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2010年1月3日 - 2010年1月9日

2010年1月 8日 (金)

歯医者終了とアバター

歯医者の最終チェックが終わり、これですべて治療は終了。1年間かけて、完璧な噛合せになった。歯磨の状態チェックもされるがこちらも完璧。自分に本当にお疲れ様と言ってやろうと思う。

と言うわけで、いくつかの業務連絡をメールでやりとりして、今日は午後から川崎109シネマのIMAXシアターでジェームズ・キャメロンの「アバター」を観る。ディズニーランドのどのアトラクションよりもライド感ある体感するエンタティメントは素晴らしかった。特に、前半~中盤の見た事がない映像の嵐と、見た事がない生命体に感じる言葉には出来ない感動は実写では絶対に成立しない凄さをまざまざと見せつけられた。この映画を観て、昔読んだクリストファー・プリーストの「ドリームマシン」とか、このクオリティで映像化したら凄いのになあと思いながら観ていた。むかし、サンリオや創元SFで読んだ絶対に映像不可能とも思える世界はいまそこに映像として成立させるところまで映画は進化したかも知れない。

ただ、そのあまりに凄い映像とは別に、いくつかステロタイプな人物像にちょっと底が浅い感じがしてしまうのは、80年代に「ターミネーター」や「エイリアン2」を観た時からジェームズ・キャメロンに感じていた物足りなさそのままでもあった。例えば軍隊を裏切る女兵士とか、最終的に悪役になる大佐の人物像とかもう少し掘り下げると、主人公が地球人と軍隊を裏切ってまでパンドラを救うために立ち上がる姿により感動出来るのではないかと思った。これは脚本の問題ではなく、役者の芝居と言うかキャラクター設定をどう掘り下げて行くかと言うことではないかと思う。一方のナヴィ側の描き方も確かにステロタイプなんだけど、こちらは型にはめてもそれが様式的に成立しているからなのと、インディアン俳優ウエス・ステュデイを族長にキャスティングしたりして芝居の奥行きがちゃんと出ているのに、スティーブン・ラングには軍人としての、歴戦を戦ってきた強者としての深みが足りなかったように思う。その出自から言うわけではないが、恩師ロジャー・コーマン的な「まあ、こう言う映画では人はこうさ、これでいいんだよ」みたいなB級映画的な人物処理がまだ残っていて、そこも嫌いではないが、後半の肉弾戦にもっと大佐の怖さが必要だった。「こいつ敵に回すと絶対にヤバイ」感がスティーブン・ラングにはなく、マッチョな暴力的な浅さ故にバトルの後半飽きてしまったのだ。もっとリー・マーヴィン魂が欲しかった。せめて、ロナルド・レーガンでもいい。そういう役者ももうアメリカにもいないのかも知れないけど。

ちなみに川崎109シネマのIMAXの画面は小さくて、僕が知っているIMAXシアターの画面ではなかった。デジタルによる音と高画質映像は良かったと思うけど、かつてIMAXが謳っていた巨大スクリーンではなく普通のシネコンのスクリーンサイズだったのはちょっとがっかりだった。

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2010年1月 6日 (水)

正月は韓国映画三昧だった

ウォン・シニョン監督、キム・ユンジン主演「セブンデイズ」が誘拐ミステリとしてよく出来ているような記事を読んだので、正月に慌てて借りてきて見たが、全然駄目だった。犯人の意図は途中で読めてしまうし、それに当てはまる人物が出てきたところで僕の中では物語終了だった。でもそれは物語、脚本の批判でしかなく、特別に物語に真新しさや展開がなくても映画は楽しめるものなのだが、それが楽しめないのは演出が酷いからだと思う。ぶれぶれカメラでやたらにカットをパチパチと切り替え、さらに編集で可変速とオーバーラップを過剰に操るPV演出はトニスコでも最近やらなくなっているのにと、ああいう一過性の流行りものの演出を見せられると本当に腹が立つ。何年か前にも「インファナルアフェア」や「24」の編集を、そのまま真似したテレビドラマがあったが、あの程度の下品さだった。

 と、口直しにホン・サンスの「気まぐれな唇」と「女の未来は男だ」と「浜辺の女」を連続DVD鑑賞するが、口直しどころか感動してしばらく席をたてなかった。いくつかの評を読む限り韓国のエリック・ロメールとか書かれていたけど、扱うテーマが「性」であることと生々しい会話での長回しは、いくつかの神代辰巳を思わせた。殆ど1シーン1カットなんだけど、日本の若い監督の長回しにありがちな傲慢な長回しではなく、カメラと役者の距離感に温かみがあって、映画を観ている間中心地よい時間が過ぎて行くのを共有させてくれるような時間を作り出しているのが素晴らしい。あと、韓国映画にありがちな興奮した激昂芝居が殆どないのもいい。こう言う思い切り創り上げて、それでいてまったく自然な芝居は時間をかけないと生み出せないのであろうが、映画における芝居のある理想系の形だろう。ホン・サンスはプロットだけ決めて、あとは役者とディスカッションしながら台詞を作り上げていったらしいが、時間の余裕さえあればそういった芝居作りはやはり興味深い。でも、本当に上手い人とではなくては出来ないのかとも思う。ワークショップで、こう言う芝居作りは何度か取り組んだことがあるが、経験値が低かったり演技対する考えに計算が建たない人がやるとかなり悲惨なことになる。やはり自然で演技していないような芝居を演技で作り上げると言う再構成が出来ないとこのクオリティにはいかないと思う。要するに「思いつき」だけでは駄目だと言うことだ。「思いつき」をオリジナルな表現に持っていくには経験値が高い胆力が必要ではないかと思う。日本でこの手のインディーズ作品が辛いなあと思うときは大概この芝居の追い込みが足りないからじゃないかと思う。まあ、真面目にやれば相米組のように1ヶ月の撮影スケジュールが3ヶ月にまで伸びて、2億も3億も赤字出したりすることもあるから、気をつけなくてはいけないけど。

こう言う弛たう映画は、80年代~90年代初頭の日本の自主映画系の監督にも多く見られたし、むしろ日本のインディーズ映画得意のジャンルだったはずなのに、軽く韓国映画に超えられてしまったのは悔しい。僕はこう言う映画は撮らないと思うけど、例えば松岡錠司監督とかPFF入選作の「三月」とか「田舎の法則」とか見る限り、限りなくホン・サンスのようになって欲しかったのに・・・。

と言うわけで2月にやるワークショップのテーマがはっきりしました。

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2010年1月 4日 (月)

自主映画「仁義なき戦い 外伝 女子大 恥ずかしゼミナール編」

その日、にっかつ撮影所は異様な空気に包まれていた。黒沢清組「女子大 恥ずかしゼミナール」のオールラッシュだったのだ。僕にとっては初めての35ミリ製作の映画のオールラッシュ。「女子大 恥ずかしゼミナール」はにっかつ製作の映画だったが、当時1000万ほどの制作費で水谷俊之監督や磯村一路監督も挑んでいた低予算による外部発注の意欲的な企画を映画化するロマンポルノ枠だった。なので撮影所のシステムではなく、ピンク映画にほぼ近いシステムで作られていた。と、言っても水谷さんや廣木さんたちのようなピンク映画として確立されたシステムであったわけでもない。むしろこの間書いた、立教SPPを中心とした大学映研連合の色合いが強かった。万田邦敏、塩田明彦、暉峻創三、園子温、小中和哉、篠崎誠、ら監督たちの他に、今関あきよしの「フルーツバスケット」で女優をやりその後渡辺文樹の「家庭教師」にも出ていた庄司真由美が制作進行だったし、当時PFFで賞を撮りその後廣木隆一や中村幻児のピンクやホモ映画で主役も演じていた首藤啓が役者として参加していたり、まあとにかく10日間ハードな学園祭のノリだった。ただ僕だけは、長谷川和彦から預かった助監督として、カチンコの叩き方から、現場での声の出し方まで、黒沢清監督には助監督の仕事を厳しく教えられた。これは意外と思う人が多いかも知れないが、その後ああいう黒沢さんの態度は僕だけに向けられたもので、実に以外であったと言う話をしたら、「佐々木はゴジさんから預かったから助監督としての躾もちゃんとしなくちゃいけないと思ったんだよ。でも、あとでゴジさんにそんな話したら「ああそんな奴もいたな。あれは黒沢の好きにしていいよ」と言われてさ、いや、本気で怒ったわけじゃないからね」と言われたことがある。

さて、そのオールラッシュの日、にっかつ撮影所には初めて大画面で自分たちが関わった映画がオールアフレコの台詞がついたバージョンを観るために、この学生連合たちが集結していた。ラッシュ前の試写室は学校の講義前の部屋のように賑わっていた。だが、ラッシュが終わり黒沢さんが会議室に呼び出され戻ってきた時、黒沢さんの顔は青ざめていた。にっかつ上層部からもっとセックスシーンを撮り足さないと納品拒否と言われたのだ。その後、「恥ずかしゼミナール」はディレカンがにっかつから権利を買い取り、1年後にポルノシーンではないシーンを撮り足しされて完成されたが、この日はまさに地獄の一丁目的な雰囲気が監督やプロデューサーから漂っていた。その状況は僕らにも伝わってきた。さて、これからどうするのか、黒沢さんを囲んでやけ酒でも呑むのかなとか思っていたら、おもむろに塩田明彦が「あ、あのこれからイタリア文化会館で「暗殺の森」やるんだけどさ、みんな一緒に行く?」と言い出した。さすがに万田さんは同調しなかったが、暉峻君は「それは大事だね」と、言い出し、難しい顔で打ち合わせするプロデューサーや監督を尻目に僕らは撮影所を後にすることになった。

結局、僕らは「恥ずかしゼミナール」のオールラッシュから数時間後、日本語字幕のない「暗殺の森」を観ていた。途中で映写ロールの架替ミスがあって、或シーンから突然森の中での暗殺シーンになってしまって混乱したが、後年「暗殺の森」を観たとき、この字幕なしでよくわからない架替ミスバージョンのほうが映画として印象に強く面白かったのではないかと思った。

しかし、これはいかにも学生が集まっていた映画の現場らしい結末だったとも思う。僕はまだ東京に出てきて右も左もよくわからないうちの経験だったので、みんなと行動を共にしたが普通は自分が関わった映画が心配で中々他の映画を観に行く気にはならないのではないかと思うが、そこが映画に対してはどこまでも貪欲であり続けた映画青年たちだったのだ。でも、そういう時に為す術も無くやけ酒を飲みに行くより、ベルトリッチを観に行く行為の方が映画に対しては誠実な行動だったと思う。まあ、スタッフの心構えとしてはだめかも知れませんがね。

1年後再開した、「ドレミファ娘の血は騒ぐ」の現場には長崎俊一監督の企業PR映画の助監督の仕事ともろ被りだったので参加出来なかったが、これは大いに心残りだった。

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2010年1月 3日 (日)

映画秘宝 09年度ベストテン

 先月の20日頃には編集部に提出してしまったので、それ以降見た映画はカウントされていません。ベストテンについての詳細は1月20日発売の映画秘宝誌上にてよろしくお願いします。

○09年に観たベスト映画10選
1 グラントリノ (クリント・イーストウッド)
2 チェンジリング (クリント・イーストウッド)
3 呪怨 白い老女 (三宅隆太)
4 サブウエイ123 (トニー・スコット)
5 チェイサー (ナ・ホンジン)
6 アンナと過ごした四日間 (イエジー・スコリモフスキ)
7 アンダーカヴァー (ジェームズ・グレイ)
8 スペル(サム・ライミ)
9 木漏れ日の中で (ヴィクター・ヌネッツ)VHS鑑賞
10ミネソタ大強盗団(初ソフト化)(フィリップ・カウフマン)

見ていない映画、特に邦画は見ていないので偏見に満ちたベストテンではあります。

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初夢

 初夢は、堀北真希ちゃんがシンガーデビューすることになってそのPVを真希ちゃん主演で撮っていると、三谷幸喜さんが現れて強引に真希ちゃんを連れて行こうとするので「なにするんだ」と、三谷さんの腕をつかんだら、三谷さんの腕がずるりっと取れて、肩口から緑色のいくらのような粒状の血が流れ出て「けけけけけけ」と笑って去っていき、三谷さんは宇宙人だったことがわかる。と言うようなものでした。

 年末年始の食べ過ぎで体重が1.6キロも増加。昨日は、箱根駅伝の往路を見てからジムに行き2時間ほど汗を流しましたが、一度増えると中々落ちないんだろうなあ。今日もジムへ行く予定です。ところで今年も箱根駅伝は熱いですね。去年に引き続いての東洋大柏原の激走はちょっと凄すぎる。さて復路はどういうドラマが待っているのだろうか?昨日はその後出していなかったのに、来てしまった人への年賀状を書いて出しました。

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