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2009年6月28日 - 2009年7月4日

2009年7月 4日 (土)

PVカラコレとか成城レッスンとか

昼はミュージックPVのカラコレで練馬の編集室へ行き、途中まで見届けて、夕方から成城学園へ行き妻と合流して、久々の個人レッスン。僕が撮影が2本重なっていたので、一ヶ月ぶりくらい。今日は「マクベス」を題材にレッスンを行ったのですが、やはりこういうレッスンは俳優さんたちにとっては大事だとつくづくと思いました。俳優を志す人は最低限シェークスピア劇の台詞をきちんと言いこなせるようなレッスンを積み重ねて欲しいものだと思います。野球で言えば「走りこみ」ですね。シェークスピアの台詞は難しくって、かつ舌を鍛えるには何より大事です。自分が演じる映画やドラマの役のレッスンだけでは、やはり付け焼刃にしかならないので、普段の練習で古典を題材に芝居を鍛えて欲しいなと、これは俳優事務所の人たちにも是非実践してほしいと考えます。昔は映画俳優がニューフェースで映画会社にスター候補生として入社しても、必ず俳優座や文学座と言った新劇の劇団に研究生として行かされたようですし、去年亡くなった峰岸徹さんは一度東宝青春映画でデビューしながら、自らの実力のなさに気がついて、そこから新劇に入りなおして大映で再デビューしたと聞きました。昔は、撮影所システムと言うのが確りしていて、そういった育成システムが確立されていましたが、現在は俳優を抱える俳優事務所か乃至は俳優本人たちが意識を高めて、自分で頑張らなくてはならないのではないかと思われます。

基本が確りしていないと壊していく芝居も面白くなるわけがありません。野球の投手が変化球を有効に使うためにも「アウトコースの低めに真っ直ぐを投げられる」と言う基本中の基本が出来ていないとたちまち打ち込まれてしまうように、芝居もこうした基本中の基本が出来てこそ「新しい発見や実験」と言ったことが出来るようになるのではないでしょうか。

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2009年7月 2日 (木)

編集直し とか

 練馬の編集部へ出向いて、昨日のスポンサーチェックを受けての編集作業。淡々と粛々と、編集の大永氏と大映映画と溝口健二の関係などについて語り合いながら直す。一度直すとそこが気になって、短いので何度も再生しているうちに段々感覚が麻痺してくる。編集にはまると一度は必ずなる麻痺症候群だ。こうなってくると作業が段々面白くなくなってくる。映画は原初的な初動の欲望に忠実であるべきなので、5分の短編ではそろそろまとめあげる潮時かもしれない。あとは金谷氏がうまくカラコレで色調整をやってくれるだろう。

 ところで、そのまんま東が入閣するのしないの、とかマスコミは大騒ぎをしていたがどうやらそんなことはなさそうで、少しは自民党にも良心が残っていたかと安心する。もうすぐ選挙に突入するのは確実だが、もういい加減「劇場型」の政治はやめてほしい。政局は別につまらなくたっていい。エンタティメントではないのだから、確りとした政策論議で各党が切磋琢磨し、投票する方は「自分たちが本当に望む社会を実現してくれそうな人、党」を念頭において投票しなくてはいけないと思う。イメージ戦略や、ネームバリューだけで投票行為を行うのは危険なことだと思う。そういった意味でそのまんま東を担ぎ出して、小泉時代の劇場型選挙の復活を行う愚挙だけは避けられて良かったかなと思うが、今後はどうなるのかはわからない。少なくても我々は各党のマニュフェストを吟味してから投票に行かなくてはならない。が、いまは民主党も自民党もあまりに思想が違う人たちが党利党略のために烏合している集団に見えてしまうので、早く政界再編とやらで、自民と民主の志を同じくする人たちで新しい党を作るべきではないかと思う。マスコミがよく言う「ガラガラポン」と言う奴だ。ただまあ、それぞれに利権やしがらみがあるからそう簡単にはいかないんだろうなあ。ただこのままでは、比例代表で投票したい党がないのも事実なのだ。

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スポンサーチェック

 今日はドラマPVのスポンサーチェックを市谷の某社で。いくつか修正点を挙げていただいたが内容的な問題は殆どなくてルックの問題だけだったので、明日の編集直しで数箇所いじれば終わりそう。作品の流れが変わらなくて良かった。ドラマPVと言うのは、ドラマではないし、かと言ってミュージシャンを撮るミュージックビデオでもないので、いくつかの説明カットの扱いなどその匙加減が中々難しい。流れを止めて曲のリズムやテンポに合わなくなってしまうと中々集中して見ることが出来なくなるからだ。このジャンルはこれから増えていくような気がするが、いまはまだ過渡期で表現のセオリーも決まっていないからいろいろ実験できて面白いのだけど、映画やドラマでもいつも問題になる「どこまでわからせてどこまで隠すのか」は今後もいろいろ課題となってくるであろう。

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2009年6月30日 (火)

編集

 昨日は練馬の大永編集室でPVの編集作業を朝から終日。画は大体組みあがっていたので、僕が入ってから編集方針を話し合い使いたい画とカッティングの流れを雑談を交えながら話し合って、あとは編集部に任せる。撮影の金谷氏が相当にいい画を撮ってくれているので、逆に切りどころが難しい。いい画だなあって観ているとあっという間に曲が終わってしまうので、大胆に刈り込むところは刈り込んで、感情が残る場面は逆に伸ばしていこうとメリハリをつける。金谷氏と僕が組むのは5回目だけど、今回が一番いい仕事が出来たんじゃないかと思う。やはり、時間と金をかけられると画は断然よくなる。ちょっとした粘りで待つことが1カットのクオリティを上げているのが良くわかる。PVは画が命だからそこは間違っていなかったんだろう。さすがに岩井俊二監督と組んで初期の傑作を撮ってきた金谷氏の本領発揮だった。金谷氏はいまや叙情派カメラマンと言えるのではないだろうか。編集はずっとパソコン画面だったので、帰って、編集素材のDVDを妻と一緒に自分の家の40インチテレビで確認したら、妻が涙を流して感動してくれた。編集上がりでこんなことは滅多にないが、つまりこれは成功しつつあると言うことだ。主役の女の子はいままで恐らくベストの芝居をしてくれているし、彼女の代表作になる映像が創れたんじゃないかと思う。身体はまだ神経痛が残っているが、いい作品ができつつあると言うことで痛さも忘れてしまった。明日はスポンサーチェック。この流れが変わらないことを祈る。

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2009年6月28日 (日)

神経痛と エロティックハウス 愛奴

 クランクアップと同時に坐骨神経痛に襲われ、骨盤の横から臀部、太腿にかけて針で突くような激痛が断続的に走りちょっと苦しんでます。そんな中、昨日は仕事仲間の見舞いに行ったりしたんですが、さすがに今日はグロッキー。最初の編集は大永君に任せて僕は終日休養にあてました。神経痛の時は出来るだけ、身体に負担をかけないようにとWebで読んだのでプールとサウナでリフレッシュ。多分疲労から来るものでしょうが、だいぶ楽になりました。

 夕方は「エロティック・ハウス 愛奴」と言う1972年の香港映画を観ました。この間「武侠回答怪盗英雄剣」を観て、チュー・ユアンの演出とレズの悪役の親玉ベティ・ペイティが素晴らしかったので、その2人がショーブラザースで組んで初めて撮った本作をどうしても観たくなったのですが・・・。いや、これは見てよかった。雪の中のセット撮影のオープニングの静謐なシーンから、突然「愛奴」と言うタイトルと共に大仰で尚且つ扇情的で感傷的なテーマ曲が流れる中、絢爛たる娼館のセットの中を踊るようにリリー・ホーが着替えていくタイトルバックで傑作の予感がしたがその予感は外れることなく、最後まで久々にフィクションの面白さを堪能した。

 宇田川幸洋さんのライナーノーツには石井輝男監督の60年代後半の異常性愛時代劇との相似を示唆されていたが、石井監督の異常性愛ものと言うより僕には鈴木則文監督の「徳川セックス禁止令」とか「エロ将軍と二十一人の愛妾」などを思い起こさせた。石井輝男と鈴木則文との違いと言うのは、もっと批評で論ずるだけの価値があると思うが、端的に言うと石井監督の映画は新東宝の時代からモダニズムと整然とした論理的なカット割りによるアメリカ映画的な嗜好と、映画の中に暗黒舞踏を取り入れたり明らかに異形なもの、アヴァンギャルドなものへの憧憬が入り混じった露悪的な映画と言う二つの要素が迫力を持って強く感じられるのが特徴で、一方の鈴木則文監督の場合にはどんな題材を扱っても基本は加藤泰門下のセンチメンタリズムとダイナミズム溢れるアクションが確りとした映画としてあくまでも1シーン1シーンが構築されるべきして構築された強固なカットの積み重ねによってのみ表現されている映画で、両監督共に70年前後の東映映画と言うちょっと異常な状況の中に置かれて似ているようで、その根本は結構違うと思われる。鷹揚に言うと石井輝男は欧米的なセンスで、ソクブンの場合はアジア的なあくまで日本映画的なセンスではないかと思われる。

 話が横道にそれたが、「エロティックハウス 愛奴」の素晴らしさは、そうしたアジア的なロマンの中にヒロイン活劇の要素が見事に入り込み、ラストは両腕を失っても尚且つ唇に仕込んだ毒薬でレズビアンの愛人を殺そうとする切ないが壮絶なエンディングを活劇性とセンチメンタルなロマン溢れる演出で描ききる。ストーリーそのものは、成り上がりの娼婦の復讐劇と言う他愛ないものだが、ショウブラザースのセット撮影の絢爛さと悪のヒロイン2人の素晴らしさで、僕にとっては一級の娯楽映画となった。これ、東映の映画館でなんか東映のアクション映画と二本立てで観たかったなあ。最近見た旧作香港映画ではベストワンの傑作でした。

 

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