ダグラス・サークに酔おう
今日からぴあフィルムフェスティバルでダグラス・サーク特集が始まるので、とりあえず最初の回の「風と共に散る」を鑑賞。今回の上映作品のほとんどがDVDでも観たことがあるのだが、やはり35ミリプリントで観なくてはいけないと思い立ったのだ。「風と共に散る」は、20年前にダニエル・シュミットの「人生の幻影」と言う、ダグラス・サーク自身を追いかけたドキュメンタリー映画の中で紹介されていた時に、ドロシー・マローンが踊りながら服を着替えていくシーンが非常に扇情的で、その後字幕なしのプリントを観たり、DVD買ったりはしていたけど、久々にこの映画を観ると、このシーンはダニエル・シュミットがテクストとして挿入していたのが当たり前のように素晴らしい。ドロシーマローンのセクシャルなダンス(当時31歳のようだからこの年代ではもう容色衰え始めている年代なのに不良娘の役と言うのがエグイ)しながら服を一枚一枚脱ぎ去っていき、そこに音楽がどんどん盛り上がっていく場面と、怒りに打ち震える父親が複雑な心境で階段を上がっていく場面と、ローレン・バコールが不安に想いを馳せる場面が絶妙のモンタージュで構成され、音楽が最高潮に達した時に、父親がこの階段を一気に落下していくと言うまさに運動する個体が感情をほとばしらせていく「これが映画の最高の表現だ!」と言うべき表現だった。ここではドロシー・マローンがスイッチを入れた電気蓄音器のレコードの音が、そのまま劇伴になって、リアルでは音が届かない父親の登って行く階段とローレン・バコールの部屋を結ぶのだが、この音の使い方も絶妙だ。
こう言う最良の映画を観ると自分なんか恥ずかしくって恥ずかしくっていられなくなるが、一方でまだまだ映画の表現は再構築すべきことがたくさんあると奮起したくなります。これから2週間、ぴあフィルムフェスティバルは続きますが、これを機会に是非とも「ダグラス・サーク特集」を観て、「本物の映画とは何か?」を体感してきて欲しいと願います。ここにこそ映画の全ての面白さが詰まっていると言えるのです。
http://www.pia.co.jp/pff/festival/30th/lineup/index.html
そう言えば会場では柳下さんと会って軽く歓談し、終了後はぴあの森本さんに会ったけど、森本さんは、20年以上前に僕がぴあフェスで映写のバイトをしてい頃からの知り合いでいつも顔を合わすと、物凄く爽やかな笑顔を見せてくれる人です。東京に出てきた年から知り合いになって、今でもこの業界にる数少ない人の一人になりました。

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