« 2009年1月25日 - 2009年1月31日 | トップページ | 2009年2月8日 - 2009年2月14日 »

2009年2月1日 - 2009年2月7日

2009年2月 7日 (土)

小出早織は「サンダカン八番娼館 望郷」に出るべきだ

 この間スカパーで「サンダカン八番娼館 望郷」を久しぶりに観た。熊井啓は「お吟さま」と「天平の甍」で遠ざけてしまった監督なんだけど、上記のような大作日本映画では力を発揮できないものの、日本の社会派監督の系譜に漏れず、残酷な社会派映画では俄然と妙な力を発揮し始める傾向があるように思える。山本薩夫は映画的センスも含めてもっと再評価されるべき監督であるともいえるが、娯楽映画を撮ると凡庸な演出で観ていられない今井正も左翼系社会派映画になると何故か暴力的で残酷描写が極まる。これの理由はなんなんだろうと高橋洋と話し合ったことがあった。旧左翼系映画人の中に潜む情念が特高警察の左翼弾圧のシーンになると、サディズムとマゾヒズムが微妙に交錯した暗い欲望となって見事に開花するのだ。若松孝二監督の拷問映画にも匹敵する恐ろしいシーンを僕はこの社会派映画の人々に感じるのだ。 「党員を裸にして縄で縛ってつるし上げ、特高警察風の男たちに竹刀で滅多打ちにして気絶しそうになると水をぶっ掛けて覚醒させ、また竹刀で打ちまくる。これを現日本共産党の志位委員長さんに演じてもらい「消費税値上げはんたあああい!」と叫ばせるCMを造れば確実に共産党の票は伸びる」とその高橋洋さんと話したことがあった。それで幻となった「発狂する唇3」の脚本の中に、警察による拷問シーンと言うのを書き加えた覚えがある。

 さて「サンダカン八番娼館」であるが、田中絹代の若い時代のからゆきさんを高橋洋子が演じているのだが、これが小出早織ちゃんそっくりだった。こう言う太平洋戦争中に流転の人生を歩みながら力強く生き抜いていくような役を彼女なら地に足のついた演技力で演じきるのではないかと思った。新劇のベテラン俳優人に囲まれ、ベテラン監督とカメラマンに指導を受けられると言うような映画の現場が殆どなくなってしまったが、一度小出早織版「サンダカン八番娼館」を観たい気がする。

| | コメント (2)

感染根管治療とか堂島ロールとか

 正月から通っている歯の治療が未だに続いています。感染根管治療というやつです。歯の根の中をぐりぐり削って、中に細長い器具を入れてそこに水を入れたり風を入れたりして清掃しながら、薬をつめては様子を見るという治療が続いていますが、歯医者がある日は正直午前中がつぶれてしまうのが痛いです。僕は完全に朝方人間なので、仕事は出来るだけ朝早くから起きて始めるのですが、丁度僕の担当の歯医者の先生が平日の午前中が都合がよいらしく、1週間に1度は午前中がつぶれてしまってます。まあ、それでも早く治ればいいんだけど。

20090201153819 写真は頂きものの堂島ロール。川崎のラゾーナ内にあって、何年か前にジャニーズの男の子がテレビで宣伝したら毎日列が出来て並ばないと買えなくなってしまった代物です。味の方は、シンプルで生クリームをロールしただけでほかに一切何も入っていないのですが、このロールケーキのケーキ部分が卵たっぷりで非常に美味しいです。依然貰って食べた時より断然美味しく感じました。

| | コメント (0)

2009年2月 3日 (火)

女生きてます 盛り場渡り鳥

 丁度見たい作品の時に限って仕事と重なっていけなかったシネマヴェーラ渋谷の森崎東特集にようやく駆けつける。上映作品は新宿芸能社を舞台にした女シリーズ4部作のうち「女売り出します」と「女生きてます 盛り場渡り鳥」の2本立て。この「盛り場渡り鳥」がだけ未見だったのだ。このシリーズ、藤原審爾原作なのですが当初は加藤泰による映画化の企画もあったようで、キネ旬増刊「世界の映画作家加藤泰」の中にオリジナルシナリオがあります。僕は個人的には森崎東監督というとこのシリーズが一番好きです。新宿にあるお座敷ストリッパー斡旋所というかなり特殊な場所を舞台にした群像劇で、森崎東監督の猥雑なパワーが見事にプログラムピクチュアの中に開花していて渾身の作であろう「生きているうちが花なのよ死んだらそれまで党宣言」や「ニワトリはハダシだ」よりこっちの方がいい仕事していると思う。主演は森繁なんだけど、相方の母さん役と共にむしろ狂言回しで、毎回のように登場する社会から完全にドロップアウトしている暴力的なゲストたちがメインだ。森崎東が脚本を書いていた「男はつらいよ」の寅さんも本来はこう言うキャラに近かったのではないかと思う。

 さて「盛り場渡り鳥」であるが「女売り出します」とともにこの2作は、東映から鈴木則文組でも露悪的な内容で定評のある掛札昌裕を読んできて共同脚本を作り上げているように、森崎東の映画の中でも特に猥雑でエロ部分がパワーアップされている。SEXすると全身に蕁麻疹が浮かぶ川崎あかね、早漏の出刃亀童貞なべおさみ、亡霊のような白塗りで気色悪い色きちがいの春川ますみなど等、ゲスト主役の山崎努のシリーズ中最も暴力的で救いのないドモリのキャラクターまで、映画が始まって90分間ノンストップで弾けまくる。森崎東の映画の中でも最高傑作の部類に入るんじゃないかと言う傑作だった。山崎努が一人で家をぶっ壊すシーンが伝説となっていたけど、はじめて見ると、むすろ川崎あかねと春川ますみの肥えた日本人女の醜悪なバトルの方が迫力があった。

 これを観ると、見逃した「喜劇 特出しひも天国」もやはり観たくなってしまうなあ。

 「盛り場渡り鳥」は、明日も渋谷のシネヴェーラ渋谷で上映しているので、ぜひとも観に行って欲しいと思います。シリーズ4部作のうち3作まではかつてレンタルビデオ化されていたけど、この映画だけはソフト化されていないのは何か理由があると思うのですが、今後も多分ソフト化されないだろうと思いますので是非観ておくべきだと思います。プリント状態も殆ど上映されていないせいなのか結構綺麗でした。

http://www.cinemavera.com/timetable.html

20090202155338 写真はやはり「盛り場渡り鳥」を観に来ていた保坂君。「東京的少女」の監督でもあります。僕は彼の撮った「銭形海」に出演したことがありますが、編集で1シーン切られていて、撮影したのに使われないと役者と言うものは傷つくもんだと言うことを身をもって知りました。

| | コメント (2)

2009年2月 2日 (月)

打ち合わせとかジェームズ・グレイとか

裏切り者 DTSエディション [DVD] DVD 裏切り者 DTSエディション [DVD]

販売元:パイオニアLDC
発売日:2002/03/01
Amazon.co.jpで詳細を確認する

KJと五反田のイマジカまで行って一瀬さんと脚本打ち合わせ。ロングプロットから脚本へと次の段階へいよいよ進むことに。217日の僕の誕生日まで仕上がると嬉しいよという事を冗談交じりに伝える。いろいろ試行錯誤を重ねてきたが、「気合が入れて書こう!」といつも冷静沈着な態度に見えるこの男にしては珍しく感情の昂ぶりを見せていた。彼にとっても、自分の資質と合う題材だったのだと思う。実際この一ヶ月彼が書いてきたプロットは非常に緊密で面白い内容のものになっている。ただ、彼はBsiのメインライターでもあるので、うまく両立させて頑張って欲しいと切に思います。

その後は2人で大崎のサンマルクカフェでチョコクロを食べながら具体的な演出プランも交えながら打ち合わせして一緒に横須賀線へ乗り込み、僕は新川崎で途中下車。ジムへ寄り、家へ帰ってからは再び小津。やはり面白い。情感とかすっ飛ばして、物凄いスピードで物語が語られていくのが凄い。

その後夏帆ちゃんの「天然コケッコー」をスカパーで観たり、ジェームズ・グレイの「裏切り者」をDVDで観たり。「裏切り者」は、ジェームズ・グレイの「アンダーカヴァー」を観て凄く気に入ったので、即効で観たくなった。これもやはり中々の傑作。奇をてらうことなく正攻法に重厚な社会派サスペンス描ききっている。ジェームス・カーン、エレン・バーンステイン、フェイ・ダナウエイと70年代アメリカ映画を支えていた俳優たちを脇役に本当にうまく配置しているのも素晴らしい。しかし、フェイ・ダナウエイっていつからあんな整形顔になってしまったんだろう。「俺たちに明日はない」はおろか、「チャイナタウン」や「アイズ」の頃に比べても全然違う顔だ。皮膚を吊り過ぎてソフィア・ローレンみたいな顔になっている。

| | コメント (0)

« 2009年1月25日 - 2009年1月31日 | トップページ | 2009年2月8日 - 2009年2月14日 »