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2008年7月6日 - 2008年7月12日

2008年7月12日 (土)

西の魔女が死んだ

 助監督時代の師である長崎俊一監督の「西の魔女が死んだ」を恵比寿ガーデンシネマにて鑑賞。原作はかなり著名なものらしいけど、僕は全く未読。それゆえなんの前知識もなく、ジャンル性すらわからぬままに鑑賞。かなりフィクション性の高い物語を自然に自然に創り手の意図が見えないような演出で描き出していく静謐な描写は中々力が入っていて見応えがある。ただ、1シーンの中でトリッキーに時制が変わったり(苺狩りで祖父が死んだ話を回想する場面)、普段は殆ど人間の目高の位置にあるカメラがクレーン効果(やはり苺刈りのシーンの俯瞰)で妙にスペクタクルな映像を創りだしているところにバランスの悪さを若干感じさせるのが気になった。ただ、それが気になると言うのは他のシーンの統一感がしっかりしているからなのではないかと思いました。それにしても力作は力作です。

 長崎俊一監督の最高傑作はテレビの2時間枠で放送され、その後諸般の事情で封印された「最後のドライブ」と言うフジテレビ製作の実録犯罪ドラマだと思っている。それと「誘惑者」「闇うつ心臓(8ミリ版)」かな。長崎監督の良さは現代に生きる歪んだ人間の精神病理ぎりぎりの不条理なまでに激しいキャラクターによるメロドラマであり、日本のジョン・カサベテスになるべき監督だと思っている。いや、カサベテスにはない昇華を長崎映画には内包されていて、そここそが長崎演出の真骨頂だと思っている。

 昔、僕が脚本を書いて長崎監督が演出した日活のエロVシネがあった。もう23年くらい前の話だ。僕が書いたのは20歳そこそこの女子大生2人の明るい青春物語だったのだが、それを長崎さんは物語に主人公の心象風景を足していくことで大どんでん返しをさりげなく持って来て、僕が描いたハッピーエンドを思い切り絶望的なものにしたことがあった。当時僕はチーフ助監督も兼任していたので、ここまで演出によって物語と言うのは大きく変わるもので、それは長崎さんが演出したのだから僕は腹が立ったり驚くと言うよりは驚異と尊敬の念を持って観ていたが、シニカルと言うのとは全く違う暗い情念をクールに描き出す長崎映画の真骨頂を脚本家として助監督として目の前で直接経験できたのは非常にいい勉強になったと今でも思っている。

 ちなみに、全く偶然、「西の魔女が死んだ」の劇場でばったりとBsiプロデューサーのアンドリウさん親子に遭遇。確かに親子で観るべき映画なので、ばったりと会って当然なんですが、これだけ広い東京でこの時間に会ってしまうとは・・・いや僕は仕事今日さぼって映画観にったわけじゃありませんが・・・。

 明日はまたまた別件の打ち合わせで赤坂です。

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2008年7月11日 (金)

仕上げから仕上げの梯子の日々

 昨日は「東京少女 岡本杏理編」の本編集。編集上がりより大胆にカット尻を伸ばしていく。「どんどん伸びていますよ監督」と編集部に言われるがお構いなしにじっくり見せるところは見せる。リズムだけでカット繋ぎしている部分を間を足して芝居に情感を持たせる編集。そう言う演出してきているので、演出意図に沿って直していくだけなんですがね。で、トータルがかなり長くなってきたので大胆にドーンと切れるところは切って、出来るだけ説明過多にならないように、それでいて説明不足にならないように編集する。中江さんの脚本はリリカルで、情感を出さなくてはいけない。それに東京とそれ以外の場所とを川が繋いでと言う地理的なテーマをうまく生かそうと言う僕自身の今回のテーマもあって、それを生かすのと、さらに岡本杏理ちゃんをこれまでにないくらい可愛く見せて、2回目もちゃんと視聴者の人たちにチャンネルロックしてもらえるように頑張らなくてはいけない。もう一人秘密兵器もいたしね・・・。新人の子たちを使って1回目を撮るのは、いつもよりビジュアル的な工夫も考えなくてはいけないので大変でした。それでも徹夜に近い予習の甲斐あって、編集室での作業はあっと言う間に終了。終了後は、スポーツジムに寄って軽く筋トレ&ランニング&プールトレーニングで汗を流し、その後サウナ&ジャグジーで疲れをとる。「トリコンリターンズ!!!」MA~「東京少女」本編と殆ど休みなくスタジオ作業をした疲れが消えていく。

 本日は、午後から音楽の遠藤氏と「東京少女」の音楽効果打ち合わせ。今回はかなりSE(効果)に凝りたいので、直接細かい指示を出す。暑さもあって少々バテ気味。でもこれも面白くなりそうだ。かなりしっとりと落ち着いた「東京少女」になりそうです。夜は朝から生姜醤油に漬けて置いた「越後もち豚」を玉ねぎと一緒に焼いて妻と食べる。肉が信じられないくらいに柔らかくって、うま味成分がトロリとして大満足の夕食ではありました。

越後もち豚

http://www.sep-i.co.jp/uonuma/niku.html

 

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2008年7月10日 (木)

トリコンリターンズ!!! MA

 「トリコン!!!リターンズ」本日MAで音楽効果入れ。音楽のチェックはWebのやりとりで画に合わせた音楽を既に直し終えていたので事実上スタジオでいきなりミックスダウンと言う感じ。それでもドラマより何倍も手間がかかるダビング作業。劇場の空間を想定して台詞ひとつひとつの広がりを出したりするのが大変です。今回も音楽がかなりいいので手応え十分。何より脚本が前回よりきちんとしているから何をやるのでもやり易かった。スタジオでは予告編のダビングが行われていたが僕は今晩中にやらなくてはいけないことがあったので、お疲れ様の言葉もそこそこにとっとと帰宅。本来はダビングステージでビール飲んで軽い仕上げ打ち上げをやるところなのだが・・・。

 と言うわけで「東京少女 岡本杏理編」の編集直しチェックを朝までこれからやって、明日は朝10時から緑山スタジオで本編。その前に頭を切り替える意味でブログを書いてます。

 さすがに明日はヘロヘロになりそう。

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2008年7月 8日 (火)

東京少女 妻の声入れに付き添う

 「東京少女」のナレーション録り、と言っても僕ではなく妻の声。井口君の「東京少女 大政絢編」で忍者の頭領の奥方と言う設定で声だけの出演。まさか「東京少女」で忍者ものをやるとは思わなかったから、妻からこの話を聞いた時はてっきり「大工の棟梁」の奥さん役だと思ってしまった。下町かなんかの設定で「大工」の娘だったり、大工修行をしている少女の話かと思ったら、なんと大政絢ちゃん演じる服部絢蔵と言う現代に生きる九の一のコメディだった。それを井口昇が撮るんだから面白いでしょう。

 と言うわけで、今日は妻に付き添って赤坂のMAスタジオへ。丁度音楽の遠藤も来るから「岡本杏理編」の音楽効果打ち合わせの日程も決められるかなと思ったのだ。いや、遠藤氏はメチャクチャ忙しいしこれから杏理ちゃんの歌録りもあるから、1週間後のMAまでに電話だけで打ち合わせ日程を決めるのは中々困難になるだろうとの予測があったのだ。妻のナレーション録りは順調に終了。音楽効果が入っていない一部の映像しか観られなかったが、大政絢ちゃんの忍者スタイルや元気な芝居は中々可愛かったし、井口君の演出も面白そうだった。これはオンエアが楽しみですね。

 終了後は赤坂の「一心」と言うスープカレー屋に2人で行って食事。北海道出身の僕にとっては、最近スープカレーが北海道名物になっているなんてことにまず驚く。確かにサラサラのスープカレーは学生の頃からチラホラと喫茶店で出していたりすることも多かったし、ご飯を玄米で食べさせてくれるところもあったが、ス-プカレーなんてネーミングではなく、ただの「カレー」として食していた。それがいつの間にか広まって料理の一ジャンルになっているとはね。ただ僕はこのサラサラのカレーは昔から好きで、赤坂で食べさせてくれる「一心」のカレーも好きなので嬉しいところではあります。

 

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2008年7月 7日 (月)

ジャン・ピエール・ランパル演奏「忠実なる羊飼い」が聞きたい

 昨日今日は「トリコン!!!リターンズ」の音楽チェックと、「東京少女 岡本杏理編」の編集作業を自宅PCで終日行う。先週、Webのやりとりだけで進めるのは危険だと書いたばかりだが、これらの仕事もまたデータのやりとりで進むので、指示に誤解が生まれないように丁寧にメールには書きこむ。「トリコン!!!リターンズ」の方は、全ての楽曲のチェックが終わり後は明後日のMAでのミックスダウンを待つだけになった。「東京少女」の方も、編集箇所を書きだして編集部にメールを送り、木曜の本編を待つだけに。しかし、毎日違う作品の仕上げをやるのは現場に行くより或る意味脳みその切り替えが難しいかもしれない。

 と言うわけで、次の「東京少女」の音楽参考用にとビバルディの「忠実なる羊飼い」と言うフルートソナタ曲を探すが既に廃盤となっており、探し出すのに苦労する。僕の父親はフルート奏者で、現在も日本フルートコンペンションの主催をやったり元気だが、幼少の頃クラシックに馴染みない僕にとって父のレコードコレクションの1枚としてあったジャン・ピエール・ランパル演奏の「忠実なる羊飼い」と言うソナタ集は非常に心に残る曲だったのを覚えていた。そのランパルのCDは既に廃盤だったことはわかったが、Webで調べていくうちにビバルディの作品として長年伝えられてきた「忠実なる羊飼い」が実はシェドビルと言うフランスの音楽家の手による偽作であったことがわかった。どうも、勝手にビバルディ曲として300年前に発表してしまったらしいのがそのままビバルディ作品として残ってしまったようだ。そのことが判明したのは80年代後半のようだが、90年代初頭に出て廃盤になったランパルのCDにも確りとビバルディ作曲と銘打たれている。しかし、誰が作曲しようとも名曲は名曲。素晴らしい音楽に変わりはない。

 でも、ランパルのCD聞きたいなあ。札幌の父の家では見かけたことがある気もするが、それもだいぶ前で探させるのも気がひけたので、とりあえず打ち合わせ前に別の演奏家のCDを見つけて購入。しかし、ランパルの演奏には及ばないだろう。何と言うか、昔のアナログ録音の管楽器の何とも言えない音色は新しく録音されたものより音に色気があっていいのだ。

 どなたかジャン・ピエール・ランパルの「忠実なる羊飼い」をお持ちの方がいれば適正値段で譲っていただきたいと願います。

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