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2009年2月 7日 (土)

小出早織は「サンダカン八番娼館 望郷」に出るべきだ

 この間スカパーで「サンダカン八番娼館 望郷」を久しぶりに観た。熊井啓は「お吟さま」と「天平の甍」で遠ざけてしまった監督なんだけど、上記のような大作日本映画では力を発揮できないものの、日本の社会派監督の系譜に漏れず、残酷な社会派映画では俄然と妙な力を発揮し始める傾向があるように思える。山本薩夫は映画的センスも含めてもっと再評価されるべき監督であるともいえるが、娯楽映画を撮ると凡庸な演出で観ていられない今井正も左翼系社会派映画になると何故か暴力的で残酷描写が極まる。これの理由はなんなんだろうと高橋洋と話し合ったことがあった。旧左翼系映画人の中に潜む情念が特高警察の左翼弾圧のシーンになると、サディズムとマゾヒズムが微妙に交錯した暗い欲望となって見事に開花するのだ。若松孝二監督の拷問映画にも匹敵する恐ろしいシーンを僕はこの社会派映画の人々に感じるのだ。 「党員を裸にして縄で縛ってつるし上げ、特高警察風の男たちに竹刀で滅多打ちにして気絶しそうになると水をぶっ掛けて覚醒させ、また竹刀で打ちまくる。これを現日本共産党の志位委員長さんに演じてもらい「消費税値上げはんたあああい!」と叫ばせるCMを造れば確実に共産党の票は伸びる」とその高橋洋さんと話したことがあった。それで幻となった「発狂する唇3」の脚本の中に、警察による拷問シーンと言うのを書き加えた覚えがある。

 さて「サンダカン八番娼館」であるが、田中絹代の若い時代のからゆきさんを高橋洋子が演じているのだが、これが小出早織ちゃんそっくりだった。こう言う太平洋戦争中に流転の人生を歩みながら力強く生き抜いていくような役を彼女なら地に足のついた演技力で演じきるのではないかと思った。新劇のベテラン俳優人に囲まれ、ベテラン監督とカメラマンに指導を受けられると言うような映画の現場が殆どなくなってしまったが、一度小出早織版「サンダカン八番娼館」を観たい気がする。

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コメント

ほんと、そっくり。
今「サンダカン八番娼館」→「女子大生会計士の事件簿」と連続で鑑賞してます。

投稿: 複勝小僧 | 2009年2月13日 (金) 03時09分

熊井啓監督は「忍ぶ川」が最高に素晴らしいですよね。社会派監督だからテーマは重いのに、映像は非常に美しいです。テーマと映像美の両方が高い水準で両立しているところがすごいと思いました。

投稿: ぼんちあげ | 2009年2月15日 (日) 23時46分

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