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2008年4月6日 - 2008年4月12日

2008年4月12日 (土)

映画実写版「火垂るの墓」

ストーリーを既に知っている映画と言うのは、物語を脚本化する時点においてどういう芝居を組んでいるのか?またそのシーンが撮られているのか、が興味の主なものになる。ただ、こう言う一度アニメで映画化されたものを実写化すると言うのは殆どリメイクに近いものがあり、一方でアニメのファンからはどんな表現で実写化されようとも支持されにくい企画であり、そう言った意味では非常に冒険的な企画だったと言える。

 僕もおそらく、何も関わりがなければ観に行かなかったと思いますが、ある映画でうちの奥さんがカメラマンの川上皓一さんとご一緒させていただいた折に試写状をいただいた縁で一緒に観にいくことになった。

映画の方は、アニメ版より硬質な仕上がりになっていて、十分好感の持てる内容だった。この予算規模としては相当に頑張った内容の映画になっていると思います。70年代くらいまでは普通にあった日本映画のリズムが生きていて、決して急ぎ過ぎずゆったりとしたサイズのカメラと芝居の間合いで100分を見せてくれる。当初は心配された松田聖子も見事に戦争時代の人になっていて、「野菊の墓」以来久々に額を見せてそう悪くはない。結局この人は日本映画向きの顔なんだなあと思わせる。脚本の西岡琢也さんは主人公二人の悲惨な運命を「泣かせ」だけで描くのではなく、2人以外の新しいエピソードをいくつか書き足すことで戦争末期の狂った人間模様を描き出している点も興味深かった。何と言うか、若松プロや渡辺護の「戦争時代劇ピンク」などで描き出していた戦争で狂ってしまった時代の狂気を感じさせる。技術的に感心したのは音の設計だった。最近は音質こそいいが、音が綺麗過ぎて画面になじまない、そこに非常に違和感を感じる時があるのだが久保田幸夫さんの音響設計は見事で、同録の台詞の音が見事に広い画面の中に溶け込んでいる。音楽が少ないのも良かった。

この映画は故黒木和雄監督が撮る予定で、昔の黒木組のスタッフや役者が勢ぞろいして黒木監督のチーフ助監督をやっていた方が監督をなさっているが、カメラの川上さん、音楽の久保田さんらが若いころに関わっていたATG映画の、劇映画でありながらドキュメンタリーのようなそう言う匂いを復活させて、最近の黒木和雄映画ではなく70年代の黒木和雄映画のような映画を創っていたのが面白かった。

 

映画が終わってからは、甥が入院している元住吉の病院へ見舞いに行く。骨折が原因で高熱を発しているが未だに原因が特定できないので、とりあえずの抗生剤治療で恢復に向かっているが「痛み」と「発熱」がそれぞれ別の要因ではないかと判断する医者の説明を聞きながらちょっと心配になる。甥は高校球児でもあるので早くよくなってまた白球を追いかけてほしいと願う。

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2008年4月 7日 (月)

「東京少女」と「機械仕掛けのRQ」

夏帆ちゃんの映画ではなく、土曜日から始まったBsiのドラマシリーズ。これが中々面白い。1話目は安藤尋監督で、脚本は篠崎絵里子さん、主演は山下リオ。毎回違うシチュエーションなので、恋の話もあるし友情の話もあるけどかなり自由な設計の枠になっています。僕も来月撮るのですが、非常に楽しみです。その時に来るスタッフにもよるのですが、かなり自由に撮ることが出来る。主役の少女を魅力的に撮るってことでは「ケータイ刑事」も同じコンセプトなのですが、「ケータイ刑事」の場合は推理劇とコメディの要素のバランスが意外に難しくって小手先の遊びに嵌まってしまうと失敗することもある。まあ、失敗を恐れずにいろいろやることも重要だとは思いますが、一定程度のクオリティを残しながら撮るのは大変なことです。
 「東京少女」はラインナップを見る限り、かなり自由な空気が満ち溢れていて、どうやって面白い作品にしていくかと言うモチベーションが上がります。「ダージリン急行」みたいな幸福感を生み出せたら最高ですね。

 ちなみに安藤尋監督は「僕は妹に恋をする」なども撮っていますが、昨年撮った「機械仕掛けのRQ(レースクイーン)」と言うVオリがかなり傑作でした。こちらは脚本が斉藤久志でなんとなく90年代中盤のエロVシネが数多くの傑作を生み出していた時代の香りがします。斉藤久志にはもっと新作を撮ってほしいなあ。
 余談ですが、斉藤久志がぴあフィルムフェスティバルで2回目のスカラシップ作品を撮り終わった頃、斉藤と「ミッドナイト・イーグル」監督の成島出とかで、長崎俊一監督の日活ロマンポルノの企画を練ってクランクイン直前まで行ったことがありました。原作は近藤ようこ。当時僕が近藤ようこが大好きで長崎さんに勧めたことから始まった企画でした。斉藤久志が書いた脚本はかなりの傑作だったと思うのですが、いろいろと女優さんを決めていく中でのハードルが高くって企画が流れてしまった残念な作品でした。成島も「みどり女」とか8ミリ映画ではかなりの傑作を撮っていたんだけどなあ。
 そんな斉藤と安藤監督が組んだ「機械仕掛けのRQ(レースクイーン)」中々観る機会が少ない作品だとは思いますが、もし見かけたら是非ご覧になることをお勧めします。

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 あっそうだ。安藤監督、早くアプレの「プラス1」の短編仕上げてね。僕のはもう明後日試写ですよ。

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