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2007年8月 1日 (水)

清水宏大復活! 「東京の英雄」と「サヨンの鐘」

 2007062013401219 人に清水宏を観ろ観ろと薦めておいて風邪で全然観にいけなかった『清水宏大復活』ようやく観てきました。まあ、これからも一番観られなさそうなレアな2本立てだったからいいか。1本は無声映画時代の「東京の英雄」。冒頭の突貫小僧と土管と言う組み合わせから小津の「生まれては見たけれど」のようなコメディを想像したが、実は社会派のキレのいい活劇映画だった。母物とも言えるか・・・。無声映画とは言えサウンド版fだったんだけど、これはどうやら公開当時もこれだったようで、歌劇場面などの選曲が素晴らしい。「学校の階段」が75分で詰め込みすぎとか言われたこともあったが、この映画は61分で凄い詰め込み方をしている。とにかく冒頭の暢気な光景から後半の暗黒映画風味の演出から歌劇場面から怒涛の展開で楽しめました。
 もう一本の「サヨンの鐘」は戦時下国策の珍妙な映画だった。台湾の土俗的な民族高砂族の娘が李香蘭で、彼女がインディアンやアイヌ風の服を着た台湾の高砂地方の高地民族として登場してくる。冒頭10分ほど、ドキュメンタリー風にこの高砂族の風俗が描かれるのであるが、これがやらせなのか本当に高砂族なる人々がインディアンみたいな格好でいたのかどうかは不明。つまり野蛮な土民に日本人は言葉を教えて、名前を与えて、衣料や土木工事をやってあげてますよ。と言う紹介だ。まあ、簡単に言えば植民地支配なわけですが・・・。やがて、ドラマは始まり娘のサヨンの登場となるわけだが、この李香蘭が素晴らしい!もう、「アルプスの少女ハイジ」のように高原を歌い踊り、動物と戯れるのだ。それを清水宏はなんと、高原の足場の悪い道をトラックバックで延々と李香蘭に芝居をさせたうえで、唐突にミュージカルシーンに突入していくのだ。およそ、3分くらいの長回しのトラックバックで少年たちや動物と会話して、そこから♪♪♪。なんと言う大胆な手法だろうか?
オリジナルはハリウッド映画なんだろうけど、実に面白い。愉快だ。
 途中サヨンを巡って、戦地から帰還した若者同士が猟を競い合うアクションシーンの迫力。急斜面をロングで捉えて駆け下りていくと言うか転げ落ちていく若者たちの躍動感を演出する力は素晴らしい。「おまえら、戦争よりやっぱり女の方が好きだろ!」と言う素晴らしいシーンだ。
 全体的に物語性が薄く、単調な内容がちょっと気になるが、飽きてきたら李香蘭が歌ってくれるから別に宜しい。
 で、最後は物凄い唐突なラストを迎える。おいおい、そんなくだらない死に方をして国策映画でいいんかい?と言うラスト。でもエンディングは子供たちが湖の周りで何か素晴らしいものを見つけたらしいと言うことでよかったのかな?

 当時の日本がやはり他所の国で酷いことをしていたと言うことは如実にわかる映画ですが、でもなんとなく暢気な感じもあったな。ちなみに李香蘭は登場と同時に「あーーあああーーああーーー」と叫んで登場し、ちょっとターザンの風味も入っていたのであった。

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コメント

「サヨンの鐘」はミュージカルとしてならば観ることができる映画だと思います。明らかに国策映画で今となっては実に違和感の多い作品だと思います。万歳の部分や台詞もそうなのですが、一番違和感を感じたのは、登場人物の動き、例えば最後子供たちが鐘の音を聞く部分など、まるで軍隊の訓練でも受けたかのように、みんな動きがぴっちり揃っていますよね。

投稿: trefoglinefan | 2008年1月15日 (火) 23時31分

 僕もそう思いますよ。清水宏と言う監督の仕事しても決して出来がいいわけではない。ただ、描かれている鬼畜な植民地支配奨励映画としての部分はともかく、こんな時代に呑気に歌って踊るシーンがかなり面白い映画でした。このころマキノ雅弘監督による「鴛鴦歌合戦」とか「ハナコさん」とか結構ミュージカル映画は撮られているんですよねえ。

投稿: sasaki | 2008年1月16日 (水) 01時27分

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