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2008年1月20日 - 2008年1月26日

2008年1月26日 (土)

自宅MA作業

 昨日の夜は美味しい広東料理を食べ楽しい会話、今朝は朝早くに遠藤氏から音楽効果が着いたショートフィルムのファイルが届く。この大容量のデーターファイルを添付できる「データー便」と言うサービスは実に便利だなあとつくづく。光通信だとあっと言う間にダウンロードできるしね。と言うわけで、朝から自宅MA作業開始。PCスピーカーもまずまずのスペックなサブウーハー付きのものなので、かなりいい音で再生出来る環境にあって、最終ダビングミックス前の段階まではここで追い込める。なので、いくつかの修正点のやりとりをあっという間に終える。

 この映画は、去年の夏に撮ったアプレと言う俳優事務所が行っているワークショップの中で選抜式に役者を選んでキャスティングして創られた20分の短編。俳優たちには設定だけ与えて3日間、1シチュエーションをエチュード的に積み重ねて貰って、僕がそれをもとに脚本を起こし、1本の作品に纏めると言うもの。今回は「学校といじめ」と言うことをテーマに創ってみたが、これが遠藤の整音が終わったものを観ると、なかなかスリリングでいい感じに仕上がっている。個人的には、かなり気に入っている映画だ。自分で撮影、照明、編集を1人でやってしまうのだが、いかに「光」と言うものを味方につけるかと言うことが画面作りには大事かと言うことを思い知らされる。勿論商業作品では僕は撮影監督までやることはないが、どう指示を出すと思い通りの結果を得ることができるのか技術を自分の手で学んでおくのは必要かなと思う。正直、このシリーズ3本目ですが「撮影照明」がこんなに楽しいとは思わなかった。

 この映画は、オムニバスの1本で、他にも安藤尋、篠原哲雄、利重剛、緒方明などが一緒にこのプロジェクトに参加していて、この夏には渋谷のユーロスペース他全国で公開される予定です。いずれ詳細を発表出来る段階になったらぜひとも観に来てください。

 そんな作業を昼近くまでやって、午後からは三茶でライターと企画打ち合わせを夕方まで。明日は「トリコン!!!」の有料試写ですね。チケット売り切れ状態とかで、大変嬉しい限りですが、明日こそ僕のことなんか誰も見ないんだろうなあ。だからと言うわけではないが、非常にリラックスしております。

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2008年1月24日 (木)

鰻 とか 吉田喜重とか

 火曜は西麻布で会食しながら打ち合わせ。「いちのや」の鰻はとても美味しかった。会食後事務所に移動して観た短編が中々刺激的で、いまはまだ未発表事項なので書けませんが、なにかこう、フィクションとノンフィクションの鬩ぎ合いから見事にこうフィクションの世界へ一歩踏み出していると言う、10本近くを観たのだけどどれも傑作であった。毎日いろいろ刺激があるなあ。ライターとその後広尾で日が暮れるまで打ち合わせ。

 帰ったらアマゾンから吉田喜重BOXが届いていたので、早速「女のみずうみ」を観る。これも川端康成原作です。うーんこれも傑作だ。冒頭の6分近い長まわしはカメラの意図をどこに置くかについて考えさせられ、最近の映画に多い長回しの殆どが退屈な表現がであるだろうことを改めて認識せざるを得なくなる。ただ、どのカットも全てが作家の意図的なものを見せてしまうのはどうだろうかと、先日の「映像は監督の意思が見えなくてはいけない」と書いたこととは矛盾するかもしれないのだが、吉田喜重のこの映画は傑作だとは思うが、表現がどこか作家の故意を感じさせそこが成瀬やマキノより禁欲的ではないと思ってしまった。吉田喜重の映画を観ているんだからそれは当たり前なんだけど、いや、それでもいいものはいいのですよ。岡田茉莉子の冷たいエロティックさ、芦田伸介の深みあるそれでいて耳に心地よく響く台詞回し、ロケーションの選択、どれをとっても一流の仕事なのだが・・・映画は難しい。でも、昔の映画は1本1本が考えさせられますね。それだけでも観る価値はある。

 

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2008年1月22日 (火)

編集&飲み会

 昨日は多村選手PVの本編。サクサクと順調に繋げて、そのまま武蔵小杉に移動して「岡村洋一のシネマストリート」のメンバーと合流して新年会に。この日ゲストだった或るプロデューサーの方と意気投合して、映画の話で大いに盛り上がる。力を持った人とまた新しく知り合えるのは嬉しい。ここから新しい映画が生まれれば「シネマストリート」で生まれる初めての映画になるんじゃないかと岡村さんも喜んでいた。僕も、大いにモチベーションが上がる。そして、話をしていくうちに驚いたのはこの人が多聞さんの大学時代の仲間だったと言うこと。「多聞は凄い、この時代に自分の好きな監督を集めて、しかも黒字を出して儲けているところが凄い」と言っておられました。世間は狭いなあ。と言うか、80年代に自主映画を経験していた人たちは僕も含めてかなりしぶとく業界に残っていると言うことだ。

 80年代ニューウエーブなんて言われて、自主映画がブームになりそこから黒沢清監督、長崎俊一監督と言った僕の師匠筋にあたる人たちが生まれてきたわけですが、あの時代になんらかの形で自主映画に関わり、そして、その後プロを目指して業界入りした人たちは生き残り率高いのではないかと思います。ただ、一方で自分の才能を過信してインディーズだけでなんとかなるとたかをくくっていた人はみんな消えていった。いや、自主映画だけで自分の世界を築いて今でも自主映画を撮り続けている人はそれは立派なことだと思うが、そうじゃなくて、仕事としての映画を選択したいけどかと言って業界入りはいやと言う人はいたのですよ。そう言う人は僕のように助監督をやったり、多聞さんのようにテレビ局に入社して下積むのを蔑んでいたように思うけど、そう言う人は逆に消えて行きましたね。まあ、やはり「兎と亀」のおとぎ話はまんざら嘘ではないと言うことではないでしょうか?

 僕らもこれからどれだけやれるかわからないけど、とりあえず、映画やテレビドラマを内側からその構造を確り知るためにも下積みは長くやるものではないが、やはり経験した方がいいと思います。僕は9年間も助監督やってしまいましたが、そんなに長くやる必要もなく、青山のように3,4年やって監督になるのが理想かもしれない。いずれにしても、あらゆる勉強に時間を惜しんではいけないと言うことだと思います。

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2008年1月21日 (月)

銭形海 サード3話

 銭型海サードシーズンの第3話を観ました。主人公が二役で撮影はなかなか大変だったと思うのですが、1カットでデビッド伊東を動かしながらカメラがデビッドにつけて動いている間に大政絢のお姫様とケータイ刑事が入れ替わると言うダイナミックな演出をやっていてとても面白かった。こう言う何気ないけどリハーサルに時間がかかるカットが1カットでもあると作品のクオリティと言うのは大きく変わると思うんですよね。つまり作家としての演出家の意思と言うか、もちろんそれが内容的に面白くなくては監督の独りよがりなってしまってはいけないんですけど、デビッドさんの芝居が面白かったからこれは十分に成立しているカットだったと思います。

 僕は、映画やドラマを観る時、1カットでも面白いカットがあれば結構楽しめてしまう方なんです。先日スカパーで「青い山脈」の75年版のリメイクを観ていたら、道を並んで歩く二人を移動撮影しているカットが、成瀬巳喜男が好んで使ったカット割り、つまり自転車を押して歩く村野武徳と中野良子を斜め前から移動でとらえながら、時折背後からの移動撮影が挿入され、また、2人を斜め前から捉える移動カットになって、一人がフレームアウトして、次にアウトした人物が振り返って喋るカットになって、また切り返して残された人物が歩き出すのにつけてカメラが動くと、最初にアウトした人物がカメラに入ってくると言う。会話をして道を歩くに二人の関係を微妙な心の動きをカメラと芝居で連動させたいときにはかなり有効な撮り方だと思うんです。一番効果的だったのが「乱れる」の寺の境内での加山雄三が高峰秀子に告白するカットなんですが、これを実際に僕も実践しようとして諦めたくらいに実は大変なカットだったんです。つまり、成瀬が撮っていたサイズで移動しようと思うと、レンズの都合上実際の道幅の3倍以上はカメラと人物を離さなくてはならず、無理やり捉えようとするとワイドレンズになって画面が歪んでしまう。単眼レンズで撮ると日本の道幅では不可能で、これが当時オープンセットだったから出来たことだと言うことがわかったんです。その手間がかかるカットをこの「青い山脈」でデビューした河崎義祐 監督はやっていたんですが、カメラマンが成瀬の映画も撮ったことがある鈴木博さんだったからそのDNAが息づいていたのかもしれませんが、映画にとってはとても大きな役割をこのカットは担っていたのではないかと思うのです。

 横道に逸れましたが、こう言う意思のあるカットを撮るとどうしても1日に撮れるカットは少なくて予算が少ない作品ではなかなか実践できないのですが、銭形海の3話にはこう言うカットが存在して、それで自分にも大いに刺激になったと言うわけです。 監督は高成さんと言うTBSの女流美人ディレクターですね。一昨年、斉藤由貴に夏目漱石が憑依してしまう面白いドラマを撮った監督です。邦画界は女性監督がブームですが、井口奈美「人のセックスを笑うな」みたいな意志のある映画をそのうち撮っていただきたいなと思いました。

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