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2008年3月 9日 (日)

広川太一郎訃報に思う

 中学生の頃に「ダンディ2」と言う、ロジャー・ムーアとトニー・カーチス主演の探偵ドラマがありまして、この時にロジャー・ムーアではなく、トニー・カーチスの吹き替えをやっていたのが広川さん。すでに、口に合っていないアドリブと言う吹き替えはこの時に初めて知りました。「空飛ぶモンティパイソン」のエリック・アイドルより、こっちの方が僕には懐かしいかもしれない。
 加藤賢宗が声の仕事で実際にあったら、非常にまじめで神経質な人でとてもじゃないが「とかなんかいっちゃりして~」とか言ってくれそうにない雰囲気だったとか。

 いや、そのうちまとめて書きたいけど、僕ら洋画劇場世代にとっては吹き替えの存在と言うのは非常に大きかった。クリント・イーストウッド、ピーター・フォンダの山田康男、チャールトン・ヘストンの納谷吾朗、チャールズ・ブロンソンの大塚周夫、ヘンリー・フォンダの小山田宗徳等。小山田宗徳版の「荒野の決闘」は、ジョン・フォードの演出と小山田さんの吹き替えが絶妙で、実際の本編とはまた別の傑作が吹き替え版にはあったと確信します。だから、吹き替えの人がたまたま変わったりするとかなり違和感があって観ていられなかった。実は「真昼の死闘」は山田康男版がなかったのだが、これなんか随分不満だった。それと「ジョーズ」の最初の放映時の、ロバート・ショーの北村和夫、ロイ・シャイダーの滝田祐介と言う新劇名優たちの吹き替えが素晴らしかったんだけど、数年後キャスト変更されたバージョンには不満が残りました。
 
 僕は、デビッド・ニーブンの声や「奥さまは魔女」のナレーションの中村正さん、それにクリストファー・リーや「サスペリア」のCMの千葉耕市さんと仕事をしたことがあるけど、みんな、若い声優ファンは声優を目指すけど、そうじゃなくてまず新劇のお芝居を勉強してほしい。声優の学校に通うとみんな同じ声で個性がなくなってしまうと嘆いておりました。
 ちなみに、黒沢清監督はクリストファー・リーは千葉さんじゃなくて、家弓家正と言う宮崎駿の初期のアニメで結構活躍していた声優の吹き替えの方が絶品。と言うことで、自分が撮った資生堂のVPのナレーションに家弓さんを起用して、「クリストファー・リー風でお願いします。と言ったらやってくれたんだよ佐々木!」と、自慢してくれたのを想い出します。 そういえばアルトマンの「ロンググッドバイ」も吹き替えが絶妙で、これの冒頭のセリフを黒沢さんが良く真似してくれて、とても上手だったのを想い出しました。アルトマンのたゆっとした演出と森川公也さんが、誰に言うとでもなく呟くような独り言の台詞が実にマッチしていました。

 ちょっと余談になってしまいましたが、広川さんも含めて、映画と共に日本のこの吹き替え文化と言うものは語り継がれていって欲しいものだと思います。

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コメント

声優さん・・・・・。
今も味のある人は居ることは居ますが、
それでもほんの、一握り。


今、ヤッターマンやってますよね。
3悪の声優さんが今でも健在で、
多少の衰えもあるかもですがやっぱり名調子が健在なのが素晴らしいと思います。


表に出たがる声優さんも、キャラクターがウケたなりの活躍でしょうけど、
あんまりアイドルのような活躍されるのもこまりものですよね。

投稿: もっちゃん | 2008年3月10日 (月) 23時41分

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