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2010年1月17日 - 2010年1月23日

2010年1月23日 (土)

ユービック 

一日で読み終わる!
良かった、再読だったせいかもしれないが、まだまだ頭は老化していなかった。
それにしても面白すぎだなあ。「ユービック」。四半世紀経って読んでも全然古くないわ。
「古くならないものが新しいもの」と言うのは、小津の「宗方姉妹」での田中絹代の台詞だがまさにそのとおりだ。

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2010年1月22日 (金)

スキャナー・ダークリー

 昨日は、午前中に未見だったリチャード・リンクレイターの「スキャナー・ダークリー」をブルーレイで観て、午後からライターと脚本打ち合わせ。打ち合わせ後ジムに立ち寄って汗を流して夜に帰宅。サウナの時計がその時間壊れていて、時計がないサウナに一抹の恐怖を覚える。

 「暗闇のスキャナー」を読んだのはもう20年以上昔で、昔住んでいたアパートの誰かの部屋にディックの本があちことに散らばっていたので、かたっぱしから毎日読んだ記憶があって、昨日も思い出して「ユービック」や「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」とか引っ張り出して来てパラパラめくったが当時これを一日一冊読んでいたのが信じられない。脳は明らかに退化して行くもんだと言うことを思い知る。いまでも覚えているのは「パーマーエルドリッチ~」を読んでいて、うとうとして、はっと目が覚めると怖い顔した若いお兄さんがこちらを見下ろしていた。「実は、近くに〇〇組の事務所を開くことになって、うちの組の挨拶がてら新聞の勧誘を手伝うことになったので、読売新聞をとってくれ」と言うものだった。以前も書いたが、共同玄関、共同トイレのそのアパートは鍵と言うものが存在していなくて、自主映画の監督や役者同士が勝手に部屋を行き来していたものだが、その日も鍵をかけずに本を読んでうとうとしていたらヤクザものが勝手に入り込んできたのだ。僕は喉から心臓が出るほどその時は怖かったので、半ば脅されるように読売新聞の契約書にサインをした。ヤクザのお兄さんは、お礼にと東京ドームのチケット2枚と相当数の枚数のビール券を置いていってくれたが、その後新聞は一度も投函されず、集金に来ることもなく、僕は野球のチケット2枚とビール券を戴いただけだったのだが、あれはなんだったんだろう?貧乏な助監督の家に天使がやくざ者の姿を借りてやってきてくれたのかなと思ったが、きっと新聞の契約数だけでも集めると何かヤクザさんたちに利益があったんだろうなと思う。

 「スキャナーダークリー」はもうすっかり小説の内容を忘れていたにも関わらず面白かった。ロトスコープと言う実際に俳優の芝居を撮って、その動きをキャプチュアしながらアニメ化されたものだが、ディックの世界を映像で表現するには最適な方法だったのではないだろうか?アニメ化された尚且つ芝居の上手さをロバート・ダウニーjrには感じたが、ディックの世界観は数十年経ても古くなっていないどころか、こうして実験的な方法で映画化されるだけの価値はあると思った。人間の心の寂しさは疎外感はあの頃よりもっと増しているので、余計にひしひしと感じるのかも知れない。

 ところで「スキャナー・ダークリー」の評をネットで検索していると、この映画を「自分が理解できない」と言う理由で30点とか点数評価をしている、映画批評家を名乗る人がいたけど、そういう自分の能力のなさを露呈するようなことはしない方が懸命だと思った。「理解できない映画」があるのは当然だろう。ただ「理解できないもの」に対して、それを拒絶してしまうのは評論家のすることではない。僕らは若い頃「理解出来ない映画」が存在してしまうことは自分の恥だと思った。だから「理解できない映画」があったら、理解出来るまで勉強をした。誰のためでもない、自分のためだからだ。それを自分に理解できない映画を30点とかつけてしまうのは、自分の知識教養のなさが30点とひけらかしているようなものだと思う。映画評論家を名乗るなら、映画に対してもっと畏敬の念をもって接しなければいけないのではないだろうか?これは映画に限ったことではない。自分の理解の範疇外にあるものを否定してしまっては、そこから科学も文化も生まれないと思うのだがどうだろうか。

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2010年1月21日 (木)

映画秘宝 最新号とか

 昨日は朝早くから義父を連れて妻と共に病院へ行く。老人性難聴の定期診断と、先週足腰が痛くて歩行困難になった日があったのでその検査も含めて。腰の方はもう痛みもなく、問題なく日常をおくれているけどかかりつけのお医者さんが一応総合病院でも診て貰った方がいいと言う判断。義父は他は全然元気なんだけど、老人性難聴の為に医者や看護師の声が聞き取りにくいので、声に芯のある僕が通訳のような役目を果たすことになっている。幸い耳の状態も腰の状態も悪くはなっていなかったので、2週間後までまた様子を診てみることになる。昨日は病院も混んでいて、午前中いっぱいかかり、3人でラゾーナで遅い昼食を食べて帰宅。病院へ行く日が暖かい日で良かった。

 帰ったら、映画秘宝最新号が届いていた。今回は僕もベストテンと久々にワースト1も書いていますので是非お買い求めください。宜しくお願いします。ところで、ページをペラペラめくっていたら、柳下さんたちが選定する「はくさい賞」の最低監督賞にあの監督の名前があって、背筋が寒くなる。僕らは助監督の時に、あまりのバイオレンスさで絶対避けておきたい監督として先輩助監督に教えられた人だったからだ。知ってる人が見るとこれは勇気ある選択だったような気もします。まあ洒落もわかる監督だとは思いますが、自分の作品に関してはどんな映画でも監督は思い入れがあったりするから、ゴールデン街とかで会ったときは速やかに逃げることをお薦めします。じゃないと、あの世代の人達は議論の余地なく寺山修司言うところの「超然とした肉体の言語」でもって迫ってきますからねえ。まあ、そんだけの映画撮ってしまったと言うことなんだろうけど。

 それとは別に、江戸木純さんの最後の締めの言葉「状況は悪化するどころか、外国映画の公開DVD化の状況を含めて映画界全体が大変なことになっています」と言う言葉は、この雑誌の中の小さな一行だが、現在僕らが置かれている映画状況を端的に現していると思う。今年のラインナップの中に意欲的な作品を感じつつも、それが興行的にリクープ出来なかった場合その後の映画の道筋がまったく見えてこないからだ。

 時間はかかるかも知れないが、我々自身が「当たる」作品を撮って、良貨が悪貨を駆逐する状況を本気で考えなくてはいけない。秘宝本誌にも書いたけど。もう低予算映画は市場の流通システムも含めて限界突破している。若者は才能の浪費をしないように自己防衛して欲しいと思う。みんな「仁義なき戦い 代理戦争」の渡瀬恒彦にならんように頑張りましょう。世の中は山盛だらけですよ。

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2010年1月19日 (火)

カールじいさんの空飛ぶ家

20100119185020 川崎ラゾーナで妻と共に「カールじいさんの空飛ぶ家 3D」を鑑賞。今日は、この間のアバターの時のIMAX デジタル3Dと違って液晶シャッターのXpanDと言うシステムだったが、断然IMAX デジタル3Dの方がいい。XpanDは、メガネが重たくて裸眼で観るより遥かに映像の発色も悪くなる。劇場としてはスクリーンも通常のもので補えるし、上映方式の設置が簡単なXpanDがこれからも主力になるんだろうけど、メガネの視野も広いIMAX デジタル3Dを体感してしまうとXpanDは、ちょっとつらいものがあった。

 この映画の日本での宣伝に当時楽天の野村監督を起用してイベントをやったせいか、僕の中ではカールじいさん=ノムさんと言うイメージが出来上がってしまっていたのだが、少年時代から映画が始まったので、本編中はもうノムさん補完はなかったし、エリーも沙知代夫人とは大違いであったけどね。映画の方は、散々最初の10分で大泣きと聞かされていたので、それほど泣きはしなかったけど冒険活劇映画として充分楽しめた。ただもう少し、前半は老人が子供に優しくなかった方が良かったかなと、最終的には優しくてもいいんだけど、前半は「グラントリノ」のイーストウッドではないけど、最初は拒絶しつつも冒険の中で邂逅して行く方が、過去の思い出を捨てても少年を助けに行こうと言うところに感動できたのになあとかは思いました。僕の中でのベストキャスティングはジョージ・C・スコットだといいのになあとか思ってみていたけど、それだとディズニー映画ではなくなってしまうか・・・。でも年寄りが活躍するアメリカ映画は僕は大好きですね。日本語吹き替えも、俳優ではなく飯塚昭三さんや大木民夫さんと言うベテランを起用しているのも良かった。ディズニーランドはちょっとした日本人のキャスティングも相当に厳しいらしいけど、こう言う日本語版も確りとしていていいですね。

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2010年1月17日 (日)

「bump. y」 青山円形劇場

 昨日は妻と青山円形劇場へ出かけ、丹羽さんに招待戴いた「bump. y」の舞台を観に行く。妻は舞台に多く出ていた時代に青山劇場へは通いなれていたと言うことで、渋谷駅からの近道を通って歩く。僕は、ここ数日はちょっと心労もあったので、このイベントは丁度いい具合の清涼剤だった。前半がネットドラマの舞台版の劇で、後半が歌謡ショー。と言う構成はなんとなく新宿コマの座長公演を思わせるが、歌も歌うアイドル系の舞台=イベントではオーソドックスなものなのかな?正直、自分たちだけが面白いと思っているシリアスな演劇より全然楽しかった。最近は風間杜夫さんの客演した「THE ガジラ」の舞台とか本当に面白いものを観たりしているからそうでもないけど、若い役者が案内を出してくれる小劇場の舞台とか昔は時々観に行っていたけど、本当につまらなくてつまらなくても途中退席も出来ず、それで時には2時間半とか拷問のような舞台劇があって、それに比べれば昨日の青山円形劇上の舞台は可愛い女の子がたくさん出てきて可愛かったし、後半の歌謡ショーは80年代歌謡曲好きにとってはたまらない選曲で楽しめた(石川秀美の「ゆ・れ・て 湘南」とかマニアックだった)。でも、僕より隣の妻はもっと楽しんでいたのではないだろうか?昨日出演していた何人かの女の子がまだ中学生や小学生の時代に事務所から呼ばれて、レッスンに行っていたことがあるから、直接教えた子たちにはかなり愛着があるようだ。特に、中学生の時に土日だけ鹿児島から時々上京して、レッスンを受けていたデビュー前の桜庭ななみちゃんとは長いお付き合いでもあるので、愛情ひとしおと言う感じだ。なので、ちょっと恥ずかしかったけど僕らもお見送りのハイタッチまで参加して帰ってきました。楽屋口で何人か教え子たちにも会えたようだし。

 帰ってから、辰巳さんに戴いたイタリアのレモンリキュールをクラブソーダで割ったものを妻と共に飲みながら、出かける前に作っていったミネストレーネ食べ、ブルーチーズをパンに挟んでワインを呑んでいたら、珍しく酔が回って食後2時間ほど眠ってしまった。まあここ数日は疲れていたせいもあるだろうが、やはり違う酒を食卓に並べると酒量が増えてしまう。俗に「ちゃんぽん」と言うのは、例えば酒の種類が違ったものを呑むことで何か化学的に身体が反応して体調に影響をおよぼすのではなく、酒の種類を変えて味が変わることでどんどん舌が受け入れて酒量が気づかないうちに多くなることを言うのだそうだが昨夜はまさにそんな感じだった。

 

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