から割り本の催促が来たので今日は割り本作り。その前に、1話目の編集上がりのビデオが届いたので、捕り物部分を参考に見る。今回はライブで結構やらなくてはいけないので、僕の回でも試行錯誤いろいろ実験しなくては。という訳で午前中は割り本作り。次の撮影はまだだから油断していたら、その前にもう次の回の撮影も始まってしまうようで、本当は今日、明日は映画のプロット書きにあてるはずだったのにと思いながらも、今回は目線の演出で後半部分を撮る事に決める。

 「ケータイ刑事」は謎解き以降の部分がどうしても「銭型の謎解きの台詞」~「回想」~「また謎解きの台詞」と、言った具合に芝居から動きを奪ってしまって、ともすればモーションピクチュアとしての醍醐味に欠けてしまう恐れがあるので、今までは、回想と謎解きをワンカット表現してみたり、背景を合成させてみたり、少しでも「台詞」だけで、役者が止まってしまわないように工夫してきたのだけど、今回はちょっと目線劇のような形を演出できないかと、成瀬の本を読んだり、「乱れる」のワンシーンを見たりいろいろ考える。実は市川昆監督による金田一耕助シリーズのカット割をそのままやってみたりしたこともあったのだけど(銭形零)、本家本元に「犬神家の一族」をリメイクされたいまとなっては、石坂浩二の動きをケータイ刑事にさせるわけにもいかず、今回は地味ながら確りと地に足の着いた推理劇を組み立てていけないかと工夫する。今回は犯人の人間関係もひとつの重要なファクターになっている部分があるので、それなら成瀬はなんらか参考にならないかと思って見たのだけど・・・素晴らしすぎて・・・。ただ、もう一度思うことはあった。映画やドラマのテンポと言うのはカットが細かかったり、台詞と台詞の間を摘んで速いカット繋ぎにしたりすることが「テンポを出す」ことになると勘違いしている人もいるようだが、これは明らかに違うと言うこと。特に編集の間合いは芝居をいかに生かすかによって決定されるわけで、芝居が巧くない人のテンポを出す為に「間」を摘むと余計に台詞の音のリズムが壊れてしまう。そのあたりは、芝居の巧い人たちの映画を観ることによってしかいまや学べないが、こうした仕事を積み重ねていく中で、少しづつではあるが分かってくることもあるし、その為に映画を観ることで学ぶことも多い。

 しかし、改めて一番感じるのは「撮ったものよりよくなる編集」と言うものはやはりなくて、撮ったものが駄目だからカット繋ぎで誤魔化そうと言うことを考えるなら演出でやはりなんとかすべきなので、今日のような作業は極めて映画やドラマにとっては重要であると思う。

 つまりやはり何を撮ろうとするかだ。

 早朝から割り本作りに専念できたので、昼から奥さんの車で緑山スタジオまで割り本を届けに行く。うちから緑山は川崎と横浜なので、実はそんなに遠くなかったと言うことに気がつく。思った以上に速く帰れたので、夕方からプロット書きに入る。

 夜は野球観戦。ナイスゲームでした。

 

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2007年6月11日 (月)

清水宏 「簪」

恥ずかしながら清水宏を見ようと思ったきっかけは、山田宏一氏「エジソン的回帰」を読んだ頃と数年前にフィルムメックスで特集上映されたことによるものだが、この時は結婚の時期と作品が立て込んでいて「母情」という戦後のプログラムピクチュアを1本観ただけに留まったが、初めて見るその演出技法と、編集の妙に随分と興奮させられた記憶がある。だが、現在ソフト化されていたビデオは廃盤となり、AMAZON中古で高価な値がつくものしかない。その清水宏の特集が7月からシネマヴェーラで有ると言うニュースは僕を小躍りさせたが、その前哨戦とも言う上映がラピュタ阿佐ヶ谷であった。「簪」という映画の上映である。

と言うわけで撮休の今日、『簪』を見てきた。映画が始まって驚かされるのは、最初のカットから7カットまで全てトラックバックカットという躍動感あるオープニングだ。最初は引きのトラックバックで、杉木立の中を巡礼の格好をした人々が来るところを縦の構図で捉え、次いでその一団から少し前方の方を歩く田中絹代のワンショットのトラックバックとなり、以下「団体旅行の湯治」に来たことを簡単に説明させる為の会話に、ツーショット、ワンショットの交互のカットが全て移動ショットで撮られる。で、最後に宿へ入っていくという説明カットがあって、次のカットは今度は長い横移動のカットで、廊下~部屋~縁側をワンカットで捉えて最後に田中絹代たちをまた捕らえる。縦のトラックバックが続いていたので、この横移動の長さにはまた結構度肝が抜かされる。このオープニングだけでも、映画は弛まない運動によって始まるべきということを思い知らされるのだ。

だが、驚くべきことに、映画はここで田中絹代の視点は外れ、斉藤達男の視点へとばっさり移ってしまう。この時初めてカメラはフィックスとなり、浮動していた田中絹代たちは棄てられてしまったかのように映画から除外される。ここが演出的にはとても重要なのだ。映画は斉藤達男と笠智衆など、長逗留の客たちのギャグっぽい話に移っていくが、この時の人物の出し入れがまた秀逸なのだ。

そんな中で、笠智衆が露天風呂の中で1本の簪を踏みつけ怪我をしてしまう。これは「情緒的だ」と、面白がる斉藤達男たちは持ち主の絹代に連絡すると絹代は駆けつけるが、温泉宿は東京の旦那の下へ帰りたくない絹代を含めた一種のユートピア的な場所へと変わっていく。だが、絹代がやってきたことで、湯治客たちの男女の人数構成に変化が出て、部屋割が微妙に変化し、段々そこは不快な場所に変わっていく。

ここでもう一度視点が大きく変わる。なんと、それまで主演のように物語を進めて言った斉藤達男があっと言う間に映画から姿を消してしまうのだ。それも子供の日記の文章で示されるだけだ。やがて、1人、1人ユートピアを構成していた人々は子供の日記によって去っていくことがわかり、絹代と淡い恋の関係になるかもしれなかった笠智衆までもが、たった1枚のはがきで去ってしまったことがわかる。しかも、田中絹代を除いた人々は東京で再会して新しいユートピアを築いたことが分かるという残酷な構造。

人々との別れのシーンを描くことなく、日記や手紙によって説明するだけで、映像が最後に描くのは雨の中、思い出の場所を巡って歩く孤独な田中絹代だけだ。彼女が露天風呂に簪を落として言ったように、田中絹代は人々に落とされ、忘れられようとしている。こうして東京へ戻る場所もない絹代の絶望を映して映画は終わる。

現在の物語の技法から言ってもかなり大胆で、しかも観る人間の心を突き刺すその才能は清水宏ならではのものではないかと思う。

かなりの傑作を堪能したので、7月からのシネマヴェーラは楽しみだ。

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2007年6月 9日 (土)

ケータイ刑事 撮影快調!

朝から桜田門にて警視庁実景。『入電中』の画面の実景でそろそろ切り替えようかと言うことで、これから夏の間に使うバージョンを数パターンほど撮って三崎の突端まで移動して、殺人回想シーンや、出ました「謎は解けたよ!ワトソン君」を撮る。
 今回の脚本は加藤淳也君。彼は大のミステリファンなので、2回目の海は結構本格ミステリ風味でギャグは殆ど軽めです。バーボンのキャラのみコメディタッチだけど、内容は結構シリアス。島田荘司風のある意味トンデモトリックものなのですが、周りのキャラ造形やキャスティングなどかなり真面目な印象で、「銭形愛」の初期を思わせるものになるのではないかと思います。そういった意味で、僕も今回は特に奇を衒うことなく、確りとした構成の画面作りに励んでおります。 いかに普通に撮って面白いものにするのか?思いつきや閃きではなく、地に足の着いたジュブナイルミステリを心がけております。まあ、いずれ奔放な内容のものがどんどん飛び出てくると思うので、小中さんの撮った初回も結構シリアス路線らしいし、僕としてはチーフディレクターの路線に乗って最初の数回はきっちりとしたものをお届けしようを思っています。何より丹羽さんが「海」はシリアス路線で行くと言ってらっしゃいましたからね。

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 写真はカメラマンの矢崎君。彼とは「銭形泪ミュージカル編」や「銭形零シリーズ」で組んでいて、2年半ぶりの「ケータイ刑事」復帰です。女の子を可愛く撮ってくれるので助かります。

 このように現場はかなりチームワーク良く、アットホームな感じで進んでおります。

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2007年6月 6日 (水)

日焼けは辛い

 午前中に8日撮影分の割り本を作り、昼過ぎに助監督に武蔵小杉まで取りに来てもらう。本当はこの撮休もいろいろ動きたかったのだけど、昨日日焼けし過ぎた首の周りと額が高熱の時みたいに燃え上がるように熱く痛くなって、辛いので助監督に割り本を渡したあとは、薬局で「冷えピタ」を買い、額と首の後ろに2枚ほど貼って自宅作業&「DVD」鑑賞。
 本当は、青山からシャブロルの「石の微笑み」が大傑作であると言う話を聞いたのでどうしてもシャブロルが観たくなったけど、まだ公開まで数週間ほどある。何か他に観ようかなと思うが、川崎で観たい映画が一本もやっていない。結局HDに録画してあった、三隅研次の「婦系図」と韓国映画の「カル」などを観る。
 夜に入ってようやく少し楽になってきたけど、ヒリヒリして身体全体が火照ったような感じは消えない。

 6月の紫外線は真夏より強いそうで、こう言う時期の海辺の仕事は気をつけなくてはいけませんね。1日日焼けに苦しんだ日であった。

 明日は「学校の階段」ラストイベント。明後日朝から撮影なので、ちょっときっついけど頑張ります。

 これが青山真治大絶賛のクロード・シャブロルの「石の微笑み」http://eiga.com/official/ishinobisyo/cast.html

 

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クランク・イン

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昨日は

朝6時40分に逗子駅で制作の岡安君と待ち合わせして、湘南の海で終日撮影。しっかし、天気予報と違って天気は頗る良好だったのでかなり日焼けしてしまった。もう、お風呂へ入ったら全身ビリビリと痛いですよ。 で、朝起きたら全身火傷みたいに身体が熱を持って、シーブリーズ体中に塗りたくって冷ましています。
 今回の大政さんは北海道の同郷人なので、何かとても親しみやすくて、同郷人の先輩風を吹かせてしまって、ついつい乱暴な口になってしまいます。でも、彼女はとても勘が良いので演出は楽です。何より非日常的な美人なのが素敵です。これからどんどん羽ばたいていって欲しい女優ですね。その才能はかなりあるんじゃないでしょうか?美人な点も含めて・・・。

 それにしても変速日程のおかげで、いままでケータイ刑事を撮ってきた中で一番時間をかけられるのが素直に嬉しいです。別に何か奇を衒ったことをしようと言うのではなく、普通に撮ることの難しさを実感しております。

 夜はロケから赤坂に帰って恋日と銭形海の討ち入りを赤坂の中華料理屋で。今回は制作会社のドリマックス仕切りで、主に現場に貢献したスタッフの人たちが中心の討ち入り。これが中々の豪華料理。鯉の丸上げ、鱶鰭、北京ダック、最後はツバメの巣のデザートで、大政さんもジャスミン茶飲みながら、喜んで食べていました。事情があって丹羽さんは出席できなかったのがちょっと寂しかったかな。やはり名物の表彰式や挨拶が聞きたかった。僕は、小中監督や大政さんと映画の話をしたり3人とも水瓶座なのでそんな話をしたり、小中監督とは話し込むのは初めてで、『ウルトラマン』の話や黒沢清監督や万田邦敏監督など、立教大学の先輩たちの話なんかを楽しく話しました。

 と言うわけで今日は撮休。8日の撮影分のカット割をしなくては。でも体中が痛い!熱い!

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2007年6月 4日 (月)

明日からクランクイン

 いよいよ明日から「ケータイ刑事 銭形海」第2話のクランクインです。今回の銭形の相棒は草刈さんですが、毎年草刈さんと仕事が出来るのは本当に嬉しい限りです。今回のシリーズは海にちなんだ設定が多いので、明日も海岸のシーンの撮影です。カット割りは出来上がったけど、まあ、明日芝居を見たらいろいろ変えたくなるかな、と。今回は変則的なロケスケジュールですが、その分僕が考えたり、撮影にかけられる時間はいつもよりはとれるのでいいかな。ただ、まだ2回目なのでタイトルバックの一部を撮ったりとか、警視庁の外観を撮ったりとか、これからしばらく続くシリーズならではの慌しさはあります。スタッフも気心知れた人たちなので、それほどの不安はありませんが、やはりイン前と言うのは落ち着かないですね。

 気合入れてがんばろうっと! 明後日即撮休ですが・・・。

  しかし、「学校の階段」から3本連続して三浦半島ロケだ。 湘南ロケに拘っているわけではないのですが・・・。

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2007年6月 2日 (土)

川崎はかわりゆく

 午前中は割り本作り。
 昼食をとって、妻と川崎へ買い物に出かける。川崎も西口にラゾーナと言う大型ショッピングモールが出来てから、もともとの商業の中心部である東口には随分と人が少なくなった気がする。僕は、東京でもない横浜でもない煤煙とホルモン焼きと競馬場のイメージが残る、いかにも「町」と言う感じの川崎の猥雑さが好きだったのだけど・・・。だから僕らはまずは「さいか屋」へ向かった。「さいか屋」はいかにも昭和のデパートと言った趣が残る場所で、上階へ行くほど床がピータイルになったり、学校の床みたいになったりして中々楽しい。
 川崎が綺麗になっていくのは、実はそんなに嬉しくない。どこの街も同じ表情になってしまうのが嫌だからだ。 

 夜は、食事してからドラマのカット割を全てやり直し。昼に立てたコンテを全て覆す。遊びのカットを出来るだけ減らし、海の魅力的なカットとわかり易いトリックの説明を大事にした構成に変更。2話めは難しい。1話の監督が撮ったものを観られないまま、それでも視聴者にシリーズを好きになって貰う為にいろいろ工夫しなくてはいけないからだ。今回はとにかくしつこいくらいに説明カットを撮って、編集で落とすかどうかを悩もうかなと。その為にいつもよりカットが増えそう。シーズンの半ばに入っていくと、もう道筋は出来ているので、そこに乗っていくのか、外して遊ぶのかの選択余地がいろいろあって楽しいけれど、今回は余り遊べそうにない。
 多分かっちりしたドラマになると思いますよ。しかしこの構築の方が撮り方に凝って遊ぶより何十倍も大変だ。若い人はいろいろやるでしょうが・・・。

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学校の階段イベントと ワークショップ

 「学校の階段」も6週目に突入して、いよいよ来週で終わりですね。最終イベントとして、シークレットゲストのイベントやります。えー、ちゃんと階段部員の女の子もくるようです。

 6月7日(木)19時35分の回終了後 シネマート六本木

                                         です。

 それと、毎年やっているアプレ主催のワークショップ&短編映画作りも今月にあります。

最終的に短編映画作りをする「+1(プラスワン)」です。

ワークショップのスケジュールは5日間。
はじめの3日間は参加者全員がチームに分かれ
シーンを監督と作り、撮影、
4日目5日目にはさらに選抜メンバーでロケ撮影し
ショートムービーにする勝ち抜き型のワークショップです。

出来上がった作品は来年夏劇場公開する予定です。

開催日
6月22日(金)23日(土)24日(日)7月8日(日)
選抜メンバーのロケ撮影 7月4日(水)(5日予備日)

参加費
4万2千円
選抜メンバーのみ別途食費・ロケ地までの交通費がかかります。

締め切り
6月8日(金)

申し込み方法
[方法] 履歴書・写真2枚(全身・顔),80円切手2枚を同封の上、郵送。
[宛先] 〒150-0012 東京都渋谷区広尾5-19-1 4F「アプレ・俳優ワークショップ参加希望」T係
[電話番号]℡03-5475-7336
[HP]クアッド・エー http://www.quattro-a.com

 ちょっと高いですが、これには短編映画の製作費用も含まれているからだと思います。

 もし興味のある方は是非おご参加ください!

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