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2007年7月23日 (月)

インランド・エンパイヤ

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http://www.kadokawa-gardencinema.jp/yebisu/

  朝一から妻と2人で「インランドエンパイヤ」鑑賞。純度の高いデビッド・リンチ映画。マルホランド・ドライブとかでも感じていたけど、今日の映画が一番ケネス・アンガーを思わせた。「スコルピオ・ライジング」とかね。ローラ・ダーンの血で汚されたハリウッドストリートとかは「ハリウッドバビロン」のオープニングスチールを思い起こさせたけど、それだけじゃない。エドワード・ホッパーの絵画もデビッド・リンチに似ているよなあ。とか思っていたら、これは既に滝本誠さんが言及されていたんですね。60年代のアメリカ実験映画は大学の頃にまとめて観たけど、どれも興奮させられるものばかりだった。当時は札幌の駅裏8号倉庫と言う場所で、灯油ストーブのニオイを感じながら、自分らで16ミリフイルムを映写して観たのだけど、今日の映画も恵比寿ガーデンプレイスのような場所ではなく、もっとアンダーグラウンドな場所で観るべき映画だったのではないかと感じた。
 映画のほうは「ロストハイウエイ」でこれくらいやってみました・・・『お、結構反応いいな。じゃあここまでやってみようかな』と「マルホランドドライブ」を制作。『うんうん、客もここまでは着いて来てくれるか・・・じゃあ、次はもっとどっかんとやってみようかな』と言う事で『インランドエンパイヤ』と言う感じだったのではないかと・・・。 前2作に比べると、脈絡のなさ、物語の不可解さはさらに過剰になっています。
 いずれにしろ、リンチの映画は脈絡を追ってはいけない。そこに繰り広げられる事象をただ追って楽しめばいいと思っているので、その意味で3時間はあっと言う間だった。ただ、時折辻褄が合いそうになる仕掛けをしてあるのが曲者。そんなものを信じて脳味噌を物語に委ねると、また脈絡なくどーんと突き放されていく。これはそこを楽しむ映画なのだ。「ごおおおおおおお」と言う全編を覆う重低音のノイズと共にただ自分を預けてしまえばいい。 しかし、3時間はやはり長いかな。特に恵比寿ガーデンシネマは『いまどき』場内飲食禁止なので、3時間飲まず食わずは辛かった。それと、僕の隣に座ったおっさんが、映画が辛くなってくると「うーん」「ああああ」と唸り声を上げるのも煩かった。まあ、気持ちはわかりますが・・・。
 リンチ初見の人にはきついかもしれない。これを観る前にケネス・アンガーとか近代アメリカ文化を多少なりとも予習して、せめてリンチの「ロストハイウエイ」とか「マルホランドドライブ」は勉強してから観にいったほうがいいかも。

 純度が高すぎて脳出血の怖れはある映画でした。

 映画が終わって妻は恵比寿でエステへ。僕も寄り道して帰ろうかなと思ったが、なんだか風邪気味なのでいそいそと帰宅。湘南新宿ラインを使えば15分ほどで最寄駅まで帰れるというのは有難い。家に帰ったら風邪はさらに酷くなってきたようで安静にする。夏風邪なんか久しぶりだ。これもデビッド・リンチの毒が強すぎたかな?

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