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2007年11月20日 (火)

清水港代参夢道中

 先週10数年ぶりにマキノ雅弘の「清水港代参夢道中」を観た。明日の早朝も日本映画専門チャンネルで放送するので、改めて書き留めておこうと思う。

 「続清水港」のタイトルでも知られるこの映画は、実にくだらない物語だ。だが、突拍子もない映画でもある。題材は有名は「森の石松」。片岡千恵像扮する舞台の演出家が、散々やりつくされた「森の石松」の舞台公演の演出に不満を抱いて、ブチ切れてしまう。劇場の支配人の志村喬が「あんさんの好きなように新解釈でもなんでもええ好きにしなはれ」とか言うんだけど、頭のとんがった芸術家の演出家は納得できない。納得できないまま、オフィスのソファーでゴロッと横になりうたたねをするんだけど、ソファーから落ちた途端、なんとタイムスリップ!千恵像は「森の石松」になって、江戸時代にいるのだ。

 ここから「バック・トウ・ザ・フィチャー」的タイムパラドックスを使ったサスペンス喜劇になる。石松の千恵像は、自分がこれから殺されに行く「代参道中」の直前であることに気が付く。慌てふためくと、ヒロインが「それなら歴史と違うことをすれば死ななくてもすむんじゃありません」と、歴史にない恋太を伴った旅に出る。と言うのがメインストーリー。

 マキノが日本初のミュージカル映画「鴛鴦歌合戦」を撮ったのと同年に撮ったSF時代劇?の傑作なんだけど、昔の映画は本当に自由だったんだなと思わされる。しかも昭和14年と言う日本が戦争の真っただ中にいた時代に撮っているんだからすごい。

 初見は「調布映画祭」と言う小さな映画祭で、黒沢清監督を連れて観に行った時だが、黒沢さんはタイムスリップしたばかりの千恵像が、自分が石松になったことをいまだ信じられずに鏡を覗き込んで、片目の自分を見る芝居のつけ方が「四谷怪談」そのものであることとか、そうかと思えば「ここは清水、静岡か、急行なら4時間で品川へ帰れるぞ」と、軽~い芝居で右往左往する芝居に感心したと言っていたのを思い出した。

 マキノは素晴らしい。日本映画専門チャンネルを観られる方は朝の6時にタイマーをセットしてHDDにダビングでもしてぜひとも見るべし。

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