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2010年1月26日 (火)

また横浜で

 昨日は午前中~昼にかけては妻の母の誕生会で会席料理を食べに行き、一旦家へ帰ってすぐに広尾に打ち合わせに出かけ、また一旦帰って、夜から妻と共に横浜まで出向いて、「ケータイ刑事」や「東京少女」の美術を何年も担当していた人たちと呑む。一昨日、突然ですが横浜で2時間ドラマのロケをやっているので、終わったら呑みませんか?と言うお誘いだった。普段はあんまり呑み会には出かけない僕らが出向いたのはこの二人のことが僕も奥さんも大好きだったからでもあります。BSーTBSのあの枠で二人は本当に頑張っていてくれたものなあ。個人的には「ケータイ刑事 THE MOVIE」で舞の事件の時の漫画家のロケセットの飾り付けが素晴らしかった。漫画の原稿のディティールとか「あんこ」と言う表紙と裏だけ本物で中身は白紙を用いず、アドリブで役者の芝居が原稿を手にすることになっても対応出来るようになっていた。これが仕事の出来ないスタッフだと、美術打ち合わせで話にでないと「あんこ」ですませてしまうことが多く、「役者がそんな芝居するなんて聞いてません」の一点張りになるのだが、リハーサルと違ってやはり生きたセットに入って動いてみると役者の生理からどんどん芝居が変わっていくなんてことはざらにある。亡くなった古尾谷雅人さんと飲んだ時。「オレはドラマのリハーサルって奴が大嫌いだ。実際にないそこにはない水道をひねるふりをしてもオレには芝居は出来ない。かと言って、いざセットインしてから芝居を変えると『芝居』ではなくカメラの都合で、芝居を変えるなと言う。ドラマのリハは役者の芝居のためにあるんじゃなくて、スタッフの段取りの為だけにあるんだからな」と言っていた事があった。

  一度事前に決めた決め事を現場でいろいろなことが思いついても対応出来ない。逆に全て計算したとおりに合理的にやれるのがプロの仕事とするのがテレビの特徴であり、それはそれで時間がない撮影においてはしょうがない部分もある。だから最近の助監督は「これは映りますか?」とロケハンもしてないうちから聞いてくることがある。僕は助監督の時にこんなことを聞いたことは一度もなかった。いつどこで監督が「映す」と言い出すかわかないから、どんな時にも対応出来るように万端整えておくのが助監督の仕事だと思っていた。特に長崎俊一監督なんか事前に質問しても「そんなもの役者が動いてみないとわからん」としか答えてくれなかったし。

 それはともかく、予算がない代わりに現場での自由さが約束されていたのが「ケータイ刑事」であり「東京少女」であり「恋する日曜日」であった。そして、そういった俳優や監督の我侭を文句を言わずにとは決して言わないが、きちんとした対応で接するとどこまでも頑張ってくれたのが、昨日会った美術の竹安さんだった。一緒に現場でものづくりしていく独特の自由なムードが素晴らしかったあの現場。いまは中断していますが、またいつか復活することを心から祈っています。

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コメント

お忙しい中、久し振りにお会い出来てとても楽しかったです(*^_^*)
そしてご馳走様でした_(._.)_
もっと早くご連絡したかったのですがバタバタしていて2日前のご連絡になってしまいました‥。

奥様ともお会い出来て嬉しかったです☆
また監督&奥様とお仕事ご一緒したいです(。・_・。)ノ

投稿: マックス | 2010年1月28日 (木) 00時37分

僕らもスゴク楽しかった。また会いたいね。出来れば現場で会える日を楽しみにしています。

投稿: SASAKI | 2010年1月28日 (木) 10時38分

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