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2009年6月21日 - 2009年6月27日

2009年6月27日 (土)

PV撮影と現場論の1

 音楽と映像の融合と言うのはミュージカルが好きでいろいろやらせていただいていたけど、この2日間は結構贅沢な撮り方をさせていただき楽しい撮影だった。スタッフが少なくても優秀なベテランの人材を適所に配置した方が、仕事が出来ない若手スタッフを多数起用するより現場の撮影効率はよくなる。と言うことを実践できたのが嬉しかった。この現場では「無理です」「それは出来ないでしょう」と言う泣き言を吐くスタッフが一人もいなかった。これは先日撮った「ケータイ刑事」の現場でも同様のことが言えた。今現在「ケータイ刑事」のスタッフはベテラン中心の編成になっているが、誰一人「それは出来ません」と言うスタッフがいなかった。

 仕事をしているとわかるが、若いスタッフの欠点は、「できません」「それは無理です」が二言目に来ることだ。経験値が足りなくて「知らない」だけで、「出来ない」こととは違うのだが、「知らない」ことを恥ずかしいこととして認めようとはせず「出来ない」と返してしまう。

 例えば、「ケータイ刑事」の現場にはミニジブと言う撮影用のミニクレーンが常備されているが、若いスタッフが来ると「これは古くて使いにくいクレーンだからやめましょう」となって、中々使ってくれないことがあった。それをこの間のベテランカメラマンは意図も簡単に使いこなし、中々素晴らしいカメラワークをしてくれた。そんな話を今回のPVのカメラマンに話をすると、ミニジブと言うのは実は使いこなすのが難しく、2,3年目のカメラマンには無理かもしれない、それは自分の腕がまだ足りていないからで、機械のせいにするのは経験値が少ないからなのだろうと言う事だった。

 若い気心しれたスタッフと仕事をするのも楽しいかも知れないが、やはり扱いにくくてもベテランの職人と仕事をする方が絶対に作品のクオリティは上がるし、時間の短縮にもなる。但し、ベテランにはベテランのプライドもあるから中々ギャラの面で折り合わないこともある。そう言うときにこそ、プロデューサーのコストパフォーマンスを発揮して、使うべきところと使わなくてもいいところのメリハリを考えるべきだと思う。今回のドラマPV撮影はそういった意味でコストパフォーマンスの素晴らしい仕事になったのではないかと思う。

 

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2009年6月24日 (水)

衣裳合わせ

 今日は明日から撮影の音楽PVの衣裳合わせでした。ミュージックビデオなんですがミュージシャンは出演せず、女子高生2人と男子高生1人の田舎の夏を舞台にした青春ショートストーリーです。こういう仕事、10年前の僕なら来なかったと思います。でもここ1年「東京少女」を撮ったおかげで、そのノウハウもわかってきたし、カメラがPVも劇映画にも撮りなれている金谷氏なので映像は安心して任せられると思うので、僕はとにかく、主人公の切ない思いを映像に焼き付ける努力をしようと思っています。この曲も僕は大好きだし、主役の子も何回か撮ったことがあって可愛く撮れる自信があるのできっといい作品になるのではないかと思われます。衣裳合わせの方は昨日確り準備したので、粛々と終了。

 詳細はクランクアップ後に発表します。さて明日から撮影だ!太陽が僕らの味方をしてくれますように。こういう仕事はとにかく現場を楽しくしなくてはね!明日は三浦~湘南、明後日は銚子で撮影予定です。

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今日はMAと衣裳合わせ

 午前中から昼過ぎにかけて「ケータイ刑事 銭形命」のMA。劇伴はブラームスのようなクラシックの曲をいくつか引用させて貰った。MAは粛々と完了し納得のできる仕上がりになったのではないかと思われます。

 そしてMA終わり次第助監督の佐伯と合流してプロモーションビデオの衣装チェックをしに日暮里の衣装部まで。佐伯はもう2時間ドラマの監督までやっている人間で、僕の助監督としては「ケータイ刑事 THE MOVIE」以来4年ぶり。本当は佐伯なんか頼んではいけない仕事かもしれないけど、少数精鋭でいかないと今回は乗り切れないと判断したので敢えて頼んだのだった。

 衣装の方は、明後日クランクインなのだが、俳優部の都合で前日にしか衣装合わせが出来ないので衣装だけでもチェックしてほしいとのこと。ドラマの時は、中々衣装に注文出して衣装合わせそのものが仕切りなおしになることは少ないけど、かつて佐伯がセカンド助監督として「発狂する唇」や「血を吸う宇宙」で衣装を担当していた時は、彼がノイローゼになるほど僕は衣装にオーケーを出さなくて、結局デザインして創って貰うことが多かったから、その時の記憶が彼には残っているのだろう。しかし、今回は制服が中心だからそんなに大変じゃないんだけど、やはり前日と言うのが怖いのだろう。ドラマの時は衣装合わせすらやらないこともあるから慣れたけど、今回のスタイリストは中々センスが良かったので一安心。

 いや、佐伯とは別の意味で僕はかつて衣装合わせと言うと胃が痛んだものだった。80年代後半、丁度僕がセカンド助監督として衣装を担当していた頃、撮影所の衣装部だけでは到底対応できなくなっているにも関わらず、まだスタイリストと言う人たちが映画の現場に入ってくることは至難のことだった。なぜならそこは「衣装さん」の領域だったからだ。しかし、衣装部の衣装だけでは最新の女性のファッションは揃わないし、タイアップも下手糞、男のスーツだって「これいいな」と思うと裏地に血糊を仕込んだあとがあったりして、それでもそれを名前のある俳優さんたちに着て貰わなくてはいけなかった。だから、スタイリストが入らない衣裳合わせになると、どんどん暗い雰囲気になっていった。その後、衣裳と言うものの考え方が根本的に変わって、やる気のある衣裳部は独立してスタイリストになっていき、今ではスタイリスト的なセンスがないと衣裳部も成り立たなくなってきた。衣裳は俳優の演技プランにも大きな影響を与えるからとても大事なところです。ただ流行の服を着せていればいいというわけではないのが難しい。そうそう、昔は「スタイリスト」と言うと脚本を読み込まずに流行のファッションを主役に着せたがる。と言う偏見が衣裳部にはあったんじゃないかと思います。実際そう言う人もいたし・・・。実際衣裳部には衣裳部のプライドもあったんですよね。石原裕次郎さんの時代は、確かに撮影所の衣裳部がデザインした服を縫製部が造って、そこから流行が生まれたりもした。森英恵さんは日活の衣裳部出身だったそうですしね。でもいいスタイリストさんたちは増えてきているんじゃないかなと思います。

 

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レスラーとかつまらない予告とか

昨日は午前中仕事をやって、午後からチネチッタへレスラーを観に行く。なんか川崎で観るのに相応しい映画だったが、都内でも限られた劇場でしかやっていない映画を観られるのは嬉しい。

 映画は手持ちカメラ多用の(多分ビデオ撮り)で、下手なフェイクドキュメンタリーより生々しい演出で、腐りかけの初老のレスラーを演じる腐りかけた顔に見えるミッキー・ロークの無様な日常を追いかける前半が面白かった。ただ後半、物語がベタな展開になっていくと、登場人物の心の動きが唐突で、娘が父親と邂逅する段階が早すぎる気がするし、マリサ・トメイが試合に駆けつける展開も唐突に感じた。これは演出がドキュメンタリー風であるので、それとベタな展開が一致していないからではないかと思ったがどうだろう?それにしても、スポーツ映画を撮る時の本気度はアメリカ映画にかなわない。

 ところでチネチッタは予告が少ないので嬉しいのだが、この映画は日活が配給なのかいつもより多くの映画の予告編が流れていたが、日本映画はどれも観たくなる欲望を起こさせないものばかりだった。予告の作りが画一的で、出ている俳優も似たり寄ったりなので、役者の顔は思い出せてもタイトルは全然頭に残らなかった。予告編ってその昔は助監督の仕事であり、その次に広告代理店がCMプランナーに任せていたけど、最近は宣伝会社の人が作ることが多いと思うのだが、予告編そのものの出来は20年位前のCMプランナーたちが作っていた時代の方が出来が良かったように思える。僕は一度だけ、CMディレクターの助監督を一本だけやったことがあったが、この時のディレクターが東映洋画の予告(つまり角川映画の予告)を専門にやっていた人で、字幕を出すタイミングだとか、いかに見ている観客を嘘で惹きつけるかを学んだ。この時の経験は「ケータイ刑事 THE MOVIE」の予告編を自分で創った時に生かせた。

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2009年6月21日 (日)

村中俊之(Vc)×松尾依里佳(Vn) DUO LIVE

 昨夜は、渋谷の公園通りクラシックスで村中俊之(Vc)×松尾依里佳(Vn) DUO LIVEと言うコンサートへ妻と共に行ってきました。チェロ奏者の村中さん、バイオリン奏者の松尾さん2人のデュオによる素晴らしい室内楽の調べでしたが、それだけではなく、ジャズの飛び入りのように能楽師で和笛奏者の一噌幸弘さんが参加したり、音楽の楽しさを充分に満喫してきました。村中さんや松尾さんとは、4月の辰巳琢朗さんの家でのホームパーティで知り合ったのが縁で、この日のコンサートのことを知って、約束どおり行って来たわけです。松尾さんが最近、テレビのクイズ番組やバラエティ番組に出ているせいなのか、チケットは完売状態。僕らは前もって松尾さんにチケットを予約していたのでなんとか入れたと言う感じでした。

 でも楽器が出来るって素晴らしいですね。小劇場の乱立で役者は芝居が下手でも舞台が出来る時代になってきましたが、楽器は下手ではプロになれませんからね。絶対に。特にクラシックは。村中さんも、ロックに影響を受けた楽曲を演奏してくれたりしていますが、確りと普段はバロック音楽のコンサートにも参加していていたり、飛び入りした一噌幸弘さんなんかは、能舞台で能楽師として活躍しながら、音楽の可能性を広げようとクラシックのコンサートにも参加したりと、あくまで音楽の基礎は確りとした基盤を持ちながらそこから破壊したり発展したり、新しい可能性に挑もうとしている。映画やドラマも一緒ですね。あくまで基礎が確りしていてこそ、冒険や挑戦が出来る。思い付きじゃ駄目だということですね。思いつきの発想はいいけど、そこから先は経験と実力に基づいた基礎を組み立てられないと意味がないと言うことですね。そこがせめてアマチュアとプロの差になってくるのではないかと思われます。

 昨日は本当に素晴らしいコンサートを体験させていただきました。村中俊之さん、松尾依里佳さん、若くて素晴らしい才能の持ち主たちをこれからも僕らは応援して行きたいと思います。と言うか、また二人で組んで東京でライブをやって欲しいです。昨日は本当にありがとうございました!

松尾依里佳さんオフィシャルサイト

http://www.erika-m.jp/

 

 

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