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2009年7月5日 - 2009年7月11日

2009年7月11日 (土)

銭形命 オンエア

 今夜BSTBSで23時から僕が撮った「ケータイ刑事 銭形命」のオンエアがあります。よろしくお願いします。

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2009年7月10日 (金)

魔酒アブサン

 渋谷の鰻屋の大和田で会食。場所は円山町でちょっと怪しい雰囲気の入り口にあるが、店は老舗の一軒家の佇まい。入り口を開けると石の叩きがあって、玄関には水をうってある。昭和そのものの古い民家風の鰻屋。注文してから捌くので、ビールを頼んでその間につまみを食す。海老を麹で漬けた塩辛のようなもので、これが酒に合う。白焼きを頼んで、白焼きが来る頃にはビールを飲み干しているので、今度は酒を頼んで、冷酒で白焼きを食べる。わさび醤油で食べる鰻も美味い。日本酒にたまらなく合う。その酒が尽きて、白焼きがなくなる頃にうな重が来る。重箱に1本半ほどの蒲焼が入っているのだが、柔らかくて甘くて絶品だった。こういう食事をお座敷の個室で卓を囲んで食べていると小津の時代の中村伸郎とか北竜次のようなえらいさんになった気分になる。渋谷の喧騒が嘘のような静かな佇まいが素晴らしい。この場所代を考えても充分安いと感じる。

 食事の後は、近くの30CLUBと言うバーに行き、アブサンを飲む。フランスでは体の害になるからと、数十年にわたって禁止されていた魔酒だ。山田風太郎の「明治波濤歌」の中の一編「巴里に雪が降るごとく」の中で、ポール・ヴェルレエヌが身を持ち崩して常飲している「魔酒アブサン」と表現されている酒だ。リキュールで、僕が大好きなペルノに味が似ているなと思ったら、バーテンが「ペルノ」は「アブサン」が発売禁止になった後でその味を恋する巴里っ子のために、「アブサン」の中でも身体に害毒があるとされていた「ニガヨモギ」の成分を取り去って作られたものであると言う。ちなみにペルノは40度で、「アブサン」は55度。復刻された「アブサン」も、この「ニガヨモギ」の成分は入っていないようで、それゆえ発売が可能になったとのこと。僕らはこの「アブサン」と「ペルノ」を飲み比べてみたが、味は非常に似ているが、「アブサン」の方が口当たりがよく、アルコール度数が高い。つまり調子に乗って呑みすぎるとたちまち「魔酒アブサン」に変貌するかのごとくに、悪酔いしてしまうのだ。それでも、「アブサン」は美味かった。渋谷でもこんなに落ち着いて呑んだり食べたりするところがあるのは嬉しい。

 この「30CLUB」20年前に長崎俊一監督と「誘惑者」と言う映画が東京国際映画祭でさくらシルバー賞を受賞した日に、2人でバーボンを呑んだ思い出の場所でもある。「誘惑者」は長崎監督にとっても代表的な作品であったが、僕にとってもこれより数年前に遡って長崎組の助監督をやるきっかけになった映画でもあり、それからの4年間長崎監督に着いて「誘惑者」の実現に命をかけていた作品でもあったのでその受賞は何よりも嬉しかった。

 そして、「誘惑者」で知り合った俳優こそ、一生この人と仕事をして行こうと約束をした草刈正雄さんだった。

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2009年7月 9日 (木)

あらくれ 成瀬

今日は本当は「剣岳」とか「コネクテッド」の試写とか観に行く予定だったのだけど、もうすぐ母が亡くなって1年経つのでそのためのいろいろな段取りとかを電話やメールでしているうちに雨が激しくなってきて、映画を観に出かけて行こうと言うモチベーションが下がってしまう。梅雨は本当に苦手。この季節を毎年乗り切れない。この間の仕事が終わって、脚本上がり待ちになっているのだけど、この天候は精神的にきついです。先週までは撮影だとか編集だとかで梅雨とか言っていられない状態だから良かったのだけど、こういう天候で家にいると激しく気持ちが萎えて行く。

 と言うわけで、そう言う萎える気持ちを払拭するためにも、HDに録り貯めてあった成瀬巳喜男の「あらくれ」を観る。やはりこういうときは静かに成瀬の映画を観るに限る。それにしても主人公のキャラクターも、映画の展開も激しい映画だった。成瀬映画の中でも、ここまで次から次へと物語が展開していく映画も珍しいんじゃないだろうか?とにかく場面が変わると必ず主人公の境遇が変わっていて、それがいちいち中古智の美術が素晴らしいオープンセットから始まって、しかも単なる実景ではなく、いくつか積み重ねられた外景の最後には必ず主人公か、主人公に影響を及ぼす登場人物のロングショットになっている。例えば加東大介の登場シーン。加東大介の登場から、映画は新たな展開にうねり始めるんだけど、情報としては時代が代わり「戦争が始まった」と言うことがロングの実景でわかり、そこに新たな登場人物としての加東大介がさりげなく登場し、室内へ入ったところで初めて高峰秀子が東京へ戻ってきていることなどがわかる。しかも室内へ入って最初の寄りは、居候先の沢村貞子の寄り絵が最初だ。凡庸な脚本と演出なら、ここまでの間にもっともっと説明の為のカットを撮るだろう。しかし、加東大介は実景の点景として現れ、やがて徐々にその姿と顔、そして生業やキャラクターと言ったものがわかる仕組みになっている。これはそれまでのシーンで徹底されていて、例えば田舎の旅館の主人の森雅之の登場カットも、高峰秀子が新たに働いている旅館の点景の中にさりげなく登場させている。物語や主人公のキャラクターが激しいだけに、こういうさりげない表現方法は非常に映画を観やすくさせている。同じ物語を、例えば増村が撮っていたとしたら、かなり辟易とさせられる映画になったと思うが(それはそれで絶対に魅力だったろう)、成瀬は静かに、しかし着実に物語を進行させていく。いろいろ自分が撮ってきたものを省みると、いつも反省させられるのが成瀬巳喜男の映画だし、モチベーションが上がるのも成瀬巳喜男の映画だ。作劇と言う点でも、俳優の芝居の点でも、上記にあげたようなカット構成による端正な画面作りにおいても「あらくれ」は非常に優れた映画だった。

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2009年7月 8日 (水)

97歳始球式

 昨日PVのプロデューサーからメールを戴いて、スポンサーさんも喜んでいたとのことを伝え知ってほっとする。やってよかった。いい仕事したと思っていても、発注本が微妙な反応だとやはり成功したとは言い難く。僕は心が痛むことが多いので、今回のように初めて仕事をしたところで喜んで頂けたのは大変嬉しかった。

 ところで、昨日は東京ドームでプロ野球OB最高齢の前川八郎さんが始球式を行ったが、これは良かったですね。97歳なのでもうよろよろはしていたけど、確りとマウンドからボールを投げることが出来て、先日のAKBの始球式よりは見ていて感慨深いものがありました。MLBの始球式と言うのは、こういう球界に尽くした方へ尊敬をこめての始球式が多いのですが、NPBも野球そのものを盛り上げていくならこういう始球式はどんどんやるべきだし、ファンにとっても嬉しいところではないでしょうか。

 ただ、選手にとっては女性アイドルや有名タレントが来た方がやはり嬉しいと、或る選手から直接聞いたことがありますから、うまく織り交ぜてボールパークを盛り上げて欲しいと思います。

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2009年7月 7日 (火)

supercell 君の知らない物語 と 福永マリカ

先日まで撮っていたドラマPVですが、ソニーミュージックから発売されるsupercellの「君の知らない物語」と言うファーストシングルのビデオクリップでした。詳しくはこちら

http://www.sonymusic.co.jp/Music/Arch/SR/supercell/index.html

supercell はニコニコ動画にアップした楽曲の再生回数が2.000万回を越えるネット発のユニットで、今回はミュージシャンの出演はなく、全て俳優たちだけによるオリジナルショートフィルムのようなドラマPVでした。

Photo

20090626181528 主演は福永マリカちゃん。僕の作品ではこれで三度目となる主役です。共演は田辺修斗君と北出菜穂ちゃん。北出さんは本日放送となるBSTBSのカルピスのドラマで共演した妻からの推薦を受けてのキャスティングでした。内容は田舎の高校生たちの切ない青春恋物語です。この「君の知らない物語」と言う曲は「化物語」と言うアニメの主題歌にもなっていますが、本当にいい楽曲なんですよね。この楽曲を僕が聞いて、自由にイメージした脚本で物語を創ったのですが、本来音楽PVだから歌詞と映像を常にリンクさせていくのが常套なのでしょうが、今回はあくまでドラマ性を重視して、確りとした脚本を創って物語を構成し、曲の流れとドラマの流れを出来るだけ一致させながらも、独立したショートムービーとしても成立させていこうという中々難しい演出方法をとりました。予算も通常のビデオクリップの倍の予算をつぎ込み、二日間で5分のPVを撮ると言うちょっと贅沢な撮り方になりました。と言うことで1カット1カットのクオリティはかなり充実しています。

しかし、なんと言っても今回のMVPは福永マリカちゃんでしょう。正直、僕が想定していた以上の表現力でこの曲の世界観を見事に体現してくれたと思います。切ない時に浮かべる寂しい、物悲しい表情はいままでの福永マリカにはなかった最高の表情をしてくれましたし、その表情を「打ち上げ花火 下か見るか横から見るか」の金谷カメラマンが「こういう世界観は一番やりたいことなので絶対に頑張ってみせる」と言ったとおりのレンズワークで魅せてくれています。金谷カメラマンは、こういう繊細なセンチメンタルな少年と少女の恋物語を美しい風景の中に置いて撮らせると本当に素晴らしい力を発揮します。

このドラマPVは是非多くの人に観て欲しいと望みます。そして福永マリカの新しい才能に是非触れて欲しいと思います。編集中のクリップを見ながら妻は彼女の切ない表情を見て自然に涙が出てきたそうです。仕上げに関わった何人かのスタッフもたった5分のPVなのに、感動してくれている人たちが何人もいて、いままで自分が撮った作品の中でもこういう現象は初めてだったので、ちょっと驚いていますが凄く嬉しいです。

勿論、共演の北出菜穂ちゃんは、ピュアで無垢なライバルを好演してくれたし、田辺君もこの2人の間で揺れ動く少年の姿を繊細に演じてくれました。

812日に「君の知らない物語」はソニーミュージックからシングル発売され、このビデオクリップはその初回限定盤に同梱される予定です

Music 君の知らない物語(初回生産限定盤)(DVD付)

アーティスト:supercell
販売元:SMR
発売日:2009/08/12
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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