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2009年1月18日 - 2009年1月24日

2009年1月23日 (金)

アンダーカヴァーとか歌舞伎町の盛衰とか

20090123163206 午後からジェームズ・グレイの「アンダーカヴァー」を観に、久しぶりに新宿へ。歌舞伎町に入るのも「ケータイ刑事 THE MOVIE」の舞台挨拶以来ではないだろうか?と言うことは3年ぶりに歌舞伎町に足を踏み入れたことになる。20代の頃は高円寺に住んでいたせいもあって、映画を観たり呑みに出たりと言う行動範囲の9割は新宿、それも歌舞伎町が多かった。長崎監督や黒沢清監督もそれぞれ新宿へ出るのが皆便利だったので、紀伊国屋裏の「らんざん」で打ち合わせの後は、ミラノ会館近くの飲み屋へよく行っていた。当時から歌舞伎町はいかがわしい風情があったが、それでも若者の数は多くて、新宿プラザと新宿ミラノ座と言う東宝、松竹系のそれぞれの戦艦級の映画館でその季節に一番の話題作や大作映画を巨大スクリーンで観ようと結構人は集まっていたし、この二つの映画館をはさむ噴水広場には街頭ミュージシャンが集っていた。だが、久々に訪れた歌舞伎町はそのシンボルとも言うべき「新宿コマ劇場」は閉鎖され、新宿プラザも閉館。噴水広場は浮浪者すら追い出され、閑散としていた。歌舞伎町が映画の街であった面影は、いまやミラノ会館とその脇にある「新宿オデオン」などが入る東亜興行のビルにしかない。

 その新宿ミラノ座(現ミラノ1)で、この劇場で観るのに相応しい「アンダーカヴァー」と言うフィルムノアールの傑作を観た。じっくりと映画に入っていける濃密な物語映画だ。決して派手な物語ではないが、ゆったりとした流れの中に一人の登場人物に視点を集中させぐいぐいと物語を引っ張る。ホアキン・フェニックスの潜入捜査から、ギャングからの復讐に怯えるサスペンス、そしてラストのアクションに至るまで、まるで僕らがそこにいて目撃しているかのような錯覚に陥る、ドキュメンタリの視点のような語り術が素晴らしい。特に、中盤で起こるカーアクションの主観を多用した演出は久々にカーアクションに惹きこまれる映画的な快楽を堪能することが出来た。演出の勝利の映画。久々に爽やかな気持ちで劇場の外に出ることが出来た。

 しかし、1000人近く入る劇場に観客はほんの少し。いい映画が当たる訳ではないという現実をまざまざと見せ付けられる。実はこの「アンダーカヴァー」もほんの少し前に川崎のシネコンでも上映していたのだが、客足が悪かったのかあっという間に別の映画に差し替えられていた。シネコンは、近くにあって便利ではあるが、客足が悪いと本当に無残に切り捨てられてしまうのが残酷だ。なので、気になった作品はこっちも暢気に構えずにすぐに観に行かなくてはいけない・・・のだが。

 

  

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2009年1月21日 (水)

新しい出会い

 今日は、新しい出会いがありました。こういう出会いはとても大切にしていかなければならないと思いました。普通に仕事をしていると通り過ぎてしまうことが多いのですが、やはり人と人を結ぶのが映画やテレビの現場だと思うので一つ一つの出会いを本当に大事にしていきたいと思いました。

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東京少女 真野恵里菜 1話完成 とか座頭市とか

 昨日は昼から赤坂のスタジオで「東京少女 真野恵里菜 第1話 」のMA。今回は話がちょっと難しいので、単純に物語を過多に説明する機能としての劇伴音楽ではなく、日常の中から聞こえてくる音に音楽的効果を与えて少女の心理の複雑な部分を表現しようと模索した。例えば、冬になると夕方聞こえてくる灯油販売の車から流れているオルゴールの音とか、外で遊ぶ子供たちの声とか。難しいのは、映画の場合はかなり繊細なレベルでミキシングしていけるのだけど、テレビの場合は見ている人の日常の音もあるからあんまり繊細すぎる音付けをすると聞き逃してしまう危険性もある。うちだってテレビ見ている最中に様々な日常の音が聞こえてくるから、狙いを絞ってある程度はわかりやすく聞きやすい帯域に音を設定したりしなくてはいけない。なので、MAダビングルームの巨大なスピーカーから聞こえてくる音だけで「いい感じ」に設定してしまうと、オンエアでは聞こえてこなかったりすることもあるので、気になるところは全て民生機レベルに音を流して貰って確認した。

 そんなことをやっていたら、結構時間が押してしまって、本当は終わったらシネマヴェーラ渋谷に「森崎東特集」を」観に行こうと思っていたが時間が間に合わず、赤坂サカスにある成城石井でワインとチーズとオリーブを買って帰り年末頂いた生ハムで夕食を摂る。ちょっと贅沢な夕食だったが、まあ完成記念の打ち上げと言うことで妻と盛り上がる。アオカビのチーズにちょっとだけ蜂蜜を垂らして食べるのが本当に美味しくって昨日はワインを一本飲んでしまった。

 食後は映画を観られなかった代わりにハイビジョン録画してあった89年版の「座頭市」を観る。役者としての勝新太郎としても、勝新太郎監督作品としてもかなりいい。物語映画としてみれば、かつての「座頭市」作品のエッセンスを全て盛り込んで名場面集的な構成でもあるのだが、そういった観点ではなく音楽を聴くように鑑賞するのが楽しい映画だと思う。だからこの映画は何回観ても楽しめる。当時人気があった若手のコメディアンや俳優を起用しているところはちょっと古さを感じたりもするが、89年段階において可能な限りの時代劇役者をかき集めて脇役に配しているところが素晴らしい。蟹江敬三さんとか、当時既に名優的な扱いを受け始めていたにも関わらず若い自分に演じていた「せこいやくざの子分役」を過不足なく演じていたりしていて、蟹江敬三は歳をとってもせこいやくざの子分役を演じ続けて良かったんだと確認させられたり、他にも江幡高志さんとか田武謙三さんとかかつての映画、テレビの時代劇で悪役を演じていた人たちが勢ぞろいした最後の映画だったんじゃないかと思われる。

 ところでこの89年版「座頭市」にはフジテレビで一回だけ放送された勝さん本人の再編集による特別編が存在するのだが、これが単にシーンが延びていたりするのではなくて、同じ意味のことを全く違うシーン、芝居で撮ってあったものに差し替えられていた。例えば、市と浪人の緒方拳が交流するところで、盲人にどうやって色を教えるかと言うシーン。市は「赤い色はどんな色なんですかねえ」と問うと緒方拳は「夕陽、女の紅」までで映画はカット。で、宿に泊まっている市が雨漏りを竹筒で受けていると、先の緒方拳が部屋へ入ってきて「これだ!これが赤の色なんだ」と教える。で、緒方拳は市を切る様に命じられているので刀を抜くと「だんな、赤の色が濃くなってきしまたぜ」と市がまるで見えているかのごとく答える。と言う芝居で赤の色を表現しているんだけど、テレビ版では、この部屋での芝居の前に、市と緒方拳は居酒屋で既に再会していて、緒方拳が市の手のひらに直接熱燗の酒を注いで飲ませ「どうだ、暖かいだろ、それが赤の色なんだ」と言うシーンが付け加えられ、旅館での2人の芝居は単に酔っ払って遊んでいるだけのシーンにカットされている。どっちが赤い色を的確に表現していたのか?はともかく、こういう作業するには編集だけではなく、音のダビングを全てやり直さなくてはいけないので、恐らく勝さんが自己負担で特別編を作り直したんじゃないかと予測する。ただ、僕は勝さんが拘って作り直して物語の裏になっていたものを全て台詞で説明するシーンが加わった特別編より、多少わかりにくくても音楽的な心地よさが残る映画版のほうが好きだ。しかし、テレビで放送する以上「わかりやすくしなくてはいけない」と考えた勝さんは、やはり映画もテレビもなく絶対に手を抜かない作家としての凄さを感じるのだ。

 この勝さんの凄さを知るには、もうすぐ時代劇専門チャンネルで始まるフジテレビ版「座頭市」シリーズを観るといいと思う。特に勝さん監督の回は物凄い迫力がある。かつて黒沢清監督とロケハンの車の中で勝新太郎の話になった時、黒沢さんも「テレビシリーズの座頭市の方が好きだ」と言っていたのを思い出す。

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2009年1月18日 (日)

また風邪ひき

 15日の東京少女真野恵里菜の本編終了後くらいから、また喉をやられて風邪を引いた模様。緑山スタジオから帰る時にバスの時間を間違えて20分以上もバス停にいたせいかな。いやでも編集室のバス時刻表は間違っていなかったはずなのに・・・。それから16日は成城でレッスンを行い帰宅したが風邪は中々治らない。今回は熱は出ていないけど、ひたすらに喉が痛む感じ。乾燥が原因だろうなあ。去年の冬は一回もインフルエンザすらかからなかったのに、今年は妙に風邪ひきになっています。今日は静養。

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